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ステータス

                                   ・



 モンスターの屍もプレイヤーの遺品も消えた街道が朝の光に照らされている。

長閑な風景の中で私は従来通りの徒歩旅に戻った。

しかし、初めての戦闘経験はFQに対する私の意識に確かな変化を齎してもいた。

仮初ではあっても麻痺した身体の自由を取り戻せる癒しの場であったフィールドが

戦闘の可能性を漂わせる冒険の場として目に映るようになっていたのである。



 私の認識が通常のプレイヤーのそれに近付いたと言っても良いのかもしれない。

モンスターや盗賊の類との戦いに対して元より恐怖を抱いていた訳ではないけれど

これまでは戦闘を求める気持ちは皆無だった。

それが今は "バトル上等" とも言えるような心持になって来ている。



 FQの戦闘はKFでのそれとは全く異質なものだ。

"格ゲーとRPGの違い” と言ってしまえばそれまでなのだが敢えて言うならば

"対戦" と "討伐"。

KFでは基本的に相手と自分は対等だがFQは異なる。

戦う相手は "倒すべき敵" なのだ。

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敗北は死を意味する。

リベンジマッチはない。 ( ホーム指定のドームに飛ばされるので )


 そして ( これが最も大きな違いなのだが )  "レベル" というものが存在する。

勝者は経験値を得てますます強くなっていくのだ。

KFでは頂点にいた私でも此方FQでは剣無しにはオーガを倒せなかった。

魔獣としては最弱の部類に属すゴブリンですら一撃で倒す事は出来ない。

ビギナーの力はそれ程貧弱なのだ。

多くのプレイヤーが血眼になってレベル上げに執心するのも頷ける。




( やはり レベルはある程度上げておくべきだろうか )


 いつものように街道を歩きながらふとそんな事を考えた。

Lv20 や 30に上がれば徒手でもモンスターを倒す事ができるかもしれない。

そうなれば徒歩での街道旅は再び以前の様な気楽なものとなるだろう、と。



( そういえばレベルはアップしたのだったな )


 八体のゴブリンとボスであるオーガを倒した戦いを思い返す。

複数の攻略グループによる大規模戦闘に巻き込まれた私は多量の装備を得た。

しかし得た物は装備やアイテムだけではない。 かなりの経験値も得た筈だ。

・・・果たして私のレベルは如何程アップしたのだろうか。




 私はFQ界に来て以来初めて自らのステータスを確認してみた。





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