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63.回想①転移クリスタルとシンボル

『おお!ノア以外の町についてって、どういう情報が聞き出せたんや?』

『聞き出せたというか、教えてくれる条件を聞き出せたというか・・・』

次の町の情報というビッグニュースに、前のめりになって聞き出そうとすると、先程のハイテンションとは打って変わり、何やら歯切れの悪くなるユサタク。


『急に自信無くすやん。条件云々もやけど、結局どんな情報聞き出せたんや?』

『そうだな。他にも重大な情報があるからランクアップした時から順番に話していくぞ』

そう言ってユサタクは冒険者ギルドでの出来事を話し始めた。

【ユサタク視点】

「受注中の依頼全ての達成を確認しました。報酬は合わせて65,000ゴールドと350ECPになります。また獲得ECPが500ポイントを超えましたので、【ユーザータクティクス】様のクランランクをFからEにランクアップさせて頂きます」


受付嬢のフレンから贈られた言葉に沸き立つメンバー達。

ハイタッチを交わす者や肩を組み合う者、飛び上がる者や喜びを噛み締める者等、喜び方は多岐に渡るが全員の顔には笑顔が浮かんでいた。


(ここにソーイチが居ないのは残念過ぎるな。せっかく他のメンバーは集まれたんだしどうせなら全員で立ち会いたかったものだ)

お昼というひと段落つく時間からか、ソーイチ以外全員が揃う現場を見て改めて残念に思う。


「皆さん嬉しそうですね」

「勿論!【ユーザータクティクス】がこの町で活躍した証だからな。クランの名前も広まるだろうし」


「ですね。また新聞の一面に載るかもですよ」

「ははは、そうだと良いですね」

フレンと雑談を少し挟んだ後、ランクアップの恩恵を聞く為、小会議室へと全員で移動した。


「では、これより説明を開始します」

「「「よろしくお願いします」」」


「まず、先程までのFランクは渡り人用にご用意させて頂いてたランクでございます」

「ああ、個人の時と同じ様に信頼出来るか確認するお試し期間ってやつだな」


「ええ。【ユーザータクティクス】様は個人・クラン両方の功績により信用出来ると作成時点でわかっていたのですが、他のクランの方々はどうかわかりませんので、正式なランクの前にワンクッション置いてる次第でございます」


「でも3〜4個のクエストでEになりますよね?そんな短期間で見分ける事が出来るんですか?」

話の中で疑問に思ったのかアマネが質問を投げかける。


「実はランクアップにはECPを貯める以外にも隠れたチェックポイントがあるんですよ」

「マジっすか!?」

「そんなものがあったとは・・・。どう言った内容かお聞きしても良いですか」

驚くセキライと冷静に内容を尋ねるゼロのコンビ達。


「まずはギルド職員や町の住民達からのチェックが入り、そこで基準に満たさないクランは別途ランクアップクエストのクリアが必要になります」

「クエスト受けてない俺らは住民達から認められてるって事なんですか?」


「ええ、素行も良く農地拡張など町への貢献度も高いですし、【ユーザータクティクス】って今人気あるんですよ」

「それだけ認めてくれるのは嬉しいですね!」

想像以上に町の人達から認められているのを知り、メンバー内が喜びに包まれる。


「話が脱線しちゃいましたね。とにかくEランクからは町に認められたクランとなりますので、あるアイテムの販売許可が出る様になります」

「町から認められないと買えないアイテムか。なんだか凄そうですね。どんなアイテムなんですか?」


「その名も【転移クリスタル】、名前の通り瞬間移動出来ちゃうアイテムです」

「「「!!!」」」

想像以上のアイテムの名前が出た事でクラン全員が驚きの声をあげる。


「凄いアイテムですが制限とかあるんですか」

「ええ、転移クリスタルが登録出来るのは最大5ヶ所までですね」


「それでも凄いじゃないですか」

「ただ、自由に場所を登録出来るわけじゃないんですよ」

「と言うと?」


「町中の場合、登録にはその建物の持ち主の許可が無いと登録出来ませんし、外の場合は登録可能なシンボルを見つける必要があるんです」

「シンボル?」


「ええ、森や山など特殊な地形の場合、目印になる何かがあるんです。これは神様が私達人間の活動範囲を広める為に用意したと伝えられており、転移クリスタルの登録やアイテムを使用しての一時的なセーフゾーン化が出来る代物なんですよ」


「そんな物があったんですね〜」

「色々フィールドは回ってたのに全く気付かなかったな」

ベータ版含めかなり長い間フィールドで狩りをしていたのに、シンボルらしき物が全く思い浮かばない俺とフワフワ。


「まあ、そこまで大きな物じゃないですしね。ですが割と沢山ありますので、冒険の際には違和感がないか確認する癖を身に付けるのをお勧めします」

「話し方的に場所は教えて貰えない感じですか?」


「申し訳ございませんが規則でお教えする事はできません。ただ、図書館には、幾つか掲載されてる本があるそうなので探してみて下さい」


「本か・・・。ソーイチばかりに押し付けるのは心苦しいがお願いしてみます」

ソーイチにかける負担が重くなるのを苦々しく思いながらも、クランの為に本を探してもらう様決意する。


「以上で転移クリスタルの効果とシンボルについての説明は終わりますが、何か質問はありますか?」

ひと段落がつき質疑応答はあるか確認すると、


「肝心のお値段っておいくらなんですか〜」

「1個の転移クリスタルを仲間で使いまわせます?」

「5ヶ所登録したら上書き出来ないっすか?」


質問が次々と溢れ出てくる。フレンはそれら一つずつ丁寧に答えていった。

【ソーイチ視点】

『ちょっとストップ』

『次からが本題なんだが、どうした?』

『そうやったんか。でも一つ言わせてくれ』

『なんだ?』


『転移クリスタルやシンボルの話も興味深いんやが・・・、前置きが長過ぎるわ!!』

いつまでも他の町の話(本題)にならない回想に思わずツッコミを入れてしまった。



tips

転移クリスタル①

Q &A

Q:お値段は? 

A:10万ゴールド。


Q:仲間内で使いまわせる?

A:購入時登録するから無理。但しパーティを組んでたら同時転移は可能。


Q:登録が5ヶ所埋まってたら、登録は無理?

A:可能。システムボードが出て上書きする場所を選択する。


Q:閉門後にフィールドと町中の転移は可能?

A:閉門後は結界が張り巡らされてるので無理。


Q:シンボルへの登録方法は?

A:転移クリスタルをシンボルに重ね合わせる。




次回は3月20日午前6時更新予定です。


ブックマークや評価・誤字報告していただきありがとうございます!!

今後とも本作をよろしくお願いします。

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