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24.見えないライバル

(びっくりした!スキルばっかり見て経験値全然見てなかった。アーツ10回打ったら経験値とついでにギルド系も確認しとくか)


レベルアップの音に驚きながらも引き続きアーツを連発していく。

数分もしない間に10発打ち終えた俺は、ステータスとギルドカードを確認した。


===================================

ソーイチLv4(943/1,800EXP) MP:40/90

見習い司書Lv4(925/1,300EXP)

見習い農家Lv 3(360/650EXP)

冒険者ランク F(90/200AGP)

生産職ランク F(80/200CGP)

===================================


(畑はポイント効率ええから収穫できたら生産職ランクは今日中にEになれそうやな。冒険者ランクは残り110AGPか。依頼書作成が10枚で5AGPやから220枚やしこっちも今日中にE到達と司書ギルド登録出来るな!)


1週間はかかると言われていた司書ギルド登録が2日目にして達成できそうで喜びが抑えきれずニヤニヤしてしまう。


「急に笑い出してどうしたんだい!」

「ギルドカード確認したら、今日中にランクアップ出来そうでな。待望の司書ギルド登録についニヤついてしまったわ」


「おお、それは良いね!応援してるからジャンジャン依頼書作ってってよ」

「任せろ!」

トーマスからの声援を受けながら全てのMPを使い切った俺の前には61枚の依頼書が積み上がっていた。


「じゃあ、MP空になったし回復体勢でいるわ」

「じゃあ、僕は少し席を外すよ」

部屋を出ていくトーマスを尻目に目を瞑る。


(1時間くらい暇やな。そういえば今日の収穫って何時やっけ?朝植えた3つは18時半くらいで、昨日植えた5つも・・・同じくらいやな。じゃあ,18時までに220枚無理やったら帰るか。収穫分でランク上がるかもやし)

早くランクアップしたい俺は暇な時間を利用して今日の予定を改めて見直していく。


「ただいま!」

30分が経過した頃トーマスが戻ってきた。

「おかえり。何してたん?」

「ああ、ソーイチ以外も依頼書作成を受注する人達が来ててね、大部屋に集めてやり方説明してきたんだよ!」


「ああ、募集が新聞にも載ってたしな。それより俺は大部屋に移らんでええん?監督役が必要やろ?」

「他にも人がいるから大部屋は任せてきたよ。それに僕はあまり大勢の相手はしたくないからね。君1人を監督する方が楽なんだ!」


「サボる名目かい!」

「そうとも言うよ!」

堂々とサボる宣言をするトーマスに呆れながらツッコミを入れる。


「今回の子達も【コピー】はみんな出来るんだけどソーイチの方が【2枚刷り】分速いね。さすが依頼書作成の申し子だけあるよ!」

「また、それを言う。でも睡眠ボーナスあるからメモあるだけでコピーまでいけるんか」

「そうなるのかな?よくわからないけど」


(大変そうやし、依頼書作成する人が増えるのはええことやな。同じ司書仲間も中にはいるかもやし頑張ってほしいもんや・・・ってあ!!)

別室で頑張る同僚を思い浮かべていると大変なことに気がつく。


(よく考えたら向こうのプレイヤーがMPポーションがぶ飲みでやったら俺抜かされるんとちゃうか!?ぶっちゃけこの仕事MPさえあれば無限にAGP稼げるからな)

俺自身がやったように採算度外視すればAGPが稼げるのは経験済みの為焦りが出てくる。


(どうする?俺もポーション使うか?手元には朝の余りと明日の分併せて6本か。全部使い切ったとしたら300MPで120枚。手元の61枚と合わせても39枚足らんな・・・)


「あれ、急に黙り込んだけど何かあったの?」

急に黙り込んだ俺に怪訝そうに尋ねるトーマス。


「いや、大部屋の誰かがポーションを飲み続けたら俺が抜かれそうやなと思ってな」

「まあ、無理じゃないだろうね」


「そうやろ?せっかく渡り人の中で一番早くランクがFに上がれたんやし、Eも一番乗りしたいと思ってたから急なライバルに焦ってるんや」

「なるほどね〜。気持ちはわからなくはないけど無理はしなくて良いんじゃないかな?」


「そうなんやが、渡り人の中でも競争みたいな感じになってるんよ」

「そうなの?」

「ああ、この世界を一刻も早く復興出来るよう神様(運営)がそうしたんや。だからこそ、みんな目を血走らせて狩りとかしてるやろ?」

プレイヤー間の競争を説明するため、ゲームの設定を踏まえて説明をする。


「ああ、初日とかみんな凄い形相だったけどそういう理由なんだね」

「俺自身も早くギルド登録したかったから昨日ポーション有りでやってたやろ?渡り人は大体こんな感じや」


「なるほどね・・・」

「でも、手持ちのポーション使い切っても40枚程足らんからどうしようもないけどな」

焦る気持ちとは裏腹にどうしようもない現状を憂いながらトーマスに愚痴っていく。


「今のところソーイチは最低40枚は自力で作らなきゃダメなんだよね?それって後どれくらいかかりそう?」

「後1時間くらいでMP満タンなるからそっから休まずアーツ使ったらギリギリかな?」


「じゃあ、僕が定期的に向こうの様子を見に行こうか?」

「いや、そこまで世話かけるのもな」


「大丈夫、気分転換になるし、何よりソーイチと僕との仲じゃないか!」

「昨日会ったばっかりやん。でもそう言ってくれるんは嬉しいわ」


「じゃあ、決まり!僕が向こうを偵察するよ。スパイみたいで楽しいね!」

「助かるわ」

トーマスの支援を受け取り心の中に温かいものが芽生える。


(ここまで、助けて貰うんやったら絶対最速でEランクになってみせるで!)

決意を新たに俺はMPの回復に専念するのであった。


tips

キャラ紹介:アマネ


ユーザータクティクスのサポートチーム所属でメインジョブが【見習い商人】サブジョブが【見習いポーター】

2日目より露店を開いており、メインチームの狩りの成果やサポートチームの作成物などを販売している。

実はソーイチの小説のファンであり、新聞の受け渡しの窓口になれた事を密かに喜んでいる。


ブックマークや評価・誤字報告していただきありがとうございます!!

今後とも本作をよろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
[一言] >それより俺は大部屋に移らんでええん?監督役が必要やろ? 現状で数が必用なのに、現在数を一番こなせる者の手を別の用事で塞ぐのは効率悪いよなぁ。 同等の数をこなせる後任(?)がいるなら問題無…
[気になる点] >「ああ、ソーイチ以外も依頼書作成の依頼者が来ててね、大部屋に集めてやり方説明してきたんだよ!」 依頼受けに来たんだったら依頼者じゃなくて受注者とかでは?
[良い点] テンポ早いのに、しっかり話が繋がってるのが良い。このままがんばって欲しい
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