別れ道
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その後も日中のみの徒歩旅行を続けた私の"行脚"は4まで上がっていた。
スキルのアップ条件は私の推測通り聖堂都市間の徒歩による全行程踏破だった。
それを知った私は敢えて戦闘の機会を求めたりせず歩き続ける事を選んだのだ。
広大な風景の中を次の目的地へ向かって無心に歩く。
・・・お伊勢参りやお遍路さんのようだ。
スペインにもそんな巡礼路があったように記憶する。
だが、リアルではこのように徒歩での旅をする機会は稀だ。
怪我を負っていなければ私の人生ではまず有り得なかっただろう。
健常な状態の自分がそれを望んだとは思えないし、
望んだとしても日常生活の中で実現するには様々な障害に阻まれたに違いない。
飢えも渇きも無い。
徒歩では疲労が蓄積することも無い。
力尽きて行き倒れることを案ずることなく歩き続けられる。
それは経口摂取が不能となった私に相応しい旅だったと言えるかも知れない。
旅の起点となった王都ジュベニールを含めて五つの聖堂都市を巡った。
私は西南諸国の東側の辺縁部に差し掛かろうとしていた。
このエリアには訪れていない聖堂都市がまだ幾つか残されている。
だが私の辿るコースはブラン大陸の外縁を左回りに一周しようとするものであり
次の目的地は帝国領内の聖堂都市となっていた。
( …どちらの路を行くべきか ? )
私の目の前で道が分かれている。
右の道は街道のメインルートで海沿いに半島を回るもの。
左の道は峠へと続く上り坂になっている。
前者はこれまで通りの長閑な道だ。 単調な海辺の風景が続くだろう。
後者は半島の峡部をショートカット出来るがやや険しい岩山を越えねばならない。
其々の距離は倍以上違う。
峠を越えれば日没までに帝国領入口である聖堂都市に辿り着けるかもしれないが
海沿いを行くのであれば到底無理だ。
途中のマウンドでログオフすることになるだろう。
( よし、頑張ってみますかね! )
暫しの思案の後、私は峠越えの路を行くことにした。
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