17.複数のアナウンスと朗報
料理ギルドへ向かっているとワールドアナウンスが濁流のように流れてきた。
《アーサー様がプレイヤーで初めて騎士ギルドに登録いたしました》
《マーリン様がプレイヤーで初めて魔術師ギルドに登録いたしました》
《ユサタク様がプレイヤーで初めて斧戦士ギルドに登録いたしました》
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「一気にきたな〜」
「そうですね。リーダーも無事初回登録は取れたみたいで安心しました」
「ほんまや。後でお祝いのコール送るか。それより普通タイミングがバラけるもんやと思うけどなんでこんな一気に?」
「ああ、パーティーを組んで依頼とか受けるんで冒ランクがFになるのも同時だったんじゃないですか?それと有名どころは張り合ってたんで競争したのも原因かもですが」
「なるほどな〜。それにしても俺より4時間遅れか。まあ、あの依頼は本当に反則な効率やったからな」
「そうですね。移動距離だけでも2時間くらいアドバンテージあったんじゃないですか?」
「多分な。プレイヤーとの争奪戦もないし最高の依頼だったよ」
「いいな〜。私も早くギルド入りたいです」
「ああ、まだFランクになってないんや?」
「当たり前ですよ!今のアナウンスもMJOのトップ陣なんですから、ソーイチさんが早すぎるんです!」
「ごめんごめん、でもそれじゃあ携帯料理セット買われへんかもな」
「そ、そうでした!でもまずは買えるか確認だけしちゃいましょう」
そう言って早足になるモチョを追いながら料理ギルドに到着した。
「いらっしゃいませ。登録をご希望でしょうか?」
「いえ、まだ登録は出来ないんですけど携帯料理セット?の1番安いやつって買えますか?」
「申し訳ございません。ギルド登録がお済みの方にしか販売してないんですよ」
「そっか〜。じゃあ登録できるようにします」
「頑張ってください。一緒にお仕事できる事楽しみにしております」
残念ながら目的のものは購入出来なかったが気を落とさないモチョに受付嬢も応援してくれる。
「ありがとうございます!行ってきます」
そう言ってモチョはランクを上げるため冒険者ギルドへ向かった。
「そういえば、モチョは後どれくらいでFランクになれるんや?」
「10ですね。簡単な採取依頼があればいいんですが・・・」
「そいえば、モチョはジョブとかの登録はしたん?」
「まだですね。ついでにしちゃいましょうか」
「その方がええよ。そろそろ夕飯時やし、もしかしたら食堂のバイトみたいな依頼もあるかも」
「そうですね!あるといいんだけど・・・」
「俺も冒険者ギルドに用があるからついていくわ」
しばらく歩きギルド前に到着するも少し列ができていた。
「うーん、ダメもとで裏口から行く?無理やったら並び直せばいいし」
「裏口があるんですね。行ってみたいです」
「じゃあ行くで」
ギルドを大回りし裏口から入る。
「ソーイチさん、どうされたんですか?」
「この子のジョブとスキルの登録したくて。代筆で登録とかできません?」
「申し訳ございません。スキルの機密保持の関係によりご本人様かギルド職員のみしか行えなくて・・・」
「マジか・・・。無駄足踏ませてすまんな」
「大丈夫です!ソーイチさんも聞きたいことあるみたいですし一旦解散しましょうか」
「そうするか」
「でわでわ、行ってきま〜す」
「いい依頼があればいいな〜」
ダッシュで表まで走るモチョを見送る。
「元気そうな子ですね」
「ええ、若いな〜。っとそれよりフレンさん、お聞きしたいことがあって」
「なんでしょう?」
「今日やった依頼書作成の依頼って明日以降もあります?」
「ええ、まだまだ全然人が足りませんし当分は同じ仕事がございますよ」
「じゃあ、司書ギルド登録のためにバンバン受けたいんやけど、あれってギルド内でしかやったらダメなんです?農業って意外と手が空く時間多いんで空いてる時間にやりたくて・・・」
「偽造の防止も兼ねてギルド内でしか出来ないんですよ」
「ああ、持ち出しできたら自分用に桁増やして書けるかもやしね」
「ええ、ですので明日の来訪もお待ちしておりますね」
「もちろん!朝イチでそちらに向かいます」
「お待ちしております。・・・そういえば、ソーイチさんって司書系のジョブでしたね?」
「ええ。ただギルド入れないんでレベル上げが【メモ】しかないんですよ。だから特別依頼は本当に助かりますわ」
「ああ、それで急いでたんですね。じゃあ【メモ】以外に今できるジョブレベルを上げる方法をお教えしましょうか?」
「え、そんなんあるんですか?」
半ば【メモ】以外のレベル上げを諦めていた俺に思わぬ道が開けそうな予感がする。
「ええ、農業ギルドにはすでに登録されてると思うのですが、小屋付きは買われました?」
「さっき農業ギルドで買って来ました」
「それなら新聞を取ることができますよ」
tips
プレイヤー名 【アーサー】【マーリン】
有名な厨二系プロゲーマーチーム【円卓の騎士】のリーダーとサブリーダー
王道系のプレイスタイルと割とすぐに崩れる騎士ロールが人気
チーム名だけは 幕間2 公式掲示板② にて登場済み
ブックマークや評価していただきありがとうございます!!
今後とも本作をよろしくお願いします。