鑑定士 ★
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「大抵の毒はコレで消せますよ!」
薬屋が笑顔で答える。
私は毒消草がクロスボウの矢毒に有効か尋ねてみたのだ。
「コレで消せない毒もあるっちゃありますが物凄く希少になりますんで」
峠の山賊風情が使えるものではないということだろう。
容器に入った液剤型の解毒薬との違いも訊いてみた。
値段が数倍も高価だったからだ。
「瓶に入ってる方は解毒効果に加えて"毒無効"の効能があるんですわ」
薬屋は気前よく教えてくれた。
毒消草は毒状態を解消するが新たな毒攻撃は無効化出来ないのだと。
成程。
それならば価格の違いも納得できる。
私があれこれと尋ねる質問に薬屋は丁寧に応じてくれた。
毒というものは数あれど解毒方法は殆ど変わらないらしい。
何種類も携帯しなければならないのでは解毒薬の意味が薄れてしまうからだろう。
毒の種類はその効果で変わるのだという。
HPを削るパターンにバリエーションがあるのだと。
絶対量で削るのか、割合で削るのか。
スピードで削るのか、長時間削り続けるのか。
FQでは状態異常付与系のケミカルも解毒剤で無効化可能なのだという。
非常に勉強になる。
( ・・・これならばマニュアルは不要だな )
然るべき相手に尋ねれば必要な情報は得ることが出来る。
それならばオフで攻略サイトを回るよりオンでNPC達と語らう方が良いだろう。
「う~ん。 武器の方はウチではちょっと・・」
薬屋がすまなそうな表情で言った。
クロスボウを収納から取り出して確かめて貰おうとしたのだが。
「一分で100%削る、てのがホントならかなり強力な部類になりますがね!」
それは私のレベルがまだ低い為なのかもしれないという。
精確な情報が知りたければ "鑑定士" に尋ねてみると良い、と教えてくれた。
「ありがとう、また来ます」
「まいどあり!」
私は毒消草を5つ買って薬屋を後にした。
その足で鑑定士の店に向かう。
薬屋が教えてくれた場所は市場の裏通りだった。
( ・・・これは )
"鑑定士" の店は店舗というよりは屋台に近かった。
そう、まるで新宿辺りの路上で営業している占い師のそれのように。
「判じ物かい? ゲラーデンが来るとは珍しいねぇ」
浅黒い肌の年齢不詳の御婦人がカウンタ?の向こうから声を掛けて来た。
先程の薬屋の店員も含め市中のNPCとは明らかに異なる雰囲気を纏っている。
「これを観て貰いたいのですが」
私はそう言ってカウンターの上に山賊のクロスボウを置いた。
「ほう」
鑑定士が右手を顎に当てる。
視線は天板上のクロスボウから離れない。
そして顎先から左頬を摩りながら言った。
「20ルド貰おうか。 前払いだよ」
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