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幕間7.MJO最新情報局 4月1日放映分

「スタートから5日目までのハイライトを紹介してきた訳ですが、いよいよ皆様お待ちかね!今話題のあの人へのインタビューコーナーのお時間です!」


「私、大ファンなのにインタビュー参加出来なくてほんっとうに悔しいです!ズルイです!」


「はっはっは、インタビューは司会者の特権だからね!でもインパクトは視聴者の方が大きいかも?」


「それは楽しみですね。それでは早速VTRどうぞ」

「MJOの世界からこんにちは。今回インタビュー兼司会者のパースだよ。こっちの僕もイケメンだろう?」

「初めから飛ばしてますね」

パースの軽快なトークに呆れながら応じるユサタク。


「それが僕だからね!じゃあ早速インタビューを始めて行きたいんだけど・・・あの人の姿が見えないけどユサタク君どう言う事?」

「初顔合わせなのでギリギリまで隠れて貰ってるんですよ。なのでパースさん呼んで貰えますか?」


「何々?サプライズかな!気になるし早速登場して貰いましょう!本日のメインゲスト、ソーイチさん登場よろしく!」

パースの呼び声と共に登場したのは、『ファン学』ファンなら幾度も見た衣装を身に纏ったソーイチであった。


「皆さん初めまして。【ユーザータクティクス】でスポット参戦中のソーイチです」

「うおおおお!!それって『ファン学』のマグナスじゃないか!?」

衣装を見て興奮するパース。


「ビックリしたでしょ。この衣装を勧めたの俺なんですよ」

「初めて心から君に言うかも知れない。ユサタク良くやってくれた!!」


「ちょっと引っ掛かるけどその気持ちは受け取るよ。ソーイチ原作のポーズとかしたらどうだ?」

「ポーズね〜。じゃあ基本的な戦闘ポーズでええか」

そう言ってソーイチは腰に刺した2本の小太刀を逆手に構える。


「アニメで見たことある!!MJO最新情報局の司会やっててマジで良かった。スタジオのひかるちゃん見てる〜。俺は生で物部先生のマグナスコスを見てるよ」


スタジオへの露骨のアピールにワイプ映像ではアシスタントのひかるがパースに掴みかかる勢いで迫っている。

時折悲鳴も聞こえるが映像の中のパースは未来に起きる悲劇に気付かずインタビューを続行していく。


「もう登場だけで疲れちゃったけど頑張るよ!今日はMJOで最先端を走る【ユーザータクティクス】からリーダーのユサタクさんと『ファン学』作者でもあるソーイチさんにお越し頂きました。よろしくお願いします!」


「「よろしくお願いします」」


「じゃあインタビューに移るけど準備はいいかい?」

パースの問い掛けに頷く2人。


「では、まずは【ソーイチさんがMJOを始めた理由】はな〜に?」

内容に合わせて画面にはテロップが表示される。


「始めた理由な〜。色々あるけど一番は小説のネタ集めやな」

「おお、いきなり作家っぽいコメントが出て来ましたよ!で、ネタ集めというのは当然作品に活かす為に?」


「知ってるかもですが『ファン学』が無事完結できたんやけど、あの作品にはマジで俺の全てを注ぎ込んだんよ」

「まあ10年以上連載してましたもんね」

しみじみ語るソーイチに共感するパース。


「で、ユサタクとの飲み会の時に当分はネタ集めに専念すると答えたらMJOを勧められたんや」

「そうそう、連載終了のご褒美も兼ねて俺が誘ったんだよな」

「ユサタク、大手柄だよ!よくぞ誘ってくれた!」


「ソーイチが興味を持ったからだけど、俺いい仕事しただろ?」

「ははは、それでMJOの色々を聞いて思い付いたんが、体感8倍やったら1年で8年分のネタ集められるやんって」

「なるほど!その発想はなかった!」

ソーイチのユニークな思い付きに驚きを見せるパース。


「作家らしいMJO参加理由を聞けて良かったよ。このままの勢いで次に行くよ!」

1つ目の質問を終え、次の質問へ移るとアピールする。


「二つ目の質問はこちら!実際にMJOをプレイした感想はどんなの?」

1つ目と同じくテロップが表示される。


「感想か。それは勿論サイコーやね」

「ですよね!僕も撮影の合間に色々してるんですが、最高ですよね」


「ただ、1つだけ誤算があったりするんよね」

「ほうほう、どんなですか?」


「ネタ集めで始めたんはさっき言ったけど、貴重な体験出来るように不人気ジョブの【見習い司書】と【見習い農家】を選んだんよ」

「ソーイチさんといえば不遇ジョブからのトップですが、そういう背景があったんですね」


「色々と世界を巡ろうと思ってたんやけど知っての通りトップ層になってしまってな。それを維持する為にやる事が固定化してしまったんが想定外かな」

「ああ、効率プレイとまったりは相反しますもんね」


「まあ、王道の不遇からのトップは経験出来たし贅沢な悩みやけど、落ち着いたらまったり回ってみたいとは思ってるよ」

「じゃあ俺達もソーイチがまったり出来るよう頑張らないとな」


「うんうんクランのキズナを感じる一幕ご馳走様です!」

「ありがとう!これからも【ユーザータクティクス】のキズナと底力を楽しみにしておいてくれ」

ユサタクのドヤ顔で2つ目の質問が終了した。


「では、いよいよ最後の質問だけど、ソーイチさんの次回作はどうなるのか!?」

物部創一ファンが一番気になる質問をパースはぶち込んできた。


「いきなりリアル事情なんやね」

「ごめん!でも大ファンなんで気になって仕方ないんだよ!」


「じゃあ折角ファンから質問されたんやしお答えするけど」

「どきどき」

緊張の面持ちでソーイチを見つめるパース。


「正直、【ユーザータクティクス】との契約中はネタ集めに専念したいのが本音やね」

「やっぱりそうですか〜」


「でも、創作活動って衝動で書き始める場合も多いし完全にゼロって訳じゃないんよ」

「じゃあ、僕達ファン一同が出来るのはソーイチさんに書きたいって情熱が降りるのを祈るしか無いのか」


「あやふやな返答でゴメンやけど、これが今の段階でお答えできる範囲やな」

「MJOと関係無い話題出したのが悪かったんだし、こちらこそごめん!!」

謝罪するソーイチに対し慌ててこっちこそ悪いと伝えるパース。


「お互いに謝罪しあったしこれで終わり!」

ユサタクが流れを変える為に手を大きく叩く。


「そうだね!じゃあ質問コーナーも終わった事だし、次はソーイチからの告知コーナーだよ!一体なんだろうね?」


「これは冒険者ギルドの方に聞いた情報なんやけど、近いうちに新しい制度が出来るみたいなんや」

「そうなんですか!?どんな内容なんです?」

ソーイチからもたらされた情報に興奮するパース。


「【賞金首制度】っていうんやけど、知ってる?」

「初耳だけど物騒な制度だね」


「実はプレイヤーが町に降り立ってから大小様々なトラブルが起きてて、それを取り締まる憲兵のキャパシティを超えてるらしいんや」

「ああ、僕もジョブギルドで揉めてるプレイヤーは見た事あるよ」


「その中で悪質な犯罪行為をした者に対して、賞金をつけてプレイヤーに手伝って貰おうって制度みたいや」

「中々に世知辛い制度だけど開始日は決まったのかい?」


「いや、初めての試みやから日程は調整中みたい。でも始まったら号外新聞や立て看板が出る予定や」

「告知は万全って事だね」


「そやね。でも【大陸語】スキルないと読めへんからギルドの人に目印置くようお願いしたら通ったんよ」

「確かに半分以上のプレイヤーは【大陸語】スキルないし目印は有難いね」


「このコボルト人形を目印にする予定や。依頼受ける時とかに受付眺めてみるんがオススメやな」

ソーイチがカメラの前に可愛らしい人形を差し出す。


「可愛い人形だね。これ結構大事だし人形の画像をホームページにアップして良い?」

「俺のじゃないけど告知の許可は出てるしオッケーやと思う」


「じゃあ番組終了後、コボルト人形をアップするのでみんな見てね」

人形を顔の近くまで持ってきたパースがホームページに誘導し、告知コーナーを終えた。


「さて、色々な情報爆弾も全部回収した事だし、これで締めるとしますか!今日の出演どうだった?」


「初めてのテレビ出演めっちゃ緊張したわ」

「本当?トークも完璧に出来てたと思うけど」


「いやいや、必死でしたって。隣にユサタクおらんかったら心細くて喋られへんかったかも」

「少しは役に立てたみたいだし、付き添いで来た甲斐があったよ」


「後半はユサタクさん全然喋ってなかったもんね」

「それは言わないでくれ・・・」

肩を落としながらの発言にスタジオが笑いに包まれる。


「と、オチがついた事だし、今日はこれまで!2人とも出演してくれてありがとね!」

「こちらこそ楽しかったよ」

番組を振り返るように微笑む3人。


「じゃあスタジオに戻すよ。視聴者の諸君、バイバイ」

「「さよなら」」

こうして30分のVTRは終了した。

ブックマークや評価・誤字報告していただきありがとうございます!!

今後とも本作をよろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
これはお姉さん方が喜ぶぞ
[一言] でわ、という話の切り出しに違和感が… では、が正しいと思うのですがどうでしょうか? 用法合ってたらごめんなさい。
[気になる点] この回だけ何だか全体的に血肉があまりついておらず台本っぽく感じた
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