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127.新称号の確認と検証

「ソーイチさん、やりましたね!」

「ありがとう!思いつき半分で始めたシンボル探索やけど、アナウンスの濁流聞くだけでマジで報われたって気分やわ」

「ふふ。おめでとう」

「ソーイチさん、今回で賞金レースの不動の1位になったんじゃないですか?」


「はっはっは、確かに現時点ではそうかもしれへんな!って、俺ばっかり褒めてるけど、今回のMVPは【オモイカネ】やろ。プロスのひらめきや出現ポイントのデータがなかったら今日中にはまず無理やったわ。本当にありがとう!」


シンボルの解放と称号の獲得を告げるワールドアナウンスが鳴り響く。その知らせを確認したモチョ達は、各々の言葉で祝福してくれた。

俺は鼻高々にそれに応じた後、改めて探索MVPの2人に感謝を伝える。


「プロスさんの閃きも凄いんですが、私は黒百合さんもサイコーだと思います!だって戦闘が苦手な私達を抱え込んでもスムーズに戦えたからこそ、時間に余裕が出来たんですから!」

「せやな。今がリミット5分前やし、2人の護衛力が少しでも低かったら、タイムオーバーになってたしな。改めて二人ともありがとうな!」


「も、もぅ〜。そんなに煽てないで下さいよ〜」

「ええ。私の場合は護衛役としての当然の責務だもの。褒めちぎるなら例の秘策を思いついたプロスだけにして頂戴」

「うえぇ!?黒百合ちゃん、裏切らないでしょ!?」


「ははは。大活躍してもプロスは変わらんな〜」

「ふふ。そうですね」

活躍を讃えても最終的にはオロオロと狼狽えるプロスを見て、みんなから笑みが漏れる。


「そ、そうだ!閉門時間も迫ってますよ!早く帰らなきゃですよ」

「ふふ、確かにそうね。大丈夫とは思うけど、アナウンスを聞いて野次馬が来る可能性もゼロじゃないし、さっさと帰りましょうか」


「せやな。でも帰る前に解放だけしたら?俺も泉の聖水集めたいし」

「確かにそうですね!それじゃあ解放してきます!」


みんなはシンボルに集まり解放に勤しみ、俺は泉にて天然物の【聖水】を採集する。


「では、シンボル解放〜ってええ!?」

「ん?もしかして解放出来んかった?」

意気揚々とシンボル解放しようとしたモチョが、急に大きな声で驚く。それに驚いた俺は声を掛けると、

「解放は出来たのですが、その時【シンボル解放者】って称号を貰ったみたいで」

と、予想外の返答が返ってきた。


「モチョさんもですか?私も称号貰いましたよ」

「マジで?」

「ええ、私も手に入れたわ。どうやら初の〜って称号は解放したソーイチさん専用みたいだけど、通常の【シンボル解放者】は全員が取得できるみたいね」

「全員取得って珍しいな。もしかして【名誉国民】以来か?」


「かもしれないですね。一応【シンボル解放者】も初出なのにアナウンス無しですし、全員配布濃厚ですね」

「なるほどなぁ」

「それより今回ゲットした称号の効果、みんなで見比べましょうよ」

「ちょい待ち。確認したい気持ちはわかるけど、まずは町に戻りましょう」


「タイムリミット寸前ですしね」

「ここまで来て締め出しからの野宿は嫌やしな。さぁ、まっすぐ帰るで」

手に入れた称号の効果は気になるが閉門まで後少しだ。俺達はまずホームへと転移、そしてすぐに互いの称号を見せ合い、紙に書き出した。


=====================================

【泉の解放者】

称号セット時、【ノアの泉】へ転移ができる。

※取得時、全ステータス1ポイント獲得


【初のシンボル解放者】

称号セット時に2箇所のシンボルに転移ができる

【】【】

※取得時、全ステータス2ポイント獲得


【シンボル解放者】

称号セット時に1箇所のシンボルに転移ができる

【】

※取得時、全ステータス1ポイント獲得

========================


「予想通り【シンボル解放者】は、ソーイチさんの【初のシンボル解放者】の劣化版でしたね」

「獲得ポイントも半分だったしね〜。でもそれ以上に・・・」


「シンボル解放系の称号効果ヤバすぎ!転移クリスタルの上限が5つまでやのに、称号の付け替えで更に転移場所が増えるって・・・。これもしかしなくても、シンボル解放合戦になるんとちゃうか?」

「ええ。シンボル付近がセーフティエリアだとしたら、称号の入れ替えも出来るわよね。つまり新しいフィールドシンボルを先駆けて解放するたびに、ライバルとの差が広がるでしょうね」


「ですね〜って、しまったぁ〜!称号の付け替えできるかチェックするの忘れてました〜!」

「あ、確かに!」

「ま、まぁ済んだことを嘆くのはやめましょうよ。セーフティエリアのチェックなんて、明日朝イチで転移で確認すれば済む話ですし」


「そうそう。それにシンボル解放の価値が上がるって事はプロス達の価値も上がるし、まず喜んだらええやん」

「え?私達の価値が上がる?どういう事ですか?」


「プロス、あなた気づいてないの?シンボル探しで

何が一番大事なのか、今日の探索でそれをひらめいたのはあなたでしょう」

「あぁ!魔物の出現ポイントのデータですか!」


「そうそう。今回は図書館の本である程度の場所は絞れてた。でも今後は手探りで探さなあかんやろ?その時役に立つのは【オモイカネ】自慢のデータってわけや」


「な、なるほど。要するにモテ期到来ってわけですね!」

「それはちょっと違うやろ!?」


プロスの謎の言語センスにツッコミを入れながらも、内心似たようなもんかと苦笑いする。

こうして称号談義や本日の冒険で得た情報を互いに共有しつつ談笑を続けていると、近くで転移特有の光の粒子が浮かび、

「お、もう帰ってたのか。みんなおめでとう!」

我らがリーダーのユサタクが現れたのであった。



次回は5月24日(土)午前6時に更新予定です。


ブックマークや評価・誤字報告していただきありがとうございます!!

今後とも本作をよろしくお願いします。

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