表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/85

拳神の闘い 2

                                   ・



 ・・速やかにこの場を離れよう。


 最初に浮かんだのはその考えだった。

唯一人生き残って戦っている剣士(プレイヤー)は私に『逃げろ』と言った。

そしてこの場にいる魔獣(ゴブリン)達のヘイトを全て惹き付けてくれた。

今ならこの戦闘領域(バトルフィールド)から離脱することが出来る。

離脱できれば剣士が敗れたとしてもデイタイムだから魔獣達は追いかけて来ない。

街道から離れ去って行く筈だ。

私はそのまま徒歩での旅を楽しむことが出来る。

本来の私のFQでの過ごし方だ。



 だが、それで良いのか?


 どう見ても剣士がこの場に残る全ての敵を倒し得るとは思えない。

ほぼ確実に此処で倒されてしまうだろう。 

それを看過することは許されるのか?

剣士の篤志に甘えて自分だけが助かることは()の採るべき選択肢なのか?



『 否 』


 私はクイックステップで剣士に向かうゴブリンの一体の背後に迫った。

右フックで目前のゴブリンの右テンプルを打ち抜く。

外耳孔の直前はKFにおける MDS (クリティカルポイント)(Maximal Damage Spot)だ。

打たれたゴブリンが左側に吹っ飛ぶのを放置して次のゴブリンの背後に着く。

二匹目のゴブリンの左テンプルに左フック。

そして三匹目のゴブリンの肛門に背後から右のトゥーキックを放つ。

肛門はKFに於けるLDS(急所)(Large Damege Spot)である。

間髪を置かず同じ箇所に左のトゥーキックを入れる。

畳み掛けるようにもう一発右のトゥーキックを追加。

三匹目のゴブリンが土煙をあげて前のめりに倒れた。


「 なっ」


 件の剣士が戦闘に加わった私に気付いて声を上げた。


「何してんだ あんた! 逃げろって言っただろ!」

「私も闘います!」

「馬鹿! 丸腰じゃ無理なんだよ! 分かってんのか?」


 忙しないやりとりの中でも剣士が少しも喜んでいない事は察せられた。

ゴブリンを四体倒していた私はやや心外な気分を味わったがそれは一瞬だった。

背後から右腰を強打されたのだ。


「!」


 回避機動して確認すると倒したゴブリン達が全て起き上がって迫って来ていた。


「・・・・」


( MDSを正確に打ち抜いても LDSを三連撃しても倒せないのか!? )

人間(ヒューマン)よりHPが多いのか、DEFが高いのか、或はその両方か。

或る程度のダメージは与えられたと思うのだが。

KFからFQに来てアバターの体性感覚には全く違和感を感じていない。

ダメージロジックにも共通するベースはあるだろう。

闘いに加わった理由にはそういう考えがあったのも確かだ。



( ・・甘かったか? )




                                   ・

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ