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42.クランミーティング開始

冒険者ギルドを出た俺は待ち合わせまで時間があったのでまず教会で野菜と聖水の交換を行う。


「昨日に引き続いて作物との交換ありがとうございます」

「聖水が想像以上に良いアイテムなんでこちらも助かってます」


「そう言ってくれると安心です」

「それより今日は転職する人が出てきてるけど忙しい?」


「そこまでじゃないですね。来訪する方達のマナーもしっかりしてますし」

「そりゃ良かった。俺も早く転職出来るよう頑張るわ」


「じゃあその時が来たらソーイチさんにご褒美をあげちゃいます」

「マジで!?じゃあより張り切っていくわ」

そう言って別れた俺は、余った作物を納品する為農業ギルドへ向かう。


そこでジャガイモとカブを10個ずつとシイタケ50個を納品し、10,500ゴールドと280CGP、140AGPを獲得する。


「あら、ソーイチさんクランに入られたんですね」

「出来立てほやほやのクランやけどな」


「そのクランって農家仲間を増やすって言ってた所ですよね」

「そやな。ただ何人か転職可能になったんやけど、急に反対意見出るかもって言い出してな」


「そうなんですか!?」

「ただリーダーは乗り気やしこれからメンバー集まるんやけどそん時話し合いになりそうや」


「じゃあソーイチさんとリーダーには説得頑張って貰わなきゃですね」

「頑張るわ。それよりもう集合時間やしこれで失礼するわ」


カレンに別れを告げ自分の農地へ戻る。

待ち合わせ時間にはもう少しあったが既にメンバー全員が集まっていた。MJOでは初顔合わせのメンバーと軽く挨拶をしていると、


「じゃあメンバー全員揃ったし集会を始める」

とユサタクが宣言した。


「まずは知っての通り我が【ユーザータクティクス】がMJO初のクラン設立する事が出来た。これも皆の頑張りのお陰だ。ありがとう!」

「「うおおお!!」」

全員に向けての労いの言葉に対してこちらも歓声と拍手で答える


「それで設立等にかかった費用だが魔道具含めて8万ゴールドかかった。それをPP獲得した6人には8,000ゴールド、その他の13人は、1,000ゴールド、俺は残りの19,000ゴールドを出す。異論はあるか?」

「俺は無いで」


「万年金欠のソーイチだが払えるのか?」

「さっき依頼報告した後買い物してないからな」


「それは良かった。みんなはどうだ?」

特に異論が無かったのか皆ユサタクに支払っていった。


「確かに全員分受け取ったぞ。では次は現在受けているアイテム収集のクランクエストだが、指定されてるアイテムを持ってる人は手を上げてくれ」

すると10人くらいの手が上がった。


「じゃあ手持ちに累計を計算するからソーイチ、【メモ】を頼んだ」

「りょーかい」

こうして手を上げた仲間のアイテムをメモした結果、


ブラウンボアの肉 38/20

スライムゼリー 25/20

ホーンラビットの角 30/20

コボルトの牙 15/20

薬草 8/20


という結果になった。


「殆ど達成してるな。だが薬草が少ないので第1、2パーティはモンスターを狩りつつ、積極的に採集を行う事。ソーイチは念の為次の種蒔きは薬草を頼む」

「種はあるからええで」


ユサタクがリーダーシップを発揮しその後も様々な議題を解決していった。


「では、最後にチーム全員が称号【地主】の習得の為、転職が解放されたメンバーから【見習い農家】に転職する計画についてだ」

事前に話がされてたのか特に異論もなく話が進む。


「まず事前に説明した通り【地主】はゴールドで習得出来る唯一の称号であり、特典もST5ポイントと悪くない。

ただし農地10地区所持という特性上、現状では全MJOプレイヤーの内の10%しか習得出来ない。だからこそ農地が余っている今の内にこの南地区1-1付近を独占購入する事で農地の管理性を向上させた上で称号を習得していきたいと思っている」


喉が渇いたのか水を軽く飲んだユサタクは続きを話し始める。


「また畑は種蒔きまで終わらせれば収穫までは何もしないで良いので狩りの時間を確保した上で安定的な収入を手に入れる事が出来る。

更に住民達との会話からこの町の食糧事情の改善が次のステップに進む為のカギの可能性も出て来ている。以上の点から俺はこの計画に賛成している。何か意見のあるものはいるか?」


そう周りを見回すとセキライとモチョ、フワフワの3人が手を上げた。

「じゃあセキライからよろしく」


「畑仕事ってST使うけど物理戦闘ジョブの俺らは畑用にST確保するのは無理目じゃ無いっすか?」

「問題ない。【地主】獲得すると【小作人制度】が解放される。これはクランメンバーやフレンドに畑仕事の代行をして貰える機能だな。これを利用しSTを使用しない魔法ジョブや町中組に協力して貰う」


「私なら畑でST使い切っても店番してたら【待機】と【休憩】で2時間もすれば全回復するし手助け出来るよ。経験値も稼げるしね」

アマネがユサタクの説得に援護射撃を行う。


「他にも閉門後からログアウトまでの間はSTの有効活用にもなるな」

「ならオッケー!俺は賛成するっすよ!」

説明を受けセキライは賛同に回った。


「じゃあ、次はモチョだが賛成の立場じゃなかったか?」

「賛成ではあるんだけど、ジョブの切り替えに教会に一々行くのがちょっと面倒くさいかな〜って」

その声に「ああ〜」と声をあげる第2パーティと町中組。


「ふっふっふ。実はクラン設立時に【一般向け女神像】という家で転職出来るアイテムを購入したから問題ない。転職用の小屋を買って誰でも使えるようにしておくよ」

「そうなんですか!?それってスキルも変更出来ます?」


「ああ、さっき試したらちゃんと変更出来た」

「じゃあ、私からは異論は無いです」

モチョも不満点が解消され、賛同に回る。


「良かった。それじゃあ最後はフワフワだな。内容は何となく予想できるが・・・」

「そうですね〜。私自身は賛成なんですけど、後で揉めない様に質問しますね〜」


「まあ言わないと確実に揉めるだろうからな」

(クラン設立前にも言ってたけどなんかあるんかな?)

意味深なユサタクとフワフワの会話に俺含めみんなが困惑する中フワフワが話し始める。


「【見習い農家】に全員が同時に転職は、クラン的に不味い気がするんですよね〜」

「ええ〜。別に転職は自由に出来るんだし、問題ないと思うんすけど」


「さてはセキライくん転職の説明良く聞いてなかったですね〜」

「うっ、聞き流してました・・・」

セキライは頭をかいて説明をスルーした事を認める。


「仕方ないですね〜。実は転職のシステムがベータから変更されてたんですよ」

「そうなん?」


「そうなんですよ〜。で、みんな【見習い農家】になっちゃうと戦闘面で他のライバル達から2日ほど遅れるかもしれないんですよね〜」


「「ええ〜!!」」


tips

【ユーザータクティクス】のメンバー紹介②


フワフワ

メイン【付与魔術師】サブ【僧侶】:ユーザータクティクス第一パーティの回復・支援担当。口調はおっとりとしているが時々鋭い指摘をする面もある。


メープル

メイン【弓士】サブ【付与魔術師】:ユーザータクティクス第一パーティの遠距離担当。女性版セキライとよく言われる明るい女の子。だが戦闘では矢にあえてデバフをかけて緩急をつけてるなどテクニカルな面もある。


ミコト

メイン【槍士】サブ【魔術師】:ユーザータクティクス第一パーティの中距離担当。クールな女性を目指してるが喜ぶと素が出ちゃう。現実で薙刀を習っており、長物での戦闘が得意。



ブックマークや評価・誤字報告していただきありがとうございます!!

今後とも本作をよろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 【ユーザータクティクス】の皆さん何げにリアルチート...? (●・ч・)?? [一言] 掲示板回に楽しみです ( ̄∇ ̄)
[良い点] ふむふむ。でも、ワールドアナウンスで地主が触れられる前に地主だけは取っておきたいよなぁ。 食料不足問題の解決に尽力したら好感度が上がりそうだし。
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