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ミックスジョブオンライン〜ラノベ作家はネタ集めの為賞金付きVRMMOに不遇職で挑む  作者: モトマル
4月2日①【ワールドクエストの告知と【瞑想】実験】

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142.記者のお仕事と無茶振り

「この紙束は・・・依頼書と仕様書か?」

俺は差し出された紙束を一通り見て、ルーカスに問いかける。


「その通り!ここにある3種の依頼こそが、記者の根幹をなす取材・記事作成・雑務の仕事内容なんだ。わかりやすいだろう?」

「確かに口頭での説明よりは、依頼書見ながらの方がイメージしやすそうやな」


「だろう?じゃあ順番に説明していくから、まずは1番上の依頼書を見てくれ」

俺とプロスは言われた順番で、依頼書に目を通していく。


===================================

【冒険者ギルド受付への取材】

冒険者ギルドの受付フレンへ取材を行い、聞き取りした内容の報告する。


予定日時:本日の16時から約1時間

場所:冒険者ギルドの第3会議室

必要技能:【大陸語】【メモ】

推奨技能:なし

【報酬】500ゴールド 300AGP 200CGP

===================================


「1枚目は取材の依頼書か。お金は少ないけど、1時間で終わる割にはポイント多いな!」

「この依頼書は特別。なぜなら約束の時間まで1時間切っているからね!」


「うわ!ほんまや・・・って、取材の時間と場所もしっかり明記してるんやな」

「そりゃアポも取らずにやって突撃取材とか、相手に対して無礼すぎるからね。よっぽどの理由がない限りは時間を決めて来訪するよ」


「なるほどなぁ。で、本来なら報酬おいくらなん?」

「ゴールドは据え置きで、ポイントは両方半分ってところかな」


「まあ、それなら妥当な報酬か?それにしても取材開始ギリギリやな。間に合うんか?」

「別の記者さんが現地に行ってるんじゃないですか?」


「そりゃそうか。それよりセットで付いてた仕様書見やすいな。どの順番で取材進めたら良いか、めっちゃわかりやすいやん」

「そりゃ仕様書こそ我々ノア・タイムスが長年積み重ねてきた経験の証だからね〜。って自慢話は置いといて、次は記事作成の依頼書だよ」


長めの自慢話が来るのか身構えていたが、ルーカスはさっと話を切り上げる。俺はその事に安堵しつつ、2枚目の依頼書を広げた。


===================================

【新聞記事の作成】

取材の内容をまとめ上げ、明日のノア・タイムスの紙面に掲載する記事を作成する。


必要技能:【大陸語】【メモ】

推奨技能:【スキャンLv3】

【報酬】1000ゴールド 150AGP 100CGP

【期限】本日の19時まで

===================================


「次は記事の作成依頼か。取材とセットの依頼じゃないってことは、取材メモだけ見て作るっぽいな。そうなると、記事作るには作成者の腕が試されそうや」


「うん、一応手順書にはメモ欄も設けているから、そこに書かれたものを参考に記事を作る事は出来るね。でも紙面のサイズや取材した者が個性的だと、取材結果もオリジナリティ溢れてて、記事作成の難易度も変わってくるんだよ」


「こっちの世界でもワイドショーに出てくるような名物記者とか、みんな癖が強いですからね。そういう人が書く取材メモって癖強そうです」

「ああ、土日のワイドショーとかでよく見る人らやな」

プロスの例えに、テレビでよく見る人達を思い浮かべる。


「そちらの世界にも似たような人がいるんだね、興味深いよ」

「うちらの世界のお話は置いといて、依頼書に書いてる推奨技能の【スキャン】レベル3ってなんなん?記事作成に【スキャン】って関係ないやろ?」


「大有りだよ!スキャンレベル3になると、画像記憶のアーツを覚えるからね。魔道具で撮った写真貼り付けとかに便利なんだ」

「画像記憶?元からスキャンは画像も記録出来たと思うけど・・・?」


「いやいや!?レベル1の【スキャン】で読み取れるのは文字だけだよ。しかも【コピー】系に転用した場合は全ての文字色が黒になるんだよ」

「えぇ!?・・・ホンマや、スキル説明には読み取るのは文字ってしっかり書かれてるわ」


スキル名の響きから、勝手に絵や写真などの画像も反映されると思い込んでいた。だが説明文をよく見ると、文字色関連の記載はなかったが、読み取るのは文字だけだとしっかりと書かれていた。俺は思い込みによって、如何に自分の目が曇っていたのか呆然とする。


「思い込みって怖いな〜。って、文字のみ読み取りに黒一色か・・・。それって」

「ソーイチさん、なにか思いつきましたか?」

「い、いや、気にせんといて。それより【スキャン】については把握したし、続きお願い」

「それなら良いですけど・・・」


プロスにはこう言ったが、この仕様で出来そうな案が幾つか思いついていた。ただプロスはクランメンバーではないので、何でもない風を装いルーカスに次の説明を促した。


「ソーイチ君の思いつきには興味津々だけど、時間もないし次に行こうか」

「オッケー」


===================================

【新聞の印刷業務】

指定された記事の複製を300部作成する

※【初級MPポーション】10本支給


必要技能:【スキャン】

推奨技能:【スキャンLv3以上】

【報酬】500ゴールド 100AGP 100CGP 支給されたポーションの余り

【期限】本日の21時まで

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「これが雑務の依頼書だね。今回ソーイチに対して【メモ】を上限まで上げて欲しいとお願いしたのは、この依頼の為なんだよ」

「ああ、自分以外の記事を印刷する場合、【スキャン】ないと手書きで写す作業が必要になるもんなぁ。ところでゴールドこそ激安やけど、刷る枚数の割には、AGPとCGP結構貰えるんやね」


「ソーイチさんが最初に受注した依頼書作成の特別依頼と比べても美味しいですね。しかも300部だと、自腹で必要なMPが160程なので、残MP次第では一瞬で終わりますよ」

「確かにお得かもしれないね。でも、考えてみてごらんよ。この依頼って【メモ】の上位スキルを使うんだよ?これでも安いくらいだと思わないか?」

「なるほど、言われてみればその通りやな」


ポイント関連の疑問は、ルーカスの説明を聞き納得できた。その後は細かい質疑応答を行う事10分、俺は無事に【見習い記者】のお仕事の全容を知る事が出来た。

「今日は色々と説明ありがとう。そっちも忙しそうやし、これで失礼するわ」

「ちょっと待ちたまえ」

「うん?どないしたん?」


「ここまで取材・記事作成・雑務の3種類の依頼書を見てもらった訳なんだけど、ソーイチ君」

「うん?どないしたん?」


聞くべき事が全部聞けたので、帰ろうかなと思っていたのだが、ルーカスに呼び止められ、意味ありげに名前を呼ばれる。俺は少しだけ怪しんでいると、


「今見てもらった依頼、3つとも受けちゃおっか」

「ええ!?」

と、急にルーカスが無茶振りをかましてきたのだった。


次回は9月27日(土)午前6時に更新予定です。


ブックマークや評価・誤字報告していただきありがとうございます!!

今後とも本作をよろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
まぁ、取材と作成は同じ人間にやらせた方が効率は良いよね。
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