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拳神の闘い 7

                                   ・



 気の抜けかけた私に次のゴブリンが襲い掛かって来た。

大剣、と云う程ではないが両手剣を横殴りに打ち込んで来ようとしている。

先程のように鞘で弾こうかと思ったが鞘が痛む可能性が懸念された。

「えぃ」

鞘の先端で剣を握るゴブリンの手首を打った。

ゴブリンが剣を取り落とす。

無防備な状態となったゴブリンの頭部に右手の剣で切り付ける。

耳から上を失ったゴブリンが先程のゴブリンの隣に並ぶように倒れた。


( 剣とはこんなにも・・ ! )



 武器の威力に感心する間もなく最後のゴブリンが向かって来た。

他のゴブリンよりは頭が働くのか "突き" を繰り出そうとしている。

リーチの短さを幾らかはカバーできる悪くない手だ。

だが甘い。

私が闘って来た手練れ達の電光石火の踏込みから来るストレートと比べれば

"テレホンパンチ" と呼ぶのも憚られる程だ。

鞘で捌くまでもない。

私は軸足はそのままに身を翻してゴブリンの刺突を躱すと右手の剣を一閃した。

( よし、これで! )

頭頂部を切り飛ばされたゴブリンが地に伏すより早く私は走り出していた。




 ・・剣士を支援しなければならない。

剣の威力がこれ程までであるのなら非力な私も多少は助けになれるかもしれない。



 件の剣士はまだ倒されてはいなかった。

だが状況はどう見ても芳しくない。 既に片膝を着いてしまっている。

オーガの方も明らかに動きが鈍くなってきているがまだ両脚で立っている。

これまでに倒された戦士達が加えたダメージを勘案しても最早勝敗は明らかだ。

このままでは間に合わない。


 オーガが巨大な鉄棒を剣士に向かってフルスイングした。

瀕死状態の剣士には耐えられまい。 粉々に吹き飛ばされてしまうだろう。

明らかなクリティカルブローだ。


 だがオーガの鉄棒は空を切った。

剣士が地に倒れ伏したからだ。  意識しての回避動作か、幸運な偶然か。

全速で駆ける私にはそれを考える暇は無かった。


 全力の一撃を躱されたオーガがその体を泳がせる。

自身も大ダメージを負っている為に確固としたバランスを保てないようだ。


( この機会は逃せない )


 私は地に横たわる剣士の傍らを駆け抜けてオーガに肉薄した。





                                   ・

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