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ミックスジョブオンライン〜ラノベ作家はネタ集めの為賞金付きVRMMOに不遇職で挑む  作者: モトマル
4月2日①【ワールドクエストの告知と【瞑想】実験】

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156.椅子が流行る理由と戦略

『この椅子が流行る!?何その地獄……』


ユサタクの語る未来を思い浮かべ、シュールを超えた情景に頭が痛くなる。


『なかなかにシュールだろう?』

『シュールというか、ただただ異変な光景や』


『ははは。まあソーイチが座っているフルカスタムの椅子は一部の変人しか使わないかもしれないけどな』

『その変人発言は今座ってる俺に刺さるんやけど……。はぁ〜。で、フルカスタムって目隠し・耳栓・拘束バンドにポーションがぶ飲みくんの拷問4点セットの事やな』


サラッと変人扱いされた事にダメージを受けつつ、カスタム内容を再確認する。


『そうそう。休憩スキルの上昇やポーションを自動で流し込める装置。どれも便利なんだが、絶対必要って訳じゃない。コストも掛かるし、全部盛りのパーフェクト拷問椅子を使うのはプロゲーマーや賞金ハンター、配信者と精々全体の1割ぐらいに落ち着くだろうな』

『それでも3000人近くはアレ使うんか……。それで残りの9割はどうなる?心眼諦めるんか?』


『いや。おそらく移動だけを目的としたキャスター付きの椅子を使う事になるんじゃないか?』

『ホッ。悪趣味な拷問椅子は変態に、エンジョイ勢はノーマル椅子って棲み分け出来るなら、少しはマシな絵面になりそうや』


拷問椅子に拘束される一般プレイヤーが出ない事にホッと一安心。心が落ち着いたところで、移動できる椅子が流行る理由の考察に入る。


『それにしても、移動可能な椅子って【心眼(序)】習得するには必要不可欠やんな』

『ああ。まず《目を瞑って連続200回成功》って条件はフィールドで覚えるのは論外。となると町中での取得がメインになるよな』


『そうそう。で、MPは【メモ】とか【付与魔術】、後は生産系ジョブのアーツとバリエーションに富んでるけど、町中で使えるST系アーツって農作業しかないよな』

『正確にはもう1つあるけど、概ねその通りだな。そして農家系アーツの対象である地面は動かない』


『紙とか人がアーツの発動対象やったら協力者さえ居れば目隠し状態でもアーツ成功できるけど、地面は動かんもんな。そうなると自分ごと運ぶ必要ある=車輪付きの椅子が流行るって図式やな』


『今は農家プレイヤーも俺達の情報販売のおかげで増えているし、心眼の情報流したらあっという間に椅子ブームの到来になるだろう』

『ははっ、つまり俺らの頑張りのおかげで椅子が益々流行るって事やな』

『ああ、そういう事だ』


この一連の会話の中で『椅子』という単語が何度出てきただろうか。正直な話、流行する保証など全くないのだがお互い楽しくなってきてコールの応酬が全然止まらない。

そんな椅子トークに終止符を打ったのは、

『はっ!ゼロから「いつまで話してるんですか!」ってお怒りが』

『俺の方にもモチョやフワフワからコール連打が……』

報告待ちのメンバーからのお叱りであった。


『変なテンションで話しすぎたな。これ以上怒られないよう真面目にいこう』

『大人になっても叱られたくないもんな……。とりあえず性能をクランコールの方に投げるから、そっちは計測開始の準備しといて』

『オーケー。超特急で終わらせてくる』

こうして【心眼(序)】談義の舞台はユサタクとの個別コールから、【ユーザータクティクス】専用のクランコールへと舞台を移した。

ベイクドモチョチョ:もう!いつまでも戻ってこないと思ったら、こんな凄いスキルの情報独占しちゃって〜!

セキライ:酷いっすよ!全然返事がないから、俺達トラブルでもあったのかと超心配したんすよ!なのに椅子談義って……。

ユサタク:でも流行るだろ?

ゼロ:ええ。既にサポートチームにフルカスタムの椅子を6脚発注しました


ソーイチ:早っ!しかも6脚とか半端な数やし

ユサタク:数に理由でもあるのか?

ゼロ:農作業を【耕す】【種蒔き】【水撒き】の役割を一人ずつに割り当て目隠し状態での農具の持ち替えの手間を省く。それを2セット分ですね。


ユサタク:合図して持ち替えさせてって作業、地味に面倒だったもんな。ウチみたいな大地主クランなら、3人1組でのチーム構成はアリだな。

アマネ:あの〜。面白い案だと思うのですが、いい加減実験しましょ?農協の人も困惑してますし。


ソーイチ:あっ、すまん!また話し込んでもうたわ。

ゼロ:失礼しました。今言うタイミングではなかったですね

ユサタク:俺もすまない。話が横道に逸れてしまった。


雑談癖はクランコールでも直らない。急かすメンバー達に対して俺達は話題を切り上げ謝罪。そして改めて準備を進めていき、いよいよ発動の瞬間を迎える。


ユサタク:ゴホン、これより【心眼(序)】の発動実験を開始する。ソーイチはカウントゼロでアクティブ化してくれ。

ソーイチ:ああ。了解や。

アマネ:では、カウントいきます。

アマネ:3

アマネ:2

アマネ:1

アマネ:0


みんなが固唾を飲んで見守る中、アマネの合図と同時に【心眼(序)】をアクティブ化を発動。その直後、視界から煌びやかなサブスクなどのサブビジョンがパチンと消える。そして


ソーイチ:うわぁ!暗っ、近!!

俺が目にしたのは、灰色で少しぼんやりとしたユサタクのドアップであった。

書きダメ少し復活!

次回は11月7日(金)午前6時に更新予定です。


ブックマークや評価・誤字報告していただきありがとうございます!!

今後とも本作をよろしくお願いします。

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