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26.司書ギルド


映像が終わった事で意識が戻る。


「最後のがホンマに謎やな。まさか2つ目の町から船が必要とかは無い思うけどな〜」

オープニングを振り返り考えていると作業が終わったのかフレンとトーマスが入ってきた。


「お祈りは終わりましたか?」

「ああ、終わったで」


「では、ギルドカードをお返し致します。只今よりソーイチ様はFランクからEランクへ昇格させて頂きます。Eランクからは【名誉国民】になりますので色々出来ることは増えますので、ぜひ見つけてみてください」


「色々聞くと思うけどよろしく」

「ええ、では、改めてソーイチ様Eランク昇格おめでとうございます」

「おめでとう!ソーイチが渡り人で一番乗りだよ!」


フレンとトーマスからの祝福の言葉と共に


ー冒険者ランクがEに昇格された為、メインスキルの枠を1つ追加致しますー

ー称号【名誉国民】を取得しました。報酬として全ステータスが1ポイント上昇します。

また、この称号はプレイヤーでは初めての獲得になりますが、称号名は公表しますか?ー


「スキル枠追加とステータス全部上がった!あと最後のは初獲得のアナウンスは流れるけど称号名は隠せるって事か?今回はEランク昇格が条件やから隠す必要はないか」

システムからの問いに少し悩むが公表するを選択した。その直後、


《ソーイチ様がプレイヤーで初めて冒険者ギルドのランクがEとなりました》

《ソーイチ様がプレイヤーで初めて称号を獲得いたしました》

《ソーイチ様がプレイヤーで初めて称号【名誉国民】を獲得いたしました》


怒涛のワールドアナウンスが響き渡った。

(今回はいっぱい鳴ったな!早速フレンドからもお祝いのコール来てるしお礼だけ言うか)


アナウンスを聞いたフレンドより祝福のコールが同時に来たので感謝としばらくは応答できない旨を伝える。


「早速司書ギルドに登録行こうと思うんやけど、その前に質問いい?」

「はい、なんでしょう?」

「ノア以外の町ってどうやって行くかわかる?」

司書ギルドへいく前に先ほど見たオープニングの疑問点をフレンに聞く。


「えっと、なぜでしょう?」

「いや、ランクも上がったし他の町に行く事もあるかも知れんやろ?情報だけでも持っておこうかなと思って」


「なるほど、ただその情報について、現時点ではお話できません」

「そうなん!?」

「時期が来たらお教えしますのでそれまではこの町を堪能してくださいね」

「りょーかいです。じゃあ、今度こそ行ってくるわ」

「はい、いってらっしゃい」


見送るフレンを背に司書ギルドまで歩く。

(うーん、ちょっと返答が意味深やな。図書館に地図があれば推察ぐらいはできそうやけど)


曖昧な返答の真意を考えているといつの間にか司書ギルドに到着した。ギルドに入るとカウンターに長い黒髪の女性が座っていた。


「冒険者ランクがEになったので登録しに来たんですが、お姉さんにお願いしたらいいんかな?」

「ええ、私は受付のシーラと申します。もしや貴方はソーイチさんですか?」


「え!?そうですけど何で知ってるんですか?」

「ノア・タイムスのルーカス社長が将来有望な【見習い司書】だとおっしゃってたのと、想定より早い登録からもしやと思いまして」


「なるほど、ルーカスがそんなに誉めてたなんてな」

(というかNPC同士で噂話まで共有してるとかAIすごいな)

人知れず誉められていたことには照れつつも、プレイヤーを介さずNPC間でも自然に情報を共有してる所に驚く。


「では、登録の前に司書ギルドの役割など説明致します」

「よろしくお願いします」


「我々司書ギルドの目的は知識を繋いでいく事です。小説などの娯楽から始まり、文化の記録、モンスターの知識や対処法、さらに町に危機が迫った時にはその知識を使い被害を最小限に食い止める。そのために知識をひたすら蓄えるのが司書というジョブでございます」


「大変そうや」

「ええ。ですが本は人類の知識と歴史の集合体ですからね。その知識を学ぶと言うのは単純に面白いんですよ」

自分の仕事を心から楽しみ、そして誇りを持った者特有の自信にみちた様子で語って行く。


「ソーイチ様はしばらくの間、知識の習得が依頼内容となってます」

シーラは1枚の依頼書をこちらへ手渡してきた。


====================================================

【知識の習得】

図書館1階の1〜5の棚の書物を読み込む


【報酬】1冊あたり 100ゴールド CGP20 AGP10

====================================================


「本読むだけの依頼ですか?」

「ええ、司書たるもの知識の習得は前提条件です。ただ報酬は少ないですが・・・」


「まあ、お金の動きゼロやし」

「ですが、スキル習得ができる本もあるので、沢山本を読んでいってくださいね」


「オッケーです。ただ読んだってどう証明するん?」

「読破した本をもって私の所に来て下さい。読み終えたか判断出来ます」

「凄いですね!」

(システム的なやつかな?ズルする気は無かったし深くは考えんとこ)


「これにて司書ギルドの役割と当面の依頼についての説明を終了致します。これよりギルド登録をいたしますので、ギルドカードをこちらへどうぞ」

言われた通りシーラにギルドカードを渡し更新作業を見守る。農業ギルドの時と同様カードがきらりと一瞬光った。


「お待たせしました。無事登録が出来ましたのでカードを返却致します」


==================================================

NAME:ソーイチ

冒険者ランク E(200/5,000AGP)

生産職ランク F(80/200CGP)

(登録ギルド:司書・農業)

==================================================


登録ギルドに司書が加えられたのを確認したと同時に、


ーメインジョブのギルド登録がなされた為、メインスキル枠を1つ追加致しますー

《ソーイチ様がプレイヤーで初めて司書ギルドに登録いたしました》


お馴染みのアナウンスが鳴り響いた。


tips

司書ギルド

ギルド内に巨大な図書館がある為ノアの町でも冒険者ギルドに次ぐ大きさではあるが、財政は厳しく住民の寄付によって運営されている。その為依頼の報酬は雀の涙ほどのゴールドである。




ついにソーイチが目標の司書登録が出来ました。次回は掲示板回!


ブックマークや評価・誤字報告していただきありがとうございます!!

今後とも本作をよろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
[一言] 大抵のゲームでスタートダッシュでモンスター討伐決め込むけど図書館が際も早い近道なんだよね 歴史に周辺地図、スキルにそれについての知識等 豊富だものね
[一言] いよいよ本採用! 本職が作家の主人公には天職なのか、はたまた前評判の「不遇職」が牙を向くのか?
[良い点] 楽しく読まさせてもらってます。 [気になる点] 本文中の、 人知れず誉められていたことには照れつつも、プレイヤーを介さいNPC間でも自然に情報を共有してる所に驚く。 の中の”介さい”が…
感想一覧
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