7.スキル取得と司書レベル2
「それじゃあ、取得方法の前にそれぞれのスキルの効果について説明するね!
まず、【休憩】は全く移動をしなかった場合にSTが時間経過で回復していくスキル、【瞑想】は一定の時間、目を瞑っていたらMPが時間経過で回復していくスキルだよ!」
「へぇ〜、【待機】スキルのMPとSTそれぞれ特化版ってことやね?」
「うん、だから【休憩】はともかく【瞑想】は是非とも取得して欲しいんだよね!」
「りょーかい。喜んで覚えさせてもらうけど、念のため【メモ】してもいいか?」
承諾しつつ、トーマスに【メモ】の使用してもいいか確認する。
「いいけど作業再開する時はまた依頼書を1枚書いてね!」
「それがあったか〜」
また線をなぞる苦行を思い返し少しうんざりしながらも聞く態勢に入る。
「それじゃあ早速【瞑想】と【休憩】の取得方法を教えるね。
まず、【休憩】の取得条件は1時間全く移動しなかったら取れるスキルだから作成依頼してたら自然と取れるよ」
「それって移動さえしなかったらアーツとかは使ってもええんか?」
「うん、実際のスキルの方も条件は移動だけだから本を読んだり仕事をしたり出来るからほとんどの人が持ってるスキルだよ!」
まあ、休憩できへん生活とか嫌すぎるもんなと思いながら、今聞いた情報をメモに記していく。
「次に【瞑想】だけど取得条件は一度も目を開けずに1時間ずっと目を瞑るだけ。ただ寝ちゃったらダメだからちゃんと起きててね」
「寝たらあかんのか。ちなみにこっちは移動制限はあったりするんか?」
リアルだったら絶対寝るやろな〜と思いながら更なる条件を引き出していく。
「移動制限はないけど目を瞑ってるから結局は移動できないよね!」
「まあ、自分ではそうやろうけど誰かにおんぶしてもらったら瞑想でMP回復
しながら魔法とかアーツ打てるんちゃうかなっと思ってな」
「あっはっは!確かにその方法は可能だと思うけどよく思いついたね!おんぶって!ぷふっ」
思いついた活用法を言ってみると笑いのツボに入ったのか声を震わせるトーマス。
「あ〜、笑った!まあ、今後おんぶ瞑想するのかはわからないけど早速覚えてみよう!」
「オッケー」
っとメモを書き終わるといきなりファンファーレの音が頭の中に鳴り響き、そのすぐ後にユサタクからフレンドコールが届いた。
〜♪♪♪〜
『ソウイチ、ちゃんとゲーム出来てるか』
「えっ、うおっ!」
「ど、どうしたの!?」
いきなり2度も奇声をあげる俺に少し驚きながら尋ねてきた。
「いや。いきなり頭の中にファンファーレが鳴り響いたと思ったら、その直後に友人からコールが来て」
「なるほどね!ファンファーレの方は多分レベルアップの音だと思うからステータスを確認しておいた方がいいよ!」
言われるがままにステータスを確認すると本体のレベルが Lv1(34/50EXP) メインジョブである【見習い司書】が Lv2(51/200EXP)となり、MPも増えて(5/50)となっていた。
(ああ、【メモ】のレベル2だから1枚あたり、メインに2、司書に3経験値が入るんやったな。それじゃあ、メインも後8枚でレベル上がるんか)
「【見習い司書】のレベルが2に上がってたわ」
「おお、おめでとう!やっぱり渡り人さんは成長が早いね!」
「そうみたいやね。っとコールされたの忘れてた」
「コールというとお友達と【念話】スキルみたいにやり取りが出来るんだったね」
「はい。でも今から【瞑想】スキルを覚えたいんで話を切り上げるわ」
ユサタクのコールに用事があると切り上げようとしたが、
「いやいや、丁度良かったよ。コールというのが【念話】と同じなら目を瞑りながらでも出来るし眠気対策にやってみたら?もし覚えれなかったとしても再挑戦すればいいだけだしね」
「いいんか?」
「うん、どうせスキル覚えても100枚終わるまでの契約だから教会でスキル変更できないからね!その間なら何度でもチャレンジできるよ」
「なるほど、それじゃあ、目瞑りながらコールできるかやってみます」
「うん、その間に僕の方も仕事を進めておくよ!」
トーマスに許可をとり目を瞑りながらユサタクへコールを返した。
『急にどうしたんや?いきなり過ぎてびびったぞ』
『ごめん、ごめん。いや、今狩りの休憩中でな、せっかくやからソーイチがどんな感じか確認しとこうかなと思って』
ユサタクからの問いかけに俺はこれまで自身に起きたことを語っていった。
tips
瞑想おんぶ戦略
トーマスには笑われていた戦略ではあるが、ベータテスト時には主に姫プレイヤーや配信者に使用されており、その発展系に瞑想馬車や瞑想神輿も生み出された比較的メジャーな戦略である。ちなみに自身は移動しないため【待機】や【休憩】スキルも併用で発動するため、魔法系アーツだけでなく物理的アーツもできる移動砲台として恐れられていたとかいないとか。
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