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15.農作業と検証

10分ほど歩き、南の農業地区に到着した。そこには沢山の木の札が地面に立っており、土地引換チケットを使うようだ。


「当たり前やけどガラガラで選び放題やな。まずは入り口から1番近いとこでチケット使うか」

入り口から1番近くの【南地区1−1と1−2】を選び引換チケットを使用する。


(さて、どんなんかな?一面に広がった小麦畑とかをみながら酒とか飲んでみたいな)

未来の情景を夢みながら光る木の札を眺めるとやがて木の小屋と小さな畑が現れた。


「え・・・。小さくない?小屋はまあええ感じやけど畑めっちゃ細長いやん。これで2,000ゴールド?というか逆になんで小屋が500ゴールドやねん」


入り口近くに木の小屋が建ち、その側面には細い長方形状の土の道が2本分あるだけであった。大体1本あたりの面積は幼稚園などで行われるさつまいも掘りの畝1列分くらいに見えた。小屋と農地の説明を見ると・・・


【ソーイチの農地 南地区1−1】 ソーイチ所有の農地、種を10粒まで植えることが可能。

【ソーイチの小屋 小】 ソーイチ所有の農地に備え付けられた小屋。中にはベッドしかない。設定によりベッドは本人以外も使用可能。


「農地はそのままの説明やな。考えてみたら種10粒までやもんな〜。そら畝1列分にしかならんか。

小屋は純粋に寝るか休憩用ってところかな。本人以外使用可能ってのはなんでやろ?フレンドと部屋飲みした時にでも使えばええんかな?

何にせよ畑増やさな貧相すぎるし早速ユサタクにおねだりするかな?」


情報料を貰うため早速ユサタクへコールを送る。

『今ええか?』

『どうした?休憩中やから10分くらいなら大丈夫だけど』


『いや、土地と小屋買ったから早速座標を送ろうと思ってな』

『おお、初日にしてソーイチも一国一城の主だな』

『いや、聞いてくれ。2地区分の畑買ったんやがちっちゃい畝2本分しかならんくてな』


『マジか!?』

『大マジや。でも考えてみたら1地区に種10粒しか撒けへんしそりゃ芋掘りの畝1本分くらいになるわな〜』

『イメージは出来た。まあ、そこから土地増やせばいいじゃないか』

『おう、だから早く情報料プリーズ。全部畑にするから』


『それはいいが、情報収集やってくれたか?』

『想定外のプレイヤー数での食料事情の件やな。農業ギルドで聞いてみたけど向こうも思い付いてたみたいやけど、初日やし何するかは決まってないらしい。今日の全ギルドが閉まったら会議するとは言ってたで』


『なるほどね〜。じゃあまた探っておいてくれ。情報料弾むから』

『まかしとき。って、そろそろ10分やな。座標言うからメモしときや』


『【メモ】持ってねえよ。覚えるから言ってくれ』

『そりゃそうか。じゃあ言うで。南地区の1−1や、まあ南の入り口1番近くやからすぐ見つかるやろ』


『南か・・・。ちょい遠いな』

『ダントツで安かったしな。司書ギルドも近いし俺的にはベストやわ』


『そういえばそうだな。じゃあ1時間後くらいに【見習い料理人】の子に行かせるからちゃんと仲良くしろよ』

『小学生かい!まあ、大丈夫やろ』


『じゃあ、そろそろ狩りの再開やから行くぞ』

『狩ってら〜』

狩りに戻るユサタクを雑に見送りコールを終える。


「しばらく時間あるし早速耕すかな?」

暇つぶしも兼ね、初めての農作業を開始する。


「まずは【見習い万能農具】。鍬、ジョウロ、鎌になるんやったな。まずは鍬で耕すか」

道具説明通りに念じると棒状から鍬へと変形した。


「で、これで耕すんやっけ?持ったまま【見習い農家】のアーツ使うか手動かでやればええんかな?」

開始前にネットで見た内容を思い出しながらアーツを使用する。すると


ー南地区1−1に対して鍬のアーツを使用されますか?ー

そのシステムの問いに、YESと答えると農具が光り次の瞬間、耕された畝が1本完成していた。


「いやいや、コピーもそうやったけどあっけなさすぎひん?STも5しか減ってへんしなんかイメージしてたんとちゃうんですけど〜」

あまりの簡単さに愕然としつつも引き続き、種まきと水まきをアーツを使用して1地区分終わらせる。


「1地区で1分かからんとか・・・。これメインジョブが農家の人ってどんだけの土地もたなあかんねやろ?っとそれより経験値はどうなってるやろ?」


ステータスを開けて確認すると、キャラレベルがLv2(202→232/500)、【見習い農家】Lv1(0→36/50) ST(46→31/46) と変化していた


(確かサブジョブの経験値補正が1.2倍やったな、全作業同じっぽいし、2分で15STで30EXP、収穫込みで20ST→40EXPってとこかな。もう1面あるし今度は手動で耕してみるか)


作業のデータをみながらアーツでの効率を計算し、残った1面を時間効率の検証のために手作業で進めていく。途中【見習い農家】がレベル2に上がりもしたが15分もしないうちに終了した。


「ちょっと疲れたけどそれでも1地区あたり15分弱か・・・。

手動でも経験値は一緒やがこれは1地区の作業あたりの経験値計算になっとるんかな?

1地区あたりの収益はまあまあやけど序盤はやること無さすぎちゃうか?お小遣い稼ぎ専用に運営が用意したジョブなんかな?」


2面を30分以内に全て終わらせた俺はメタ的に考察を進めていた。

その時後ろから、可愛らしい声が聞こえてきた。


「ソーイチさんですね!ユーザータクティクスからきました!」


tips

女神像

教会に飾られており、スキル入れ替えの際にお祈りする像であるが、元は先の大戦の終わり間近に民達のために渡り人をMJOの世界に呼び寄せることを告げた女神。主にスキルとジョブを担っている。


感想や誤字・設定のご指摘ありがとうございます。

どちらも執筆の励みになるので助かります。


ブックマークや評価していただきありがとうございます!!

今後とも本作をよろしくお願いします。

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[気になる点] モトマルの農地のモトマルって町の名前ですか? [一言] 応援してます。完結まで頑張ってください。
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