拳神と討伐隊 4
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「自らの非を認めるに敏なのは評価しなければなりませんね」
私は男を褒めた。
「折角なのでこれは頂いておきましょう」
男の差し出した金貨を収納する。
「貴方達の事を悪く言う事は無いとお約束する証として」
リーダー格の男が安堵の表情を浮かべた。
金を貰っておいてなお悪口を言うような下劣な人間は無視すればよいのだ。
「ありがたい。 感謝する」
男はそう言うと私が差し出した手を握って立ち上がった。
「そして改めて謝罪する。 俺達には気負いばかりか "驕り" があった」
他の六名の仲間を示して言葉を続ける。
「此処にいる者以外にも伝えて以後こういうことが無いようにすると誓おう」
全員が反省の表情と共に頷いた。
根は良い連中のようだ。
( 今時珍しい”熱血” の文字が相応しい男達なのかもしれない )
「是非そうしてください」
私はそう言って頷いた。
PK討伐中のエキスパートも観光中のビギナーも同じプレイヤーだ。
前者が後者よりより偉い訳ではない。
彼等がその重要性をしっかり認識してくれたようなのは喜ばしい。
PKと同様に上級者の専横もプレイヤー減少の大きな要因となり得るのだから。
「・・それで、改めて尋ねたいんだが」
少しの間を置いて男が訊いて来た。
「この辺りでそれらしい三人組を見なかっただろうか?」
自分の頭の上を指差して見せる。
「PK達にはこの辺りにそれと分かる表示が出てる筈なんだが」
どうやら彼自身は"タグ"を見た事が無いようだ。
PKタグについての通知は本日のログイン時 System Info としてテキスト表示されたばかりだから実物を目にした者はまだ僅かしかいないだろう。
「タグが見える位置はもっと上ですよ」
私は自分の頭上を指して見せた。
「見る者に正対するように赤色の太ゴシックで "K" と表示されるのです」
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