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58.所持数上限と解決策

ユサタクを見送った後、作物が収穫出来るようになるまで横になっていると不思議そうな顔をしたモチョが話しかけて来た。


「ソーイチさん、なんで小屋のベッドじゃなくて、シート敷いて道端で寝てるんですか?」

「朝の畑を眺めながら横になるの憧れてたんよ」

理由を伝えると得心が言ったのか頷いた。


「ああ〜、わかる気がします。でも地面は嫌なんですゆったりした木製の椅子かハンモックが私は良いですね」

「ハンモックは上しか見れへんイメージやから俺は安楽椅子やな。どっか売ってる店知らん?」

そう問いかけるが残念そうに首を横に振る。


「う〜ん、探せば居るかもですがまだそこまで開拓出来てないですね」

「家具とかを揃えるほど余裕はないか」


「そうだ!今日も依頼書作成受けるんでしたらその時に聞いてみてはどうです?」

「町の事は住民に聞くのが一番か。どうせ時間はあるし聞いてみるわ」

「良いお店だったら教えてくださいね」

「ちゃっかりしてんな〜」

情報に相乗りする気満々のモチョの逞しさに少し呆れると収穫可能のシステムアナウンスが流れる。


「お、収穫可能になったし畑仕事してくるわ」

「頑張って下さい!ジュースはまだまだありますのでドンドン使って下さいね」

「オッケー」


モチョのアドバイス通り人参ジュースで経験値効率を上げた後、畑仕事を再開する。

カブとジャガイモの農地をアーツで直ぐに終わらせた俺は、キノコ小屋に移る前に残りSTとステータスを確認する。


(この感じやとアーツ使い切る前にレベル上がるな〜。シイタケは手作業でいけるしクランの畑を先にするか)

経験値の効率を上げる為、先にクランの農地を片っ端から終わらせていく。


(昨日より農地増えてる?俺が本読んでる間に増やしたんかね?)

若干の違和感を感じつつも作業を進めていると、キャラと【見習い農家】のレベルが上がった。


(幸先ええな。この調子でドンドン行こう!)

ステータスを確認する事なく更にクランメンバーの畑仕事を進める。STがそろそろ尽きようかという頃に、


ースキル【水撒き】のレベルが2に上がりましたー

ースキル【種蒔き】のレベルが2に上がりましたー


と、立て続けにスキルのレベルが上昇した。

(ええやん!これはシイタケ収穫でもスキル上がりそうやな!)


スキルが連続で上がった事でテンションの上がった俺はペースを更に上げてアーツを放ち続ける。

そしてSTが無くなってからは手作業でシイタケの収穫に移行していくと、期待通り【収穫】のスキルもレベルが上がった。


(よし、これで農家系3種のレベル上がったな!)

気を良くした俺は、更に収穫スピードを上げ、80株分のシイタケの収穫を20分強で終わらせる事が出来た。


「終わった!!レベルアップ絡むと作業量アホみたいに増えるな!」

「いやいや、シイタケもアーツで収穫してたらそこまで多くなってないですよね」

膨大な量の畑仕事を終えた後、1人愚痴っていると料理を作りながら見ていたモチョがツッコミを入れる。


「シイタケの収穫は簡単やしあんまりアーツ使いたくないねん。それにクランの農地の稼働率を上げるんも大事やろ?」

「それはそうですけど、他の人の農地全部終わらせる勢いじゃないですか。このままじゃクラン全体で【見習い農家】のレベルが上げれなくなりそうですよ」

言い訳をする俺にモチョが追撃をかける。


「いや、知らん間に農地の数も増えてたからつい・・・」

「皆さん農業ギルド開いてから農地を買い足してましたからね。【見習い農家】になったメンバー全員、所持上限の15地区に増やしたっぽいですよ」


「上限?あっ!生産職ランクがGの間は所持数15地区までやったか!」

「そうなんですよ!所持数増やすにはランクを上げなきゃなんですが、それが出来るようになるには夕方の収穫まで待たないとなんです」

農業シェアの思わぬ落とし穴に愕然とする。


(このままじゃ、冒険者ギルドと農地の往復ダッシュでのレベル上げに支障が出てまう!何か手は無いか?)

自分やクランのレベルアップの為、なんとか出来ないか必死に知恵を振り絞ると一つの妙案が思いついた。


「そや!特別クランクエストの中に住民の農地を耕すってのがあるはずやしそれでレベル上げするんはどうやろ?」

「ええ!?そんなクエストもあるんですか?」

俺が思いついた解決策を披露するとモチョは驚きながら聞き返す。


「農業ギルドの受付嬢にそういうクエストがあるって聞いたんや。ユサタクにも伝えたんやけど聞いてない?」

「そう言われればミーティングで言ってたかも?でも、クランメンバー以外だと【共同地主】が発動しないからST消費多くなりますよね?」


「確かにそうやけど、依頼した住民によっては報酬に非売品の種があったりするらしいんよ」

「え!?それはかなり良いですね!」

効率の悪さに乗り気じゃなかったモチョだが報酬を伝えると身を乗り出して聞き返してくる。


「今はリアルの野菜の種は大体売ってるから、報酬はMJO特有の作物とかマイナーな作物が期待出来ると思わん?」

「ありそうですね!ってあれ?」


「どうしたん」

「いや、作物の種を数粒貰っても基本的に1粒につき1回しか収穫出来ないですよね。レア作物なので仕方ないかもですが、量産は厳しいですよね」


「あ゛!?確かにそうやな」

モチョの指摘したように種を増やす方法がない限り、1回の収穫で終わってしまう。そんな当たり前の事をすっかり忘れていた。


「何とかして種を量産出来る方法調べなあかんな。今から依頼書作成に向かうけど、その後で農業ギルド聞き込んだり図書館で探してみるわ」

「私も今から調理師ギルドで聞いてみます!」


互いに情報収集する事を誓い合った俺達は各々の目的地へと向かっていった。


(さて、予定が色々増えたな。俺がやるべき事は①要約した原稿を【ノア・タイムス】まで持っていく②依頼書作成を受けに行って作業しながら情報収集③STが回復したら農業ギルドで住民のクエストの内容を聞く。以上3つやな)


歩きながらやるべき事を整理した俺はまず、要約した原稿を【ノア・タイムス】まで持っていく。そこで少しの雑談をした後はまっすぐ冒険者ギルドへ歩いて行った。


「おはよ〜さん、今日も依頼書作成受けに来たで」

「おはようございます、いつもの部屋が空いてるのでそちらへ向かって下さい」

フレンに挨拶をすると、既にお馴染みになった作業部屋へ向かうよう案内される。


「トーマスおはよう、今日もよろしくな」

「おはよう!今日も期待してるよ!」

トーマスに挨拶をしていつも通りの席に着いた。


tips

ユーザータクティクスの農地事情

現在【ユーザータクティクス】ではソーイチ含め15人が【見習い農家】のジョブを保有している。

クラン全体の所持農地数は全部で225地区、内キノコ小屋が4棟の構成となっている。


27話の所持数上限をGランクを10→15地区

Fランクを25→30地区に変更しました。(設定すっかり忘れてた・・・)


ブックマークや評価していただきありがとうございます!!

今後とも本作をよろしくお願いします。

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