拳神とPK 3
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「出す! 金は出すから!」
暫しの逡巡の後に男が叫んだ。
尻を着いた状態から正座の姿勢を取り100ルド銀貨六枚を私の前に置く。
そして懇願して来た。
「…装備の方は何とか勘弁して貰えねぇか?」
剣も防具もかなりの金額を掛けた物のようだ。
リーダー格だけあって既に回収した二人の装備よりは上等に見える。
それでも私がオーガを倒した攻略組の遺品の剣とほぼ同等くらいだが。
「…ではもう1000ルドお出しなさい」
銀貨を収納した私はそう応えた。
どうせ金に換えてしまうのだ。
この男の装備自体が欲しい訳ではない。
( PK達の所持品だった装備を身に着けて使用したくなどない )
装備の価格については詳しくない私だが、先程立ち寄った市場で山賊の装備を買い取って貰った店で観た限りでは 最も高価な剣の値段が700ルドだった。
「・・・・・」
男は考え込んでいる。
黙っているところから察するに金は持ってはいるのだろう。
私が提示した金額はジャストなレベルだったようだ。
「如何します? 早くしないと時間切れになってしまいますよ」
私は男に声を掛けた。
毒消草を出して男に見せ付ける。
このまま放置しても男の装備は回収可能だ。
しかし換金すればその額は500にも届かないだろう。
この男が同じ装備を買い直すのに要する額は800~900辺りだと思われるからだ。
・・少々考えが商売人的になって来たきらいがあるかもしれない。
「分かった! これで頼む!」
男が頭を下げた。
そのまま恭しく敷石の上に両手を差し出す。
男と私の間には一枚の1000ルド金貨が置かれていた。
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