Knuckle Fighter 4
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Knuckle Fighter (KF) のプレイについての諸々を語るのは後に譲る。
私が生きて行く限りこれからもKF について語られる機会が絶える事はあるまい。
多くは五体満足であろう読者諸兄に理解して頂くのは難しい事かもしれないが、
仮初ではあっても自由に動ける身体を取り戻せたこと。
それが私にとって他に比べようもない大きな喜びであったのは確かだ。
主治医に依れば四肢麻痺はそれ自体強力なメンタルストレスなのだという。
KFによるVRダイブはそのエスケープメソッドとして打ってつけなのだそうだ。
のみならず脳皮質機能のリハビリテーションとしても非常に有効なのだという。
脳の機能は認識・記憶・思考等の知的活動に留まるものではない。
身体(四肢)運動機能の統合的制御が寧ろ主体を占めていると言って過言でない。
首から下と接続が絶たれた私の現状ではその機能がスポイルされていくらしい。
身体から脳へのフィードバックが全く欠落してしまっているからだ。
VRダイブはそれを回復してくれる。
しかも代償となるような副作用は特に認められていない。
私の主治医達の携わる研究は義肢の運動制御に主眼を置いたものだったが、
TF社のヘッドセット( DS )は体性感覚をも完全に再現してくれる。
実世界で活動することこそ叶わぬものの、私を十全な人間に戻してくれるのだ。
DSは私の治療プログラムの一部として組み込まれた。
プラクティスモードを含むKFでのプレイは私の欠かせない日課となった。
KFには仕様として"VR廃人化"を懸念したプレイ時間の上限が設定されていたが
医療チームや両親がTF社と掛け合ってくれた結果 私の制限は大幅に緩和された。
そして数か月後、私はKFの世界大会で優勝し "拳神" の称号を得たのである。
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