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40.【ユーザータクティクス】

『中級職おめでとう!てっきり先にクラン作んのかと思ってたわ』

『俺は昨日時点でEに上がってたからな。それに俺とフワフワ以外の4人は既に最速取られてるから一旦別れたんだ。どうせオープニングとかで時間かかるしな』


『なるほどな。じゃあ俺も作業終わらせて受付の方に向かうで』

『おう。俺もダッシュで向かう。』

ユサタクが来るまでに回復した分で依頼書を量産する。


「みんな到着したみたいやから限界まで【コピー】したら俺も行くわ」

「そうなんだ!でも依頼はどうする?30枚超えてるから完了には出来るけど、今日中に戻ってくるなら依頼受けっぱなしで大丈夫だよ!」


「ホンマに!じゃあ置いといて。クラン以外にも行くとこあるけど昼過ぎくらいには戻るから」

「りょーかい。ただ今日中に戻らなかったら依頼破棄扱いになるから気をつけてね」

「りょーかい」


トーマスと喋りながらもアーツを連発し紙束が120枚ピッタリになると同時に席を立った。

カウンターに向かうとユサタクと茶色いふわふわした髪型の女性が少し離れた所で立ち話をしていた。


「お待たせ」

「いやみんなまだだから大丈夫だ。それよりこの子がアナウンスでも流れたフワフワだ。ここでは初めてだろう?」


「付与魔術師のフワフワと申します〜」

「ソーイチです、1年間のお付き合い宜しくな」

「こちらこそ〜」

(名前通りふわっとした話し方やな。)


「他にも俺のパーティーのセキライ、ゼロ、メープル、ミコトの4人がランクアップ手続き中だ。顔付きとか分かるか?」

「ホームページのメンバー紹介欄で確認済みや」


「それなら挨拶は設立後でいいな。出来ればクランも最速取りたいしな」

「オッケー。俺からも朝コール入れた件詳しく話したいからまとめてするわ」


「農地の件ですか〜。【小作人制度】はとても便利なんですけど、転職の仕様的にもしかしたら反対意見が出るかもですね〜」

「マジで!?」


「転職の際に受けた説明を受けた限りでは、新しいサブジョブに農家は選びづらくて〜」

「その辺も後で全部話し合おう!例え反対されても奥の手使って了承させるから!」

「逆に不安やな」


チーム総農民化計画に陰りが見られる中、自信満々のユサタクを見て安堵感とそれ以上の不安を覚える。

その後も色々な雑談をしていた所でランクアップの手続きを終えた4人がこちらへ歩いて来た。


「お待たせ!そしてソーイチさんお初です!」

「セキライうるさい。失礼、はじめましてゼロです」

「メープルです。後でサイン下さい!」

「ミコトです。私にもお願いしますね」


「ソーイチです、よろしく。サインは話終わったらええよ」

「「やった!」」

メープルとミコトが歓声を上げた。


「はい、そこまで!これからクラン設立の手続き始めるぞ」

ユサタクの声にハッとした俺らは揃ってカウンターへ向かった。


「クランの設立手続きをお願いします」

「設立には冒険者ランクがE以上の方5名と設立費用5万ゴールドが必要ですがよろしいですか?」


「ああ、大丈夫です」

「それでは手続きを始めます。こちらのトレイに5万ゴールドとクラン加入希望の方は冒険者カードのご提出をお願いします」

全員が冒険者カード差し出し、ユサタクはゴールドを全て支払った。


「設立条件のクリアを確認致しました。これよりクランについて説明いたします。長くなりますのであちらの小会議室へ移動します」

そう言うフレンに付いていく。


「他の渡り人にジロジロ見られるかもやから移動は助かるわ」

「そう言って貰えると助かります。っとここですね」


案内された部屋に入るとクランについて書かれたであろうホワイトボードがあり長机には人数分の資料が置かれていた。


「もしかしてこの部屋ってクラン設立専用の部屋?」

「ええ、お伝えする内容は変わらないんで全部この部屋にまとめちゃってます」


「なるほど、ただソーイチ以外は大陸語がわからないんだが・・・」

「あっ!確かにその通りですね」

「そこは俺が資料読み込みと書記するから気にせんでええよ」

ユサタクの疑問に対して慌てるフレンにフォローを入れる。


「ありがとうございます!それと急で申し訳ないんですが今後この様な事のない様に翻訳と作成の特別依頼を出したいのですが大丈夫でしょうか?」


「おお!新しい依頼か。必要やと思うしええで」

「本当ですか!?依頼書作成と同じ報酬ですがポーションも支給しますので今日中にお願いします」


「ポーション出るん?絶対受けるわ」

「ありがとうございます!」

「じゃあ、話がまとまった所で説明お願いします」

脱線した流れを戻す様に提案するユサタク。


「失礼しました!それではクラン設立の説明をはじめます。私はフレンと申します。よろしくお願いします」

「「「「「よろしくお願いします」」」」」


「まずクラン設立の利点、それはクランクエストの受注とクラン専用アイテムの購入許可の2つです。

クランクエストですが、納品数や討伐数が通常より多めの依頼から目的地までの護衛等日数がかかる依頼まで様々ございます。また、推奨スキルを複数人が所持していた場合受ける事が可能になる特別クランクエストもございます」


「要するに個人では対応できない依頼ってことやね」

「その通りです。因みに報酬は通常依頼より多めのゴールドとECPエクスパンションクランポイントを付与させていただいております。」


「ECP?それってAGPのクラン版ってこと?」

「はい、クランのランクを上げるために必要なポイントでございます。渡り人様のクランはFランクからのスタートとなるのですが、クランが拡大し高ランクになるつれて難易度と報酬が高い依頼を受けられるようになります」


「それは信頼と実績のあるクランになったからってことだな」

「ええ、高ランクの依頼になると町の存亡レベルの依頼もあるかもしれませんしね。その為、依頼を受けるにも実績が必要なんです」

「なるほどな」

ユサタクが納得したように頷く。


「では、次はクラン専用アイテムの購入許可ですがクランハウスに置くと便利な魔道具ですね」

「魔道具か!どんなアイテムがあるんですか?」


「Fランクで購入可能なのは、ホームで転職が可能になる【一般向け女神像】とクランメンバーのアイテムやお金を保管する【超大型保管庫】、【クラン貯金箱】の3点ですね」

「どれもいい商品ですがお値段はいくらですか?」


「全て1万ゴールドです。」

「安いな!設立後すぐに購入します!」


「ありがとうございます。では、最後に一つ、依頼の未達成は絶対にお辞め下さい。クランクエストは単純に量が多いだけでなく、重要度も上がっているため未達成の場合、ギルドランクを落としたりクラン解散もあり得るのでご注意下さい」

「わかりました」


「それでは以上でクランの説明を終了します。引き続き設立の手続きを進めますので代表の方のお名前とクラン名をお願いします」

「代表者はユサタク、クラン名は【ユーザータクティクス】でお願いします」


「ありがとうございます。では少々お待ちください」

そう言ってフレンは魔道具で何か作業をした後、最初に預けた冒険者カードを返却してきた。


「冒険者カードをお返しします。これよりクラン【ユーザータクティクス】の設立が完了いたしました。これからの更なるご活躍を楽しみにしております」

その言葉と同時に


《クラン【ユーザータクティクス】の皆様がプレイヤーで初めてクラン設立をいたしました》

俺達のクランの産声がMJOの世界中に響き渡ったのであった。


tips

ECP

読み方はエクスパンションクランポイント。直訳すると「拡大するクランのポイント」

クランのランクを上げる際に必要なポイントであり、高ければ高い程この世界での貢献度や信頼度が高い証となる。




新キャラの紹介は2〜3名ずつtipsで紹介で紹介していきます


ブックマークや評価・誤字報告していただきありがとうございます!!

今後とも本作をよろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
[一言] 初クランゲットおめでとう! あれ?まだ円卓さんは条件を満たしてないのね ユーザータクティクスの他のメンバーも合流ですね!
[良い点] クラン立ち上げおめでとう!!
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