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74.依頼達成と新たな目標

「ペーター、依頼完了したから確認お願い」

「早いな!?まだ、こっちに戻ってから1時間も経ってないぞ!」

管理小屋へ行き依頼完了の報告をした所、その早さに驚くペーター。


「今日中にやるべき事が残ってるのを思い出してな。ちょっとだけ無茶しちゃったわ」

「なるほど。じゃあ間に合うように、俺も急いで確認してくるよ」


そう言って俺に割り振られた農地へ、チェックの為に走って行く。

大急ぎで畑仕事をこなした反動で疲れ切っていた俺は地面に座り込み、1箇所ずつ見回りをするペーターを眺めていた。


(農地を確認する際に一瞬目が青く光るけど、鑑定系のアーツかな?って思い返せばこの手のゲームによくある鑑定スキルって見た事ないな〜。説明文とか小説のネタになりそうやし習得方法わかる人おらんかな?)


ペーターの使う謎スキルから鑑定スキルまで、疲れた頭でぼんやり考えていると、10分ほどでチェックを終えたペーターが話しかけてくる。


「作業が早かったしちょっと不安だったけど完璧だったよ。依頼通りタイムラグ30分以内で種蒔きも出来たしな」

「おお、それは良かった」

「この出来栄えなら、これからも頼みたいもんだな」

「気に入って貰えたみたいで嬉しいわ。こっちも時間とSTがあったら受けさせて貰うわ」


「ははは、ありがとな。それじゃあ依頼達成した証明としてこれを渡しておこう」

そう言ってペーターは木の札を差し出してきた。


「ありがとう。受付に渡したらええんやな」

「ああ。ただ依頼の締切は報告含めて今日中だから寄り道は無しで頼むぞ」

「オッケーや。直接ギルドに報告に行くわ」

そう言って、別れを告げた俺は、ペーターの助言通り農業ギルドへ歩いていく。


(また頼むって言われたけど農地大量に購入したし、しばらくは無理やな。でも欲しいアイテムあるかもやし、ちょっと悩むな)

所有している農地の管理と報酬を天秤にかけ悩んでいると、あっという間に目的地へと辿り着いた。


「いらっしゃいませ、称号の検証は出来ましたか?」

「おかげさまでバッチリや!これで渡り人用の農地完売も夢じゃないで」

「良いですね〜。でも、急にペースが上がると種の在庫がちょっと心配かもです」

「言われてみれば、3万地区って1日30万粒以上の種が必要になるしな」


「【農家】になれば【種化】スキルをお教え出来るんですが、まだ誰も到達していないですからね」

「ええ!そんなスキルあるん!?」

今朝モチョと種を増やせないか話していたのを思い出し前のめりで聞き返す。


「そりゃありますよ。まだ1%しか農地は埋まってない現状でも1日3000粒必要なんですよ?モンスターのドロップだけで賄えませんって」

「そうか。ならもうちょっとで【農家】になれそうやし、その時は絶対教えてな!」

「ええ。いつでもお教え出来るよう準備しておきますね!」


軽い雑談のつもりが、新たな情報と目標が手に入りニヤける俺だったが、ふと握りしめた木の札を見て思いっきり話が脱線してるのを思い出す。


「やばっ、今回は依頼達成の報告に来たの忘れてた!」

「ははは、かなり話し込んじゃいましたね」

お互いに苦笑いしながらも依頼達成の手続きは進んでいく。


「はい、依頼完了を確認出来ました。今回の報酬は【木漏れ日の安楽椅子】と150CGP、75AGPになります」

そう言ってギルドカードにポイントを付与した後、短冊状の紙を1枚手渡して来た。


「この紙なに?何処かに持ってったら引き換えてくれるとか?」

「これは【転送符】といって、半分に千切れば別の場所に置いてあるアイテムが手元に転送されるんですよ」

「そりゃ凄いな!」

アレンの説明を聞いた俺は、転送符にタッチし説明欄を見る。


転送符(農業ギルド倉庫B-22)

このアイテムを千切ると、農業ギルド倉庫B-22に保存しているアイテムが手元に出現する。


(千切ればアイテムが出てくるって、某マンガにあるホイポイカプセルみたいやな?まあ、これは倉庫からの転移やから厳密には違うかもやけど)

説明欄から、理解しやすいように他作品の似たアイテムを思い浮かべる。


「アイテム系の報酬の場合、持ち運ぶのに不便な物も多いため、手のひらサイズを超える物は転送符でお渡ししてるんですよ」

「なるほどな〜。紙もよく見てみると文字びっしり書き込まれてるし魔道具っぽいな」


「そうですね。特殊なインクで魔力を込めながら、書いてるみたいですね」

「へえ〜。【メモ】スキル関係ありそうやし、こういうアイテム作れるようにならんかな〜」

「どうでしょう?書かれてる文字は古代文字なので解読まではいけると思いますが・・・」

「マジで!?」

控えスキルの番人である【古代語】の活用チャンスが出て来てテンションが上がってくる。


「何書いてあるかメッチャ気になる〜!こうなったら書いてる内容確認するまで、椅子はお預けやな〜」

「ははは、頑張って下さい」

「おう!早く取り組みたいしこれで失礼するわ」


スキル【種化】と転送符の解読。2つの目標を新たに手に入れた俺は、一刻も早くその目標に取り掛かれるよう、アレンに別れを告げた後、本日最後の目的地である冒険者ギルドへ全速で走っていった。


tips

転送符

砕いた魔石を混ぜ合わせて作られたインクを使用し、【古代語】で書かれた魔道具の一つ。

名前の通り別の場所に置いてあるアイテムを転送する事が出来る。

転送符は使い切りかつ重量によって書き込み数も増えるため、専門の魔道具職人のいるギルド以外ではあまり使われてはいない。



次回は4月11日(木)午前6時に更新予定です。


ブックマークや評価・誤字報告していただきありがとうございます!!

今後とも本作をよろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
[一言] 大陸語が有能すぎたために、未だに出番がないエルフ語と古代語のこれからの活躍が楽しみです!
[一言] 魔道具職人って初期職じゃなければ付与魔術師プラスなんかで転職できそう、 メモで書くっていうより付与で書いてそう
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