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ミックスジョブオンライン〜ラノベ作家はネタ集めの為賞金付きVRMMOに不遇職で挑む  作者: モトマル
4月3日①お米探しと満腹度実装

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235.大事な写真撮影とサボりに来た社長

「ふぅ、ご馳走様。ちょっと食休みしてから、アレやろかな?」

「モグモグ。あれ?一体何をやらかすつもりなんですか?」


食休みに入る前、ふと思い付いた事を呟いたのだが、モチョから失礼な質問が飛ぶ。


「やらかすて……。俺はただ【ビジョンスキャン】使って作業場や配給・食事風景とかを撮りたいだけや」


「ああ、夜の出店の時も何枚か撮ってましたね。せっかくのイベントですしいいんじゃないですか?ただ、出店の時と違って明るくて皆の顔とかハッキリ写りそうですし、念の為に主催者側に許可取った方がいいかもですね」


「なるほど。この世界の肖像権がどうなってるか分からんけど、確認する方が無難か。じゃあ、あっこで仕切ってるクリスに許可取りに行ってくるわ」

「いってらっしゃい。私も食べ終わったら、肥料作りに戻るので解散ですね」

「オッケー。ここから別行動な」


こうして偶々出会ったモチョとはここでお別れし、俺は炊き出しの指示を出していたクリスの元へ向かう。


「忙しい中ごめん、ちょっと聞きたい事あるんやけど、時間大丈夫?」

「ええ、少しだけなら大丈夫ですよ」

「よかった〜。実は炊き出しの風景とかを【ビジョンスキャン】で撮影したいんやけど、勝手に撮って大丈夫?」


「まぁ!?珍しいアーツをお持ちなんですね」

「ああ、ノア・タイムスで頑張ってきたおかげでな。それで写真撮影はオーケーなん?」


「ええ、相手から拒否されない限りは自由に撮って頂いて大丈夫ですよ!」

「マジか!?それ聞いて安心したわ」


忙しそうな中対応してくれたクリスに配慮し、手短に尋ねてみたら、少し驚いただけで、あっさりと許可を出してくれた。


「いやぁ、忙しい中教えてくれてありがとう!」

「どういたしまして。こちらとしても、みんなが頑張っている風景を撮ってくれるなんて逆にお礼を言いたいくらいよ。ただ、ソーイチさんにお願いがあるのだけど」

「お願い?」

「ええ。撮影した物の中から、何枚か譲って頂きたいのよ」


「そりゃ勿論大丈夫というかこっちから打診する所でしたわ」

「あら、そうなんですね。でもよかったわ。これで子供達が楽しんでいる姿を、今も他の町に残っているご両親に見せる事が出来るのね……」

「あっ、そういう事か……」


【他の町に残っている】とは、町の封印に伴い自ら石化してるという事。あの子達のご両親は、子供達にその境遇にさせない為に教会へと預けているのかもしれない。そんな推察は、楽しいイベントに浮かれていた俺の頭をガツンと殴るような衝撃を与えた。


「ふふふ。事情に気付かれた様ですが、気に病まないでください。助ける時も楽しむ時もどちらも全力で。それだけでいいんです」

「……そうやな。こっちが暗い顔で撮影してたら、撮られる側の子供達の顔も曇るかもしれんしな。親御さん達に飛び切りの笑顔見せる為にも、こっちも楽しくやらせて貰うわ」

「ええ、それが一番ですよ」


「じゃあ、早速撮りに行くんですが、写真は後日でいける?【ビジョンスキャン】って結構MP使うんで、渡す分の量産まで手が届かないんで」

「ええ、大丈夫ですよ。私の方でもお礼の聖水をたっぷり用意しますので、1枚でも多くあの子達の今を切り取って下さい」

「ええ、任せて下さい」

「きゃっ、さ、撮影ですか?どうしましょう……今日はあまり御粧し(おめかし)してませんのに〜」

「あっ、ソーイチ兄ちゃん!変なポーズ取ってるけど、何してるの?……えっ、写真!僕も撮って撮って〜!」


「あら、ソーイチさんじゃないですか〜。仕込み場まで来るなんて、何かの取材ですか〜?」

「そ、ソーイチさんが写真撮影!?あ、あの!ツーショットとか……あっ、無理ですよね……」


撮影の許可とシスターからのお願い事を引き受けた俺は、早速ポトフを注ぐシスターや年長の子供達や、楽しそうに駆け回る年少組。そして調理担当に励んでいたフワフワや、美味しそうに料理を頬張る住民やプレイヤーをパシャパシャと撮り続けた。


(うっ、ポトフで膨らんだ腹にポーションはキツイな。でも資料や思い出の切り取りの為にも我慢我慢)


流石に途中でMPが尽きたので、膨れたお腹に鞭打って初級MPポーションも活用する。そうして撮り続けていく中で、ある人物から声を掛けられた。


「やぁ、ソーイチ君。君も取材に来たのかい?」

「おっ、ルーカスやん。俺はただの趣味とシスターから頼まれて撮ってるだけや。そっちこそ社長自ら取材に来たん?」


「私も取材という名目で抜け出したけど、まぁ趣味だね。こういう活気のある所は好きなんだ」

「ははは、確かに居てて楽しいもんなぁ」


サボり疑惑の社長の言い訳に笑いながらも、頷く俺。その後、他の来客達の邪魔にならない様、脇道にずれて暫し談笑をしていたのだが、ふと真剣な顔付きになったルーカスが声色を変えて話し始める。


「ところで少し話したい事があるんだけど、時間貰ってもいいかい?」

「別にええけど、一緒にきた子にコール送るから少し待ってて頂戴」

「ああ、すまないね」


イベントの香りがプンプンと漂うお願いに、秒で承諾。既に別行動をとっていたモチョを言い訳にして、急なイベントの始まりをクランコールへ報告。返事を確認しないまま、手持ち無沙汰に待っていたルーカスへと意識を戻し、用件を伺うのであった。

次回は明日か明後日の午前6時に更新予定です。


ブックマークや評価・誤字報告していただきありがとうございます!!

今後とも本作をよろしくお願いします。

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