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73.【見習い文武両道】と爆速畑仕事

《ユサタク様がプレイヤーで初めて見習い文武両道に転職いたしました》

ユサタクの活躍がMJO中を駆け巡る中、間髪を容れず、更なるワールドアナウンスが流れる。


(派生職に転職はめでたいけど、ジョブ名ださいな!【見習い文武両道】って、名前的に両立下手っぴやん)

微妙すぎるジョブ名に、内心ツッコミを入れながらも、お祝いのコールを送ろうとした所で、


「あの、どうされました?」

「い、いや、気にせんといて。それより報酬の確認やったな」


不思議そうにこちらを見つめるシーラの視線に気づく。俺は取り繕いながらも、これ以上不審がらせない為に、手早くユサタクに祝福コールを投げかけ、すぐにギルドカードを確認した。


=====================================================

NAME:ソーイチ 

冒険者ランク E(775/5,000)

生産職ランク E(560/5,000)

(登録ギルド:司書・農業)


所属クラン:ユーザータクティクス (20/20名)

クランランク E(700/5000)

=====================================================


(確認したのはええけど、カード見るの久しぶりすぎて、ちゃんと足されてるかわからん・・・)

自分の雑さに内心呆れながらも、それを表に出さずにシーラに返事をする。


「た、確かに確認できたで。じゃあ今度は選んでくれた4冊の貸し出しお願い」

「はい、ついでに【知識の習得】の依頼も再受注しておきますね」

「おお、ありがとう!」

「どういたしまして」


「じゃあ、依頼も受けれた事やしこれで失礼するわ。今回で読書量の大切さが、よ〜くわかったし読書しまくって、また新しい本借りれるように頑張るわ」

「ふふふ、ではまたお会い出来るのを楽しみに待ってますね」

シーラが気を利かせてくれたお陰で新たな本と依頼を手にした俺は、別れの挨拶をし、図書館を後にした。


(さてと、次はギルドの農地で畑仕事か。向こうに着いたら忙しなるし、歩きながらクランコールのチェックするか)

ユサタクが発見したジョブの情報がないか、クランコールのログを眺めていると期待通り【見習い文武両道】についての報告がされていた。


(ふむふむ。このジョブは生産・戦闘全ての経験値を獲得できる代わりに経験値補正はメインでも1割引きなんや。それと、派生はサブジョブにもセットが出来るんか。これはレベル上げが捗りそうや)

現時点の検証などのログを見ながら歩いていると、あっという間に目的地に辿り着いた。


「ペーターただいま!」

「おかえり、ソーイチさん。無事転職は出来たのか?」

「おかげさまで、【司書】に転職できたわ。次はサブの【見習い農家】の卒業のためにも依頼頑張ってくるわ」

「おう、それより種蒔きの条件は忘れてないよな」


「誤差30分以内やろ。大丈夫やって」

「それなら良かった。」

心配性なペーターに見守られながら、俺は依頼達成の為に指定された農地へ戻っていった。


(さてと、仕事の前に称号でSTかなり増えたことやし、改めてステータスみるか)

仕事前に俺はステータスを確認する。


=====================================================

ソーイチLv9(12,567/13,000)

司書Lv1(0/1,000)

見習い農家Lv9(6,908/9,000)

HP:158/158 MP:55/183 ST75/215

=====================================================


(ついにSTが200の大台を超えたな!それにキャラもあと少し!)

ステータス状況を見ながら、どの様に行動すれば効率がいいか考えていく。


(手付かずの農地が残り17。STちょっと足らんし、ポトフ食ってST回復と経験値補正つけた上で、全面耕す。その後は、キャラのレベルが上がるよう【コピー】と手作業での種蒔きでええかな)


一通りのロードマップを頭に思い浮かべた俺は、早速農地の端に座り込みポトフを勢いよく食べ始める。

あっという間に食べ終えた俺は、膨らんだお腹を撫でつつも、アーツを放ち土地を耕していく。そして全ての農地を耕し終えた後は、次にプレゼント用のサインを【コピー】していく。


(早くキャラのレベル上げる為とはいえ、また【コピー】でレベル上げ。シーラごめん!)

心の中のシーラに謝罪しつつも、【コピー】を放ちつづける。3分ほどでMPを使い切った俺は再びステータスを確認する。


(レベルアップまで残り75。畑仕事7回分やし、手作業で種蒔きしても時間は大丈夫そうやな)


手動を混ぜても時間的に大丈夫だと判断した俺は、わずかに残ったSTと手作業で種蒔きをする。そして10分弱ほど時間が経過した時、レベルアップを告げる音が脳内に響き渡った。


(計算より時間かかったけどレベルアップしたな!後は回復した分だけブッパして種蒔きだけでも終わらせるぞ!)

誤差30分という時間制限を突破すべく、回復したSTを使いすごい速さで種蒔きを進めていく。


(これがホンマの種マシンガンってか?って冗談は兎も角、手持ちのSTで種蒔きは終わらせれたし、残りは水撒きだけか。こっちは時間制限ないし手動で水撒いてもええけど、冒険者ギルドの依頼書作成も残ってるしな〜。この場はポーションぶっぱで終わらせた方がええか)


他の仕事を中途半端に残していたのを思い出した俺は水撒きを終わらせる為、初ログインからずっと放置していた【初級STポーション】も併用し、猛スピードで依頼をこなしていく。

この様な努力の甲斐もあり、農地に戻ってから1時間も経たない内に50地区全ての畑仕事を終えることが出来たのだった。


tips

見習い文武両道

【転職条件】

【混職の証】を所持している状態で、戦闘系と生産系を1職ずつ中級職へ昇格させる


【獲得経験値】

メイン設定時:戦闘・生産共に基礎経験値の90%

サブ設定時:戦闘・生産共に基礎経験値の80%


【レベルアップ時の獲得ステータス】

HP・MP・ST 2ポイント

その他ステータス1ポイント


派生職の入門的な職業、転職条件が緩い代わりにステータス上昇率は基礎職最低値の【見習い司書】をも下回る。

次回は4月9日(火)午前6時に更新予定です。


ブックマークや評価・誤字報告していただきありがとうございます!!

今後とも本作をよろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 『見習い文武両道』を選ぶって事はユーザータクティクスギルドは 農業系を本気でやるつもりだと知って他のギルドが驚きそうですよね〜 ワールドアナウンス的には1番目立ってるし。
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