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ミックスジョブオンライン〜ラノベ作家はネタ集めの為賞金付きVRMMOに不遇職で挑む  作者: モトマル
4月2日② 目指せ【開拓者】

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165.少し違うルーティン作業とアマネのお願い

「くぅううう!今回は疲れたあああ」


ノア・タイムスでの印刷業務。残業宣言から締め切りまで黙々とアーツを放ちまくった結果、ログアウトまでに累計1,200枚の山を生み出す事が出来た。


(さてと次のログインが50分後か。それまでに晩飯の仕込みと後は……。あっ、サイン増産の連絡来てへんか見とかな)


そう呟いてメールボックスを確認してみると、数時間前に【MJO最新情報局】からのメールが入っていたことに気付く。


(あちゃ〜。前回のINより先にメール来てたんか。実験の事で頭いっぱいでチェック怠るとはな)


普段の俺ならしっかり確認していたはずなのに、スルーしていた自分に少し凹む。

そんな心境の中、次こそはミスしないようにメールを読み進めていると、締め切りなどの条件が書かれていた。


(ふむふむ。まず納品数が300〜500枚の間。締め切りがリアル今日の24時までか。現段階で267枚完成しとるし、最低ノルマは達成出来そうやな)


コーヒーを飲みながら内容を吟味していたのだが、最低限のゴールが近いことに一安心。期限には後ゲームで2日の余裕があるし、次のINでは別のことが出来そうだ。


(昨日は司書系のジョブばっかりレベル上げしてたし、今回は【見習い付与魔術師】の卒業を目標にしよかな)

ざっくりとした目標を立てた俺は夕食の準備や雑務などをこなして、ログインまでの時間を過ごした。

【陽の月2週目、土の日】【4月2日18:40】


時刻はゲーム内時間で5時20分。

普段ならば新聞の購読から入るのだが、少し変えて魔力充電と畑仕事を行い、MP・STを限界まで使い続ける。途中、キャラレベルの上昇による完全回復も絡みつつ、朝からキャラ・ジョブレベルを3つ、スキルレベルを2つ上げることができた。また、


ー【永年寝太郎】との師弟期間が終了しましたー

ー【永年寝太郎】との師弟期間が終了しました。期間中に獲得した経験値の5%を加算しますー


と、師弟関係の終了を告げるシステムアナウンスが流れた。


(拝啓、寝太郎くん。飲み会は楽しんでいるでしょうか?貴方が稼いだ経験値の一部、ありがたく頂戴しました。……なんて、アホみたいな事考えるの辞めにして次の行動に移るか)


アナウンスを聞いた俺は、ロールプレイの練習で故郷の友人へ向けたメッセージのような物を脳内で再生させてみた。

正直ちょっとだけ楽しかったが、間を置くと少しバカらしくなりロールプレイを辞めて作業に戻る。


(今から新聞読んで要約の元本仕上げ。販売用の印刷はノア・タイムスの作業部屋で倍速モードで作り上げるでええよな。それ終わったら【見習い付与魔術師】育成に力注ぐ。今日はそんな感じで行こかな)


先の予定を脳内で簡単にまとめた俺は、本日の新聞を読み込み要約新聞の原稿を書き出していく。


(お、一面は引き続き【アースの町解放】関連やけど、サブに売店大混雑が載ってるのオモロいな。これも記事に加えてっと……。よし、完成!って)


作業を終え、原稿に釘付けだった視線を元に戻すと、いつの間にか作業を覗き込んでいたアマネと目が合った。


「うぉっ!?びっくりした!」

「きゃっ!す、すいません!?作業の邪魔にならないように気配消しちゃってました……」


「いや、邪魔ってわけじゃないけど……。それより俺を間近でじ〜と見てたのはなんでなん?」

「あはは……。実はソーイチさんにお願いしたい事があったんですが、集中して作業をされてたんで、終わるまで待ってようかなと」


「ああ、なるほど。俺に気遣ってくれてたんやな。ありがとう」

「いえ。こちらもソーイチさんを驚かせてしまい、すみませんでした」


確かに驚きはしたが、俺への配慮からきた行動だとわかったので礼を伝えたのだが、驚かせた事を気に病んでいるようだ。


「もう、謝るのなし!それより用件教えてくれへん」

「は、はい。ええっと要約新聞の件なのですが、昨日発行分を200部刷ってもらえませんか?」


「昨日の?……ああ、俺の記事の回ね」

「ええ。ノア・タイムスは整理券での引き換え待ちも込みで希望者に出回ってるのですが、要約新聞の方も欲しいと要望が出てるんですよ」


「元の新聞あれば十分やと思うんやけど、まだ欲しい人もおるんやな」

「単純に【大陸語】スキルを持ってない人もいますが、それ以上に全てのグッズが欲しいという、ファン心理でしょうね」

「なるほど。アニメの通常版・限定版の両方買うみたいな感じやな」


俺も好きな作品がお店毎の特典を全て買い集めていたので気持ちはわかる。


「そんな感じです。で、200部用意できますか?」

「バックナンバーの元本あるから、重版は可能。その分ポーションは請求するけど在庫あるん?」


「そう言われると思ってたので、ポーションはすでに準備済みです」

「さすが、アマネちゃん。仕事早いな」


初級MPポーションを仕舞いながら、準備の良さを褒める。


「事前準備はお願いする側のマナーですよ。私が優秀って訳じゃないです」

「謙虚やな〜。それより、要約新聞は【デュアルグローブ】使って印刷したいから、渡すのノア・タイムス開店後になるけどええか?」


「ええ。それに合わせて露店の開始時間調整します。というか一緒に行きます?」

「それなら完成と同時に渡せるし効率的やな。じゃあ今から行こか」


「え、開店1時間以上前ですよ?早くないですか?」

「よく考えたら客としては無理でも、【記者】として部屋使えるかもしれんしな。ダメもとでいこうや」

「一理ありますね。閉まってたら出待ちなり戻るなりすれば良いだけですし、早速向かいましょうか」


こうして俺とアマネはノア・タイムスへと転移したのだった。

次回は11月17日(月)午前6時に更新予定です。


ブックマークや評価・誤字報告していただきありがとうございます!!

今後とも本作をよろしくお願いします。

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