47.途中経過と番組視聴
(おお!【待機】と【瞑想】上がったか。発動時間が6秒しか減らんけどこう言うのはチリツモやからな)
成果自体は微々たるものだが自分が成長した事を喜ぶ。
(そろそろ30分くらい経ってるし目開けるか。サブスクの登録もしたいし)
早速サブスクを登録するために目を開ける。フレンはすでに集計を終えたのか別の事務作業を進めてるようだ。
(今のMPは38か、そろそろジュース効果も切れるし作業進めるかな。っとその前に今何枚か確認するか)
MPの回復状況を把握した俺は進捗を確認する為、フレンに質問する。
「フレン、さっきの何枚やった?」
「もう休憩は終わりですか?」
「いや、そろそろ経験値アップの効果切れるからな。回復分アーツ使っとこうと思ったんや」
素直にサブスク登録とは言わず別の理由を伝える。
「そうだったんですね。因みに手書き込みで332枚ですね」
「後三分の一か。今なら2本くらいは飲めそうやし、早速続きやるか」
そう言って俺はポーションを2本飲みつつ再び【2枚刷り】をMPが空になるまで放ち続ける。
その成果物をフレンへ渡し、集計の間にサブスクの登録を行う。
(色々あるんやな〜。メーカー単品のもあるけど選ぶとしたら大手か?って成人向けもあるんかい!?
確かに18歳以下はこのゲームはプレイ出来へんけども!)
どれを選ぶか一通り探していると、想定外のサービスを発見しツッコミが止まらなくなる。
(ま、まあええわ。正直種類が多すぎるしオールパックでええかな?月額は高いけど映画も本も選び放題やしな)
先程の衝撃で色々面倒になった俺は結局は全サブスクが入ったオールパックを選択する。ゲーム開始時に口座を登録してる為、特に手間も掛からず契約を結ぶ事が出来た。
(さてと、そろそろキャラも上がりそうやし先にステータス確認するかな)
登録したてのサービスを利用する前にステータスを確認する
=====================================================
ソーイチLv6(4,782/5,000) MP:3/126
見習い司書Lv7(4,186/5,000)
見習い農家Lv5(1,830/2,200)
=====================================================
(キャラのレベルアップまでジュース込みで【2枚刷り】37回分か。ポーション2本とジュースの分差し引いて15回、【待機】と【瞑想】併用したら・・・1時間12分で行けるな)
頭の中で次のレベルアップまでを計算した俺は、タイマーを少し短めの1時間10分に設定した後目を瞑った。
(映画見るには中途半端な時間やけど何見よう?アニメもええけど・・・そや!MJO最新情報局見よっと)
出演前の予習をする為、MJO最新情報局を選択する。
(どうせやったらインタビュー系の回見たいな〜。っと直前特番でユサタクと【円卓の騎士】のリーダー2人対象のインタビュー&座談会があるやん。アーサーどんな人か知らんしこれでええか)
早速選んだ回を再生する。すでに見たPVや小出しにされた公式情報などは所々飛ばしながら半分ぐらい見た頃、待望のインタビューが始まった。
・
・
・
「では、ここからはMJOサービス開始直前!!有力チームに色々聞いてみよ〜のコーナー!」
ハイテンションで右手を振り上げてコーナー開始を宣言する司会者とそれをにこやかに眺めるユサタクとアーサーの中の人達。
(サービス開始前やから生身での出演か。しかも生放送って忙しい時期に2人とも大変やな)
仕事とは言え直前の忙しい時期の23時に生出演する大変さを考え同情してしまう。
「本日は【円卓の騎士】のリーダーのアーサーさんと【ユーザータクティクス】のリーダーのユサタクさんのお二人にお越し頂きました!」
「アーサーです。よろしくお願いします」
「ユサタクだ。今日はなんでも聞いてくれよ」
アーサーと名乗った茶髪の青年は少し気弱そうに、ユサタクは少し芝居がかった感じで自己紹介をしていく。
「相変わらずアーサーさんはアバター出演の時と違って緊張されてますね」
「え、ええ。僕はキャラに成り切るタイプなんでどうしても生身は緊張しちゃうんです」
「アーサーさん、リアルでも細身のイケメンなのに勿体ない!ユサタクさんを見てよ、相変わらず変な演技してるから」
「酷いな。確かに友人からも演技した時は大根すぎると言われてるけども」
おそらく俺の事を言いながらも司会者のイジリにツッコミを入れるユサタクと笑いに包まれる現場。
「っと自己紹介も良いですが本日のテーマを発表しましょう!
題してMJOで2人はどう攻略していくのか!!」
「ざ、ざっくりですね」
「まあ、情報系は直前のコーナーで話しすぎたので、ここではリーダーの内心を赤裸々にファンに語って頂こうかなって・・・」
少し気まずそうに司会者は言い訳しつつユサタクからインタビューを開始する。
「それは兎も角、ユサタクさんからどうぞ!」
「雑だな〜。ウチとしては直前で参戦メンバー減ったからな。代わりに秘密兵器を1年契約で採用したが正直未知数なんで、スタートダッシュは最低限に、基礎をまず固めようと考えている。ただ個人としては前ゲームの大会でアーサーに負けたばかりなんで【円卓の騎士】には負けたくないですね」
「おっと〜、早速バチバチだね!でも直前のトラブルは残念だったね。1人キャンセルになったんだっけ?」
「ええ、同時期に開催される別タイトルに推薦枠に選ばれてね。バトルセンスは俺並なのに惜しかったです」
「でも、秘密兵器がいるんでしょ?どんな人なの?」
「そこは暫くヒミツって事で。でも知れば皆ビックリしちゃいますよ」
「それは期待しすぎて夜も寝れなくなりそうだ!じゃあ次はアーサーさん、お願いします」
「僕らとしては今まで通り全員で騎士ロールをするだけですね。幸いベータ版では【見習い騎士】は上位の性能でしたし相性も良いかもしれません」
「珍しく自信満々ですね」
司会者が少しアーサーを茶化している。
「ははは、僕含め【円卓の騎士】は強いですから。まあ問題があるとするなら、ロールが決まりすぎてジョブ系のPP獲得に不利かもって所です」
「聞いてる話だと初モノ超優遇っぽいですしね!ジョブ被りがどう影響するのか見ものです!」
・
・
・
その後も様々なインタビューや雑談が流れていたが想像していたアーサー像と違っていたのが印象に残った。
tips
人物紹介 アーサー
本名:浅田 剣也
【円卓の騎士】のリーダーを務めるプロゲーマー。得意ジャンルは対人格闘系とファンタジーMMO。現実の彼は茶髪で細身の塩系イケメンで少しテレビに出るのが苦手な青年。しかし、いざロールプレイを始めると・・・。
昨日より高熱で体調を崩してしまったので申し訳ございませんが暫くお休みさせて頂きます。
復帰は2月24日の午前6時を予定しております。
ブックマークや評価・誤字報告していただきありがとうございます!!
今後とも本作をよろしくお願いします。