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60.採集情報と聞き込み

トーマスとの談笑を終えた後、本日2冊目の本を選ぶ。


(残ってるんは【採集図鑑①ノア周辺】と【図書館の歩き方】の2冊。どっちかと言うと図鑑を読んでノアの周りを完全に把握すんのが王道やな)


悩んだ末に【採集図鑑①ノア周辺】を読む事に決めた俺は早速全体をまず眺めていく。


(今回はまずデカデカと地図が1ページ目にドンってあって、採集場所が決まってるアイテムは地図に番号が書き込まれてるっぽいな。これをまとめるには地図も書かなあかんよな〜)


情報を分かり易くする為、まずは用紙の三分の一を使い地図を慎重に書き写していく。

(さっき覚えた消しゴム機能が便利すぎるな。これ覚える前に採集図鑑を読んでたら、ノーミスで地図を描き上げなあかんかったし、この順番で読んだ俺ナイス過ぎやな)


自画自賛しつつも慎重に地図を描き写す。幾度も修正を重ねながらかなりの時間を費やした結果、完璧なノア周辺の地図を写し終える事が出来た。

(よし!時間かかったとはいえ、我ながら綺麗に描き写せたな!後は本の通り番号振ってアイテムを写すだけやしペース上げよか)


予定の時間よりも模写に時間を取られたので挽回すべく、【メモ】のペースを上げる。

今回の本は、モンスターとは違い行動パターンの記載も無く、更に出現条件が限られてる物も少ないので、一つずつの情報量は少ない。だが種類はこちらの方が圧倒的に多い為、資料をどのようにまとめるか少し悩む。


(2枚にまとめるか3枚に分けるか悩むな〜。2枚でも分けられるけど、どうしても読むのが窮屈になっちゃうしやっぱ3枚か?資料は1枚毎にポーション1個分のMPでメンバー分の資料の【コピー】出来るしそれがええか)

メリットと増える手間を考えた結果、今回の資料は3枚に分ける事に決めた。


ちなみに3枚の内訳は、1枚目がノア周辺の地図と徒歩1時間以内で採集できるアイテム達。2枚目がそれより遠い範囲で取れる通常アイテム。最後が特定の条件下で採集可能の特殊アイテムと、著者が書いた豆知識となっている。


もちろん、1枚書き上げる毎にメンバー分の【コピー】も忘れてはいない。こうして2時間ちょっとの時間をかけて全ての作業を終わらせる事が出来た。

(メンバーの分はこれで終わり!後は俺用に印つけていくか)


モンスターの時と同じように資料を1部手に取り、気になる情報をマーキングしていく。その中で今回の資料で特に収穫と思えたのは、


【アワアワの実】液体に混ぜると強烈な泡が発生する。食用に出来るが味はない。

【腐葉土】森の中央付近で採集可能。肥料や植物系モンスターのエサに最適。

【ウンディーネの聖水】ノアから北西にある泉で、ウンディーネが出現中に採集出来る。通常の聖水より多く魔力が含まれており様々な用途で使用可能。


の3つだった。


(【アワアワの実】は味が無いって事はジュースとかに混ぜても邪魔にならんっぽいしええな。【腐葉土】と【ウンディーネの聖水】は両方畑にもテイムにも使えそうやし絶対確保して貰わんとな〜)

アイテムの使い道を思い浮かべながらユサタクをパシらせるのを決める。


(さてと、そろそろ睡眠ボーナス切れる時間やし、【4枚刷り】覚えてる内に作業進めるか〜。その後で一旦外出して農業ギルドに聞き込みに行くかな)


お昼以降の予定を考えながらも、俺は先ほど資料作成で上書きされた分を更に上書きする為、依頼書を写しその後はいつも通りアーツでMPが空になるまで量産していった。


「トーマス、一旦外出するから集計とかお願い」

「オッケー!数えておくからソーイチも閉館までには帰ってくるんだよ」


「りょ〜かい。それじゃあ行くで〜ってあ」

一通りの仕事を終えてトーマスに声を掛けた後にすぐさま農業ギルドに行こうと思ったが、ある事を思い出した。


「急に立ち止まってどうしたんだい?」

「トーマスに聞きたい事あったん思い出したんよ」


「なになに?何が聞きたいんだい?」

「この町でオススメの家具屋ってあるか」


「急だね〜。ってクラン出来たんだしクランハウス用かい?それなら商業ギルドで聞くと良いよ」

「いや、クラン用じゃなくて畑の横で休憩とかでゆったり座れる安楽椅子とか欲しいんやけどこれも商業ギルドで聞いたらええんか?」

トーマスの誤解を解いて、自分が求めてるものを正しく伝える。

「屋外に持ち出せる休憩用のイスか〜。それならまずは農業ギルドで聞くのが良いと思うよ」

「農業ギルドで?」


「うん、畑の横でゆったり休憩なんて農家の人はもうやり尽くしてるだろうからね。農業ギルドならそういう要望に慣れてるから良い家具屋を教えてくれると思うよ」

「なるほどな〜。どのみち農業ギルドには行くつもりやったし丁度ええか」

別々の予定だったのが一箇所にまとまって少し得した気分になる。


「じゃあ、今度こそ行ってくるわ」

「いってら〜」

トーマスの見送りを背に農業ギルドへと向かう。5分程で目的地へと到着した俺はあいさつをしようと口を開こうとした時、


「いらっしゃいませ!ソーイチさん、今回はどのようなご用件ですか!?」

「うおっ、いきなりグイグイくるな!?」

凄くやる気満々のアレンに出迎えられた。


「そりゃ〜、ソーイチさんはこのギルドの最上級のお客様ですからね!こちらも張り切るってもんですよ」

「そこまで歓待してくれるんやったら俺も聞きやすいわ」


「どうぞ、何でも聞いてください!」

「じゃあ質問なんやけど、前に住民の畑作業を手伝うクランクエストがあるって言ってたやん。それってウチのクランでも受けれるん」

さっそくクランクエストについて質問するとアレンが残念そうにしながら答えた。


「ごめんなさい。【ユーザータクティクス】様は、まだ受注条件が満たされて無いので受注出来ないんですよ」

「条件あるんか〜。何クリアしてたらええの?」

「依頼する方にもよりますが、最低でもクランで10名以上の生産職ランクがEランク以上かつ農業系スキル2つ以上所持が必要ですね」


「結構キツイな〜。クランでクリアしてるん俺だけちゃう?」

「まあ、人様の農地を一時的とはいえ管理するのでそれ相応の信頼度と能力は必要なんですよ」


「そっか〜。非売品の種とかあるって言ってたから受けてみたかったんやけどな〜」

「少し内容は違いますが、ソーイチさんだけなら受けれる依頼ありますが如何なさいます?」


「個人の依頼もあるんか!」

「ええ、もっともこの依頼は住民ではなくてギルド所有の農地のお手伝いになります」



tips

ウンディーネの聖水

通常の【聖水】は人工・天然共に同じ性能だが、【ウンディーネの聖水】は性能は高く、魔力の含有量も多い。これは聖水が湧き出る泉にウンディーネの魔力が混ざった為である。

次回は3月14日(木)午前6時に更新予定です。


ブックマークや評価・誤字報告していただきありがとうございます!!

今後とも本作をよろしくお願いします。

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