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ミックスジョブオンライン〜ラノベ作家はネタ集めの為賞金付きVRMMOに不遇職で挑む  作者: モトマル
4月2日①【ワールドクエストの告知と【瞑想】実験】

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153.ゲームをしないプレイング

『MJOに興味ないって、そんな事ある?MJOの参加者って一部の招待枠以外じゃ、超々倍率での募集に勝ち取ったやる気モリモリの人だけの筈やろ?』

『そ、そうですね』

参加ハードルの高いゲームという事前知識から、寝太郎くんのようなプレイヤーがいるとは想像すらしていなかった。俺はその真意を知る為に質問を続けていく。


『プレイして嫌いになったなら理解できるけど、最初から興味なしなんやろ?』

『完全にゼロではないですよ。特に体感時間の延長は最高ですね!そのおかげで開始から映画50本は観ましたし』


『ああ〜。そっち目当てか。それならゲーム自体に関心薄いのも分かるわ。というか寝太郎の参加経緯がバレたら外野がめんどくさいし、あくまで俺の心の中に留めとくわ』

『あ、ありがとうございます』


1本2時間として、およそ100時間。MJOに興味がないと言いながら休憩系スキルが高い理由に納得できた。

そして彼のプレイスタイルが落選者達に広まれば、面倒な事態も考えられるので、答える時に躊躇したのだろう。


『ところで抽選に当たった場合、どんなメール来るん?俺の周りって招待枠ばっかやし興味あるんやけど』

『う〜ん。実はこのゲームに参加したきっかけって、福引きで特等を当てたから、なんでわからないです』

『福引き!?更にレアケースやん!というか何処でやってたん?」

『去年のTKゲームショーですね。で、スタンプラリーの報酬で手に入れた福引券でガラガラ回したら、虹色の球がポロって』

『マジか……。あのイベントでPRしてたらしいし、福引きの景品に入ってたんやな。というか特等って寝太郎くん、ラッキーボーイにも程があるやろ』


『ははは。でもイベントで当てちゃったので、雑誌に載っちゃって……。なので絶対に内密でお願いします!』

『オ、オーケー。流石に俺のせいで闇討ちや炎上の被害者出したくないし、絶対言わんと誓うよ』

『ありがとうございます』

思った以上に闇討ちの可能性は高いらしく、改めて他言無用の念を押された。


『ところでソーイチさんには本当に感謝してるんですよね』

『そういえば挨拶の時に言ってたな。俺なんかした?』

『まぁ、直接何かして貰った訳じゃないんです』

『今日が初対面やもんな。じゃあ感謝までのエピソード、聞かせてもらえる』

面白そうな話が聞けそうだとワクワクしながら、理由を尋ねる。


『個人的な話なんですけど、実はサービス開始の日に寝坊しちゃって、イン出来たのがゲーム時間で1日目の夜だったんですよ』

『あらら。それじゃあギルドも門も閉まってるし、なんも出来へんかったんとちゃうか?』


『そうなんです!それで少しはあったモチベーションもガタンと落ちちゃって……。で、不貞腐れながら掲示板を巡回してたら、僕見つけたんです』

『見つけた?』


『ええ。ソーイチさんが辿った依頼書作成でのランクアップのルートを。それを見てピカッと閃いたんです!』

『俺の攻略ルートで閃くって……。まさか』


『ええ。ソーイチさんが編み出した休憩スキル利用した町中でのレベリング。あれならサブスク漬けの引き篭もり&放置プレイでも、いい感じにゲームも遊べるじゃないかって。だから即キャラデリして、改めてメインを【見習い農家】に、サブを【見習い司書】のキャラで再スタートしたんです』


『プレイングの見本があるとはいえ、思い切りが良すぎやろ……』

大胆というか熱心でないからこそ出来る、割り切ったプレイングにある種の感動を覚える。


『これでダメだったらゲームで遊ぶ事を諦めてサブスク一本に絞るぞって、暴走した意気込みでしたけどね。でも選択がハマったおかげでサブスクと休憩スキルで回復させて、その分を依頼書作りや農作で消化する、今のサイクルが生まれたんですよ』


『放置回復&アーツぶっ放しって、今回の実験みたいな行動を延々と取ってたんやね。自分から進んで』

『さすがにソーイチさんみたいに拷問椅子は無しですけどね』

『ははは。そりゃそうか』

『そうですよ〜』

拷問椅子で話のオチが付き、互いに笑い合う。その後も雑談を続けていると、気がつけば取材開始から1時間以上も話し込んでいた。

『いや〜今日はええ話聞かせて貰ったわ。まさかサービス開始からの一番アツいタイミングで、プレイ時間の大半をサブスク視聴にぶち込んでるプレイヤーがいるとは思わんもん』

『でも、8倍も映画やマンガが見れるなら、誰でもやるでしょ?』


『ゲームで飽きたタイミングならわかるけどな……。まあ、これ以上は価値観の違いになるし終わりにしよ。休憩系トップって結果も出しとる訳やし』

『そうですね。僕は変わらず引き篭もり続けますよ』

こうして脇道というか休憩所系プレイヤーへの取材は終わった。


『ところで、今のペースなら休憩系のPPゲットは確定やし、ちょっとだけ賞金ゲット出来るかもしれへんな』

『あっ、ポイントは貰えないと思います』


『なんでや?休憩部門では多分ダントツやで?』

『いや〜。そろそろ大学の春休み終わりますし、友達と今晩ボーリング&ダーツバーでオールするんですよ。なのでリアル1日は二日酔いとかでゲーム出来ないと思います』

『マ、マジか……』


まさかの友人とのリアル飲み会!俺やユサタクの様なこのゲームに全てをかけてるプレイヤーには思いもつかない【まとも】な用事!

サブスク特化のゲームスタイルや現役大学生の徹夜飲み会といい、俺とは対照的な若さ溢れるオーラに慄くのであった。

次回は11月4日(火)午前6時に更新予定です。


ブックマークや評価・誤字報告していただきありがとうございます!!

今後とも本作をよろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
共感しかないわぁ( *¯ ω¯*)……いやせっかくのフルダイブMMOだからちょっとはゲーム自体もしたいけど時間加速でラノベとかアニメとかゆっくり堪能したいなぁ、、、本当にそういう意味では現実に出来んか…
リア充とはいかなくとも現実生活を大事にする大学生の鑑か此奴w
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