41.クランミーティングの前に
「「「やったあああ!!!」」」
この世界で初めてのクラン設立に歓喜の声を上げるメンバー全員。そして一通り喜んだ後、各々が返却された冒険者カードを眺めた。
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NAME:ソーイチ
冒険者ランク E(400/5,000)
生産職ランク E(480/5,000)
(登録ギルド:司書・農業)
所属クラン:ユーザータクティクス (7/20名)
クランランク F(0/500)
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「カードを見るとクラン作ったんだって実感が湧くな」
「ほんまやね」
「じゃあ早速クラン用のアイテムを買いたいんだがあれは農家の小屋にも設置出来るのか?」
「大丈夫ですよ。あとお引越しや増築した場合も再設置は可能です」
「それは良かった。早速購入したいんだけど」
そう言ってユサタクは3万ゴールドを差し出した。
「確かに受け取りました。チケットでのお渡しになりますので設置場所が決まりましたら使用して下さい」
「了解です」
「後はユサタク様にはこちらの魔道具もお渡しします。」
そう言ってフレンはカードリーダーのような物を差し出した。
「これは?」
「クランメンバーを増やす際に冒険者カードをこちらに差し込めば加入する事が出来ます。退会手続きも同様にカードを差し込むか冒険者ギルドで行えますので必ずお伝えくださいね」
「分かりました」
「閉門後に大体集まるし直接メンバー入れる方法あって良かったな」
「そうですね〜」
メンバー加入のたびにギルドへ向かわなければならないかもと思ってたので登録用の魔道具の貸し出しに安堵する俺とフワフワ。
「それよりリーダー!早速クランクエストどんな内容か確認しようぜ!」
「初クリアの報酬もあるかもしれませんからね。俺も賛成です」
セキライとゼロはどんな依頼があるのか確認したくてうずうずしているようだ。俺含め全員に異論がないので早速受けれそうな依頼を物色する。
「見た感じこの2つが手始めに丁度良さそうだな」
そう言ってユサタクが差し出した依頼内容は、
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【モンスターの大量討伐依頼】
フィールドに出現するモンスターを200体討伐する。
【報酬】25,000ゴールド 150ECP
【期限】依頼受注日より8日間以内
【アイテム収集依頼】
以下のアイテムを収集する
ブラウンボアの肉x20
スライムゼリーx20
ホーンラビットの角x20
コボルトの牙x20
薬草x20
【報酬】40,000ゴールド 200ECP
【期限】依頼受注日より8日間以内
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「狩り出来へん俺が言うのもアレやけどええんちゃう?」
「そうですね〜。期限も8日ありますし受けましょう」
「わかった。依頼を受けてくる」
皆の賛同を受け依頼を受ける【ユーザータクティクス】
「討伐は自然に達成出来るとして収集はどうだろう?」
「売ってないの集めたらいけるんじゃない?」
「どうでしょう?それより一旦持ち物の確認とメンバー登録の為に集まりませんか?」
「そうだな。話し合いたい事もあるし一旦集まるか」
メープルとミコトの提案を受けユサタクは全員にコールを送る。
「じゃあ、俺はマニュアル作成受ける為にまずは依頼書の方終わらせてくるけどみんなどうする?」
「私もまだEランクの手続きしてないんでまずはそれからですね〜」
「じゃあ一旦ここで解散するか。1時間後にクランミーティングを開始する。場所は俺やソーイチの小屋がある南地区の1-1の農地に集合してくれ」
「「「了解!」」」
そうして別れた後、依頼書作成の部屋へと向かった。
「おかえり!無事クランは作れたかい?」
「おう、無事設立出来たで」
「それはおめでとう!」
「ありがとう。ただ説明の前に新しい特別依頼を受けたから依頼書作成は終わらせようと思ってな」
「何があったんだい?」
「いや、説明の際に配る資料なんやけど大陸語で書かれてて俺以外読めんかったんよ。だから資料の翻訳と【コピー】を頼まれたって訳」
「ああ、それは盲点だったよ。依頼書とかは読めるしいけると思ってた」
「依頼書読めないと何も出来へんから言語と一緒に女神様が調節したんちゃう?」
「なるほどね!」
(実際にはシステムウインドウが出るからやけどNPCに言うのは無粋やな)
「状況は理解できたよ!現状では120枚ピッタリだから前みたいに端数はないよ!はい、完了届」
「あれ?いつもは全部持ってくのに変わったん?」
「うん、依頼受ける人も増えたし一々持ってったら受付が依頼書の山で埋もれちゃうからね。」
「なるほどね〜。じゃあこの紙持ってったらええんやね?」
「うん、内容間違ってないか確認済んだらフレンに出してね!」
「合ってるな。じゃあ早速俺は行くで」
「じゃあまた今度ね!」
トーマスと別れた俺は完了届を手にカウンターに向かう。
「依頼達成したんで確認お願い」
「はい。え〜120枚作成完了ですね。それでは報酬に600ゴールドと60AGPを付与致します」
ギルドカードにAGPが付与されてるのを確認した俺は先程の依頼を受ける旨を伝える。
「さっきの翻訳とコピーの依頼、2時間後くらいから始めたいんやけど大丈夫?」
「ええ、クラン設立したばかりで忙しい中、受けて頂けるだけでありがたいです!」
「それは良かった。因みに何枚コピーしたらええの?」
「500枚お願いします!」
「500!?めっちゃ多いな。ポーション支給って聞いてるけど大丈夫なん」
「渡り人の使う言語は我々には書く事がまだ出来ませんからね。【2枚刷り】250回分のポーション代の予算は確保済みです」
「えっと【初級MPポーション】25本分か、飲み切れるか不安やな」
「そこは時間をかけて頂ければと・・・」
「まあ良いか。そっち持ちでレベル上げも出来るし受けるよ」
「ありがとうございます!それではこちらが依頼書になります」
そう言ってフレンが差し出した依頼書を確認する。
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【クラン設立資料の翻訳・複製依頼】
クラン設立時に配布する資料を500部作成する
※【初級MPポーション】25本支給
【報酬】2500ゴールド 250AGP 支給されたポーションの余り
【期限】受注日のギルド閉館時まで
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「余ったポーションも貰えるんか!?」
「ええ、他の報酬は規則で上げれないのでオプションという形でご用意しました」
「充分過ぎる内容やし用事終わったらすぐ受けるわ」
そう言ってクランメンバーと合流する為ギルドを出たのだった。
tips
【ユーザータクティクス】のキャラ紹介
セキライ
メイン【長剣士】 サブ【剣士】:ユーザータクティクス第一パーティーのアタッカー担当。テンションが上がった時の攻撃力はチームで一番。ゼロとのコンビ芸はチーム名物となっている。
ゼロ
メイン【盾士】 サブ【騎士】:ユーザータクティクス第一パーティーのタンク担当。持ち前のクールさと心に秘めた闘志でパーティーの盾となる。セキライの事は呆れながらも認めている。
ブックマークや評価・誤字報告していただきありがとうございます!!
今後とも本作をよろしくお願いします。