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人生何があるかわからない

作者: HOT-T

 久々の執筆である。


 新しい職場、新規オープンの事業所で去年10月から働き毎日忙しかった。

 ちょっと色々ありえないくらいに何もなく、書類もその辺にバラバラ。

 本当に色々と大変だったが楽しかったし、給料も大きく上がった。

 今まで頑張ってきた経験が生き、実を結んだのだと充実していた………


 私のエッセイを読んでいただいている方ならご存じだろうが4月に利用者から『私、あの人に殴られた』

という謎の訴えがあり虐待を疑われた。

 当然事実無根なのだが『お互いのため』ということでフロア担当から外され別のフロアに。

 それでも新しいフロアで頑張って過ごしていた。


 だが結論から言うと……『虐待はなかったと思われる』が『あなたの態度に問題があったのでそういう風に思われたのでは』と結論付けられた。

 要するに『いじめられる側にも原因があるでしょ』論を突き付けられたのだ。

 そしてしばらくして、私を見かけたその利用者が再び大騒ぎを始めた。

 正直言ってとんでもない言いがかりで迷惑この上ない。

 

 だが恐ろしいことにこれを元に話し合いがもたれてしまった。

 依然として私を虐待者と言い続ける利用者。自分を省みてないのではないか?

 また10月の転倒事故について詳細な調査をしたいとか今更言い出す。

 当然、そんな前の事はあまり覚えていない。

 他の事故についてもああだこうだと言われ、遂には身に覚えがないことまで追求される。

 

 夜勤明けの疲労困憊時に3時間かけて色々追及され『一部のシフトからの除外』なども提示され、最終的には『依願退職』へと追い込まれた。

 しかもご丁寧に私が辞めるという意思を示してからも1時間以上色々言ってきて『私が強く退職を希望した』ということになった。

 これが6月3日である。

 

 そこから有休消化(ご丁寧にシフトから完全に外した)し、本日正式に退職となる。

 はっきり言って……最悪のタイミングだ。


 というのも7月に引っ越しが予定されていた。

 しかも、事件が起きる前日に契約をして、今の部屋も退去手続きをしてしまったのだ。

 ということでもう引っ越すしかないし、仕事も探さなくてはいけない。

 悪いことはさらに続き、同棲するはずだった相手とも結果として破局。

 1週間寝込んだ。


 はっきりいってしばらくは『もう介護なんてしたくない』『年寄りの顔も見たくない』という状態であった。

 それでも介護職をずっとやってきた者が別の職業にというのはなかなか難しい。

 結果、新しい引っ越し先近くの施設に採用されることとなった。

 給料は3~4万ほど下がるがとりあえず首の皮はつながった。


 さて、今回私が徹底的に詰められた理由だがどうも残っている同僚から聞いた話によると私の『コストが高い』というのがひとつの原因らしい。

 オープニングスタッフを募集した当初、未経験者とかその辺で最初をしのぐつもりだったらしい。

 だが、私を含めたオープニングスタッフは全員この道10年以上の経験者。

 そうなると給料の等級もそこそこのものとなり、コストが高くなる。


 実際、よその部署から補充できた数名よりも私達の方が給料は良かったし等級も上だった。

 そんな中、最近はやりのミャンマーからの技能実習生の登場だ。

 はっきり言って、初期費用くらいでこっちの方がコストはあまりかからない。


 昔、一度だけ技能実習生の子の給与明細を見せてもらったがまあ……『マジか』というような額であった。

 法人としてはどうやら『コストが安い』『辞めない(逃げ道がない)』『無理なシフトも対応できる』ミャンマーの子たちの方がいいらしい。

 今まで文章にしなかったのはどこかで私のひがみが入っているかもしれないと思って嫌な気分になっていたからだ。


 だが、残り2名のオープニングスタッフも色々と難癖をつけられているらしいことを聞いて『ああ、やっぱりそうだったんだ』と執筆を完成させることにした。


 今日、引っ越しをする。

 4年ほど住んだこの部屋、そして街を苦い想い出と共に後にするとは……人生何があるかわからない

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― 新着の感想 ―
[一言] 初めまして。そんな事情の追い詰めが…つぎは素敵な職場であることをお祈りしております!
[一言] 他の方も書かれてますが、良くはないけど『いいね』してしまった…orz 介護エッセイ、結構読ませて頂いてます。 何ていうか…、理不尽の一言に尽きます(;´Д`) 自分、何も出来ないけど、応援し…
[一言] 本来は『人手が足りない分野への技能実習生制度』ですが、著者様のように等級と経験の高い方が排除される方向に向かっているとなっていくならばせつなすぎますね。
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