46.暇潰しと第一段階
『今日の撮影いけるようになったのか?』
『ああ、ギルドに確認したら最低限の告知は出来そうやったしな』
『例の賞金首制度ってやつか?』
『ああ、詳細や日程はまだ決まってないけど、実施された時の目印の人形と号外を出すかもくらいは言えそうや』
『それは良かった。渡り人全体の友好度とか考えると罰則関連は早めに知らせた方がいいもんな』
『そやな。今の所みんな個人レベルで善悪を見てるみたいやけどトラブル続くとどう転ぶかわからんもんな』
『そうだな。そもそも渡り人専用の信頼出来るか確認する為に冒険者ランクのGやFランクを実装してるって世界だからマジでプレイヤー全体の評価は甘く見たら駄目だろうな』
『というかその元となった魔族との戦争についてPV以外で知る方法無いんかね?』
『それこそソーイチが図書館で調べたらいいだろ?』
『それしか無いか〜。本読むのも大事やけど【瞑想】と他の休憩スキルのレベル差が広がるんよね〜』
『MP使う司書とMP回復の【瞑想】の相性が悪いよな。本を読むには目を開けないと駄目だし』
『そやな。しかもその間コールか監督の人と喋る位しか暇潰せんし』
【瞑想】最大の弱点について愚痴を言うとユサタクが意外そうに言った。
『ソーイチ知らないのか?コール以外にも暇つぶしの方法は沢山あるぞ』
『マジで!?何があるんや?』
『まずは公式掲示板だな。あそこはゲーム内でしか入れないけど休憩中のプレイヤーとかが駄弁ってて、見てるだけでも面白いぞ』
『ああ〜、それがあったか。でも自信過剰かもしれんが今は俺の話題多そうやし見るん怖すぎやわ』
何を言われてるか知らないがSNSが苦手な俺は使用を躊躇う。
『出た。『ファン学』の時も殆どエゴサしてなかったしな』
『まあな。見るとしても編集さんが厳選した、見て問題なさそうなんばかりやしな』
『まあ書くやつはエグいの書くし適度に離れるのはアリだな。俺も凄い書かれてるし』
『よし!掲示板は無しで!』
改めて俺は掲示板を使わないと心に決める。
『オーケー。じゃあ他にはサブスク系かな』
『そんなんあったっけ?』
『ああ、MJOは賞金が出るのは知ってると思うが、作った所以外にもスポンサー企業がいっぱいあるんだよ。
で、その中で【瞑想】や狩りの休憩中の暇つぶし時間に目をつけた所が目を瞑った時だけ見れる動画や電子書籍のサブスクを用意してるって訳』
『マジか!結構見たい映画や本もあったんやけど・・・』
『サブスクなら【瞑想】中は見放題だな』
『体感8倍のMJOでそのサービスは神過ぎんか?』
『動画も本も時間かかるし相性は良いよな。というか、だからこそスポンサーが一杯集まって賞金も高額になってるんだよ』
ユサタクの解説を聞きサブスクが導入されてる事に納得をする。
『なるほどな〜。それって何処で契約出来るん?』
『システムから各種サービスって所をタッチしてそこから好きなサービスを選ぶって感じだな。この中にゲームチャンネルもあるからソーイチの出演回をゲーム内でも見れるぞ』
『そこはあまり知りたくなかった』
『ははは、まあ何を選ぶのかはソーイチの好きにすれば良いよ』
早速加入しようとしたが目を瞑ってるとシステムウインドウが見れない事に気づく。
『今はシステム弄れんから終わったら加入するわ』
『色々入ったパックとかもあるからそれ選ぶのも良いぞ。っと雑談はこれくらいにして、クランとして情報共有に移って良いか?』
『ええで』
『俺たち、第一パーティは全員がサブジョブに【見習い農家】を選択して来た』
『おお!計画の第一段階達成やな』
『そうだな。それと同時に農地10地区を購入し【地主】も入手したぞ。場所はソーイチの向かいの南地区1-2に固めて設置した』
『俺と同じとこじゃないんか?』
『入り口付近はウチのクランで固めたかったからな。あと全員分の畑はクランメンバー手伝い自由に設定したからレベル上げで気軽に手伝ってくれ』
『りょーかい。これで俺は最大70地区をレベル上げに使えるようになるって事だな』
『そうだな。後は作物の種も大量に購入したから欲しかったら自由にギルド倉庫から勝手に持ってって良いぞ』
『それは万年金欠の俺には大助かりやけどええの?』
『問題ない。どうしても気になるんだったら本や新聞を読んだ時のメモを10部くらい【コピー】して入れといてくれ』
『情報共有にもなるしそうするわ』
『じゃあ俺からの共有は終わりだ。これからサポートメンバーとレベル上げに行くから何かあったらコールを入れといてくれ』
『オーケー。デスペナには気をつけや。ユサタクがデスったら今日の収録俺1人になるから』
『それは面白そうだが気をつけるよ。ソーイチが言ってた友好度低下の可能性などマスクデータ的なペナルティもありそうだし、余裕持っていくよ』
そう言ってユサタクはコールを切り上げた。
(まさかゲーム内でリアルの読書や動画が見れるとはな〜。もしかしたらMJO内で俺の本読んでるプレイヤー居るかもしれんのか?今話題になってるしありそうやな〜)
あり得そうな想像をし、少し照れていると、
ースキル【瞑想】のレベルが2に上がりましたー
ースキル【待機】のレベルが3に上がりましたー
立て続けにスキルレベル上昇のアナウンスが頭の中に流れた。
tips
サブスク
MJOのスポンサー企業が提供するサービス。
電子書籍の大手「Yondle」や映画やドラマなどの「ガンジスプレミアム」、動画投稿サイトの「Our Tube」など様々のサービスが取り揃えられてる。
著作権の問題から使用中はスクリーンショットは一切行う事が出来ない。
賞金いらないから体感8倍の世界でこのサービス使いたい・・・。
ブックマークや評価・誤字報告していただきありがとうございます!!
今後とも本作をよろしくお願いします。