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ミックスジョブオンライン〜ラノベ作家はネタ集めの為賞金付きVRMMOに不遇職で挑む  作者: モトマル
4月2日①【ワールドクエストの告知と【瞑想】実験】

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147.畑作業とアナウンスの謎

「とりあえずジュース飲んでから、畑仕事と洒落込むかね……って、あれ?」

「よう、ソーイチ。戻って来たか」


農地に到着すると、すぐにクラン倉庫にパンパンに詰まったジュースを取り出し一気飲み。その勢いのまま農作業を始めようと向かった俺に、脇道で座っていたユサタクが話しかけてきた。


「ああ、ただいま。この時間にこっち居るの珍しいな。てっきりフィールドで地獄のレベル上げでもしてると思ったのに」

「今は休憩中。張り切りすぎて体力もSTもガス欠って感じだ」

「へぇ〜。お疲れ様なんやね」


「というか俺の事はいいんだよ。それよりプロスから聞いたぞ。無茶振りでいきなり記事書かされたんだって?」

「耳が早い奴やな。確かにぶっつけ本番で、取材から印刷までの全工程やらされたわ」

「それは災難だったな。で、どうだった?」

好奇心に満ちたウキウキ顔で、詳細を尋ねてくる。


「意外と楽しかったで。取材受ける経験はあっても、聞く側は初めてやったしな。ええネタゲットした感じやわ」

「確かに俺やソーイチは取材受ける事はよくあるけど、その逆はないもんな。で、その楽しんで書いた記事、いつ読めるんだ?」


「う〜ん。多分明日の新聞に載ると思うけど」

「本当にすぐなんだな。今から読むのが楽しみだよ。……ところで今の情報は掲示板にあげていいか?」

何か大切な事を思い出したのか、神妙そうな顔で外部への発表の許可を取りにきた。


「別にかまへんけど、その情報をわざわざ流す必要あるか?」

「あのなぁ、自分の人気がわかってないのか?お前が初めて書いた記事とか、ファンは全員読みたいに決まってるだろ。それなのに告知なしとか、後で知れたら……。想像しただけで寒気がしてくる」


「ええ……。今まで要約新聞とか出してたし、初って感じちゃうやろ?それに住民向けの記事やから【大陸語】ないと読めんし、教えても意味ないんとちゃうか?」

「確かにソーイチが言う事も一理ある。だがファン心理はそんな理屈で測れるものじゃないんだよ!皆お前の記事を読みたいし手に入れたいんだよ。というか一刻も早く掲示板にあげないと、ノア・タイムスは閉まって定期購読の契約も出来なくなる。そうなると明日の新聞直売所周りは、彷徨うファン共で溢れかえるぞ」


「えぇ……。ノア・タイムスのみんなに迷惑かけるのもあかんし、すぐに掲示板に書いちゃってくれ」

「おう。すぐに書き上げる」


俺のファンがまるでゾンビにでも変貌するかの様な表現に顔が引き攣るが、ユサタクの話に納得出来たので掲載の許可を出す。

ユサタクはその言葉が耳に入ると同時に目を閉じて、掲示板へと情報の投下を行った。

「お待たせ。終わったぞ」

「いや、畑仕事やってたから大丈夫や。それよりえらい長かったな」

「予想以上にみんなの反響が凄くてな。とりあえず落ち着くまで面倒見てたんだ」

一仕事終えたユサタクは汗を拭う仕草をした後、疲れた様に詳細を語る。


「あちゃ〜。事前予想超えてた感じか」

「文字通り、阿鼻叫喚って感じだな。レスが300くらい一瞬流れたし。で、ようやく落ち着いた頃に一つの気になるレスが出たんだ」

「うん?なんや」

何やら興味深いレスだったのか、少し真剣味が増した声で話し始める。


「今回の記事作りって確実にMJO初の行動だろ?それなのにワールドアナウンスが流れないのって、変じゃないかって疑問があがったんだ」

「う〜ん。言われてみれば確かにその通りやな。なんで流れんかったんやろ?」


「ワールドアナウンス君が通知をしてくれてたら、俺がファン達の濁流を止めるダムみたいな仕事しなくてすんだのにな」

「あの〜、さっきから人のファンをゾンビやら災害みたいな扱いすんのやめてくれへん?どんな姿でも可愛いファンなんや」


アナウンス事情は興味深いが、流石に扱いが酷いとツッコミを入れる。


「すまんすまん、ファン達に激しい勢いを調整するのが大変でついな」

「そっか。任せっきりやったしな。こっちこそ悪かった」


「気にするな。それより話は戻るが、アナウンスについては掲示板でも色々な議論が起きてな。その中でプロスが提唱した、『実際に新聞の配達が終わった後に改めてアナウンスが流れるんじゃないか』って説が最有力だったな」

「プロスも掲示板参加してたんや……。って、配達後?」


思わぬ参加者に驚きつつ、彼女の出した説の詳細について尋ねる。


「ほら聞いた事ないか?既に紙面が粗方決定してたとしても、それまでに大事件が発生した時に大急ぎで記事の差し替えがあるって話」

「あぁ〜。確かにどデカいニュース起きたら、記事の差し替え戦争があるって漫画とかで見たことあるわ。じゃあ実際に配達されるまで、アナウンスはお預けって訳?」


「まあ、プロス説が正しかった場合の話だがな」

「いや、多分それ正解やろ?……あれ?ふと気になったんやけど、配達時に俺がログアウトしてたら、それでもアナウンスって流れるんかね?」


『アナウンス流れない問題』について納得した直後に、次は『不在時アナウンス流れるのか問題』が湧き出てくる。


「う〜ん。【100時間系】の称号のアナウンスは、ログインしてないプレイヤーがいても流れたが、アレは1つの条件に対して複数人が達成してたからなぁ。個人の功績で流れる今回のケースとは話が違うし……」

「そうか。じゃあ考えても仕方ないな。どうせ明日のログイン予定って新聞配達終わった後やし、明日インした時には結果でるやろ」


「確かにその通りだな。今考えても答え出ないし、結果は明日のお楽しみか。その為にも明日のログイン直後の通知は聞き逃さないでくれ」

「オッケー。そっちも不在中のアナウンス流れへんかチェックしといて」

「ああ、任せてくれ。……さて、雑談はこれくらいにして畑仕事に戻るか」

「あ、俺も付き合うわ」


ワールドアナウンスの謎についてはここまで。続きは明日に丸投げをして、俺達は畑仕事に戻ったのであった。


なろうチアーズプログラム開催を記念して、次回は少し早めの10月28日(火)19時頃に更新予定です。


ブックマークや評価・誤字報告していただきありがとうございます!!

今後とも本作をよろしくお願いします。

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