146.依頼達成と新米装備
この度3点リーダーの使い方を覚えました。
今までの投稿分は時間をかけて順次訂正していきますので、しばらくは混ざった状態でご勘弁くださいませ。
「おっしゃああああ!終わりや!!」
「うるさっ!」
「ごめんごめん、解放感から叫んでもうたわ」
「まあ鬼気迫る作業風景だったし、ソーイチも叫ぶくらいはするか」
「そうそう。もう水分でパンパンになったお腹でのギリギリの戦いやったからな。でもポーションがぶ飲みした甲斐はあったわ」
「とりあえずおめでとう。今からズレが出てないか見るからちょっと待ってて」
印刷ズレがないかパラパラと捲っているコビーを横目に、俺はステータスを開き、朝からどれくらい成長したのかを確認する。
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経験値
ソーイチ L v:12(25,782/29,500EXP)
ジョブ メイン 司書Lv4→5(6,612/7,800EXP)
見習い晴耕雨読Lv9 (8,002/9,000EXP)
見習い記者Lv6→7(4,493/5,000EXP)
農家Lv4(6,178/6,400EXP)
スキル
大陸語Lv4→5
メモLv9→10(MAX)
収穫Lv2→3
(new)スキャンLv1→2
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とりあえずログインから今までの行動に関連したジョブとスキルをリストアップ。今回はスキルは4つ、ジョブは2つレベルが上がっていた。そして、
(【見習い晴耕雨読】もうちょいで上限やな。いつの間にかSTが全回復してるし、戻ったら追い込みかけるか)
と、早くも次の予定を組み立てる。
「はい、ズレ無くしっかりと印刷出来てたよ」
「おお、ミスってなくてよかったぁ〜。もう支給ポーションも全部飲みきったしこれ以上は無理やったもん」
「だね。それより依頼達成の手続きするから、いつまでも横に座ってないで対面に移動してよ」
「あいよ」
俺は言われるがままに対面に座ると、コビーは少し背筋を伸ばしながらいつもより丁寧な口調で話し始めた。
「それではソーイチさん、【冒険者ギルド受付への取材】【新聞記事の作成】【新聞の印刷業務】の以上3つの依頼達成を確認しました。報酬は合計で2,000ゴールドと550AGP、400CGPになります。ポイントを付与しますので、ギルドカードをこちらに出してください」
「は、はい。お願いします」
「ありがとうございます。それでは少々お待ちください」
お堅い口調になったコビーに違和感を覚えつつもカードを渡す。コビーは受け取り後、魔道具で何かの作業をした後、再びこちらを向く。
「お待たせしました。ポイントの付与が完了しましたので、ギルドカードと報奨金をお渡しします」
「ああ。確かに頂戴したで。ありがとうな」
「どういたしまして。それでは、またのご依頼をお待ちしております……。ふぅ、受付モード終わり!」
「おおう、急に口調戻るな。受付の人らは全員そのモードチェンジ覚えてるんか?」
コビーといい、取材時のフレンといい、仕事とプライベートの切り替えの差の大きさに、ついつい問いかけてしまう。
「うん。一応そういった研修受けてるからね。マニュアル通りの対応しないと、怒ったり変に勘違いする冒険者がいるしね」
「勘違い?って、ああ。『もしかして俺に惚れてる』的な?」
「そうそう。ぼくは地味だしそんな心配ないと思うんだけど、一人が崩すと意味ないからね〜」
「なるほど。受付さんも大変なんやな」
思い返せば窓口の人たちは顔が整ってる人が多かったし、そういう苦労もあるのだろう。
「あ、そういえば報酬とは別に渡さないといけないのがあるんだ」
「うん?なんや、サプライズプレゼントでもあるんか?」
「まあ似たような物だね」
そう言ってコビーは机の上に少し膨らんだ麻袋を置く。
「これがプレゼント?何か入ってるっぽいけど」
「まあ、とりあえず開けてみてよ」
「どれどれ〜ってこれ、帽子と腕章か?これってもしかして……」
「そう。ノア・タイムスの制服というか、トレードマーク的なやつ。腕章にノア・タイムスって書いてるでしょ」
「確かに書いてるな。それに帽子は新聞記者って感じのハンチング帽やし。で、このタイミングでのプレゼントってことは、俺を正式な記者の一員と認めてくれたって考えてええんかな?」
「正解。これは取材・記事作成・印刷の主要3つの依頼をクリアした新人さんに対して、今日から一人前だ、これからもよろしくねって感じのプレゼントなんだ」
「なるほど。ちょっと着てみるかね」
俺は帽子と腕章を身につけながら、ついでに装備効果を確認する
新米記者のハンチング帽:DEF 1
新米記者の腕章:DEF 1
セット効果:同時に装備した時、【記者】系スキルの熟練度上昇(微)
(セット効果とかあるんやね。見た目も記者っぽいし納得の効果やけど、【記者】系ってどんなスキルなんや?)
装備効果に少し首を傾げながらも、まずはくるりと1回転し、コビーに記者姿をアピールする。
「ドヤ?早速着たけど似合う?」
「うん、いいね。立派なかけ出し記者だよ」
「そかそか。で、ちなみに装備効果見たんやけど、【記者】系スキルの熟練度アップって、具体的にどのスキルに効果あるん?」
「そうだね……。言語系スキルや【メモ】【スキャン】とかの日々の業務で使うスキルだね。後は【記者】系ジョブのレベルアップで覚えるスキルも適用されるよ」
「ああ。【インタビュー】とかか」
「そうそう。まあ具体的に気になるんだったら、図書館に【記者系】の本も置いてるし、読んでみるといいよ」
「へぇ。じゃあ次に読む本リストに入れとくわ」
「うん、それがいいと思うよ。ところでソーイチ、まだここが閉まるまで2時間弱あるけど、追加の依頼はやっていくかい?」
修羅場状態からの脱却のためか、追加の仕事を割り振ろうとするコビー。だが事前に次の予定を決めていた俺は、
「いや、STが満タンになってるし日が暮れるまでは畑仕事に移るわ」
と、予定があるとアピールをした。
「そっか〜。座り仕事ってすぐSTパンパンになるもんね」
「うんうん。仕事バリバリこなしてんのに、【待機】や【休憩】稼働しまくりやもん。休憩ってなんなんやろな?って、これ以上回復させても無駄やしもう行くわ」
「了解。仕事はたっぷりあるし、気分が乗ったら依頼受けにきてよ」
「ああ、近いうちに寄らせてもらうわ」
そう言って別れの挨拶を交わした後、俺は自分の農地へと転移した。
次回は10月25日(土)午前6時に更新予定です。
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