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ミックスジョブオンライン〜ラノベ作家はネタ集めの為賞金付きVRMMOに不遇職で挑む  作者: モトマル
サービス開始③【初めての冒険と1日目終了】

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114.情報共有と冒険の予定

「相談から新システムの提案まで色々と世話になったな。今日は本当にありがとう!」

「気にせんといて。この2日間お世話になったお礼や」

ペーターからの礼に照れながらもお互い様だと返す。


「そう言ってくれると助かる。それよりこれからどうするんだ?」

「向こうの方でやってる、大収穫依頼を手伝いながら、時間が来たら泉にあるシンボル探しやな」

「泉のシンボルか。それなら少しヒントを出そうか?」

「マジで!?それは助かるわ」

思わぬところで今日の冒険のヒントが得られそうになり、思わず大きめの声が出てしまう。


「ああ。だが具体的な場所は言わないぞ」

「たしか自分で探すのがルールやっけ?でもヒントだけでもめちゃくちゃ助かるわ」


「その気概があるなら大丈夫だな。で、ヒントだが、シンボルは見つかりづらくする為に、町とは逆側にある。また水辺に近いせいか何度掃除しても草や苔で覆われてしまうんだ」

「つまり、より注意して探さなあかんって事やな」


「ああ。そこにさえ気をつければ多少の時間はかかるかもしれんが見つかるだろうな」

「そりゃ良かった!捜索範囲半分になった上、注意するとこも教えてくれてホンマにありがとう!」

「どういたしまして。あ、そうだ!泉の水は農作業で使えるから前もって容器を用意するのがオススメだぞ」


「泉の水って天然ものの聖水やったっけ?使い道多いし入れ物は雑貨屋とかに買いに行くわ」

「まあ登録すれば転移でひとっ飛びだし、瓶だけで身動きできないくらい買い込むんじゃないぞ」


「りょーかい!じゃあ、為になる話も聞けたことやし、これで失礼するわ」

「ああ。収穫に冒険、両方とも頑張れよ〜」

ペーターからの激励に手を振って応えた後、俺は仲間がいる大収穫の依頼場所へと足を向けた。

「お疲れ。管理人と話し込んでたみたいだが何かあったのか?」

「ああ、実はペーターから講習についてのお悩み相談受けてな・・・」


依頼場所に到着した俺に、労いの言葉を寄せつつ探りを入れるユサタクに、先程まで相談していた件について話す。悩み自体はフムフム顔で聞いていたが、そこから新システムの話や予行演習に移っていくと、感心と好奇心が混じり合ったように目が光っていった。


「1日の講習の上限人数の把握やオプションの提案、さらに予行演習という名の先取りの提案だと!?昨日ミーティングで話した件をたった数時間でここまで進めるとは驚きだよ」

「ふっふっふ。仮にも農家系のパイオニアにして、現状好感度最高(仮)の俺やで。それくらい朝飯前よ!」

ユサタクの賞賛の言葉に鼻をグングン伸ばし胸を張る。


「それにしてもオプションか。正直プレイヤーの殆どが活用するだろうし事実上の値上げだな」

「せやな。気まぐれでやってた行動の価値を再確認しただけなんやが、今まで替え玉無料やった店が100円になったみたいな寂しさはあるかも」


「ははは。ファミレスで粉チーズが有料になったりな」

「そうそう!」

オプションの話をしていたつもりが、いつの間にか値上げあるあるになり話が横道にズレる。


「っと話が脱線したな。オプション云々の話はわかったが、予行演習の知らせってソーイチに来るのか?」

「そうちゃう?」

「いや、今日のログアウトで就寝するんだろ?窓口いなくなるじゃないか」

「ああ!?」

確かに6日目のログアウトで寝る予定だったのに、うっかり約束してしまったようだ。


「どうしよ!?大収穫クエが今日込みで3日間やから、ギリ6時間寝れると思うけど・・・」

「いやいや、無理するなよ。それに向こうの会議次第では依頼中に声が掛かるかもだろ」


「そらそうか。よし!今なら間に合いそうやし、ペーターにその事伝えてくるわ!」

そう言葉を言い切る前に管理小屋に走りだす。先ほど別れたばかりの俺が凄い勢いで戻ってきた事に驚いていたペーターだったが、事情を話すと少し苦笑いしながら納得し、予行演習の知らせはホームに書面で送る事を約束してくれた。


「ふぅ〜。なんとか間に合ったわ」

「相談から30分も経ってないんだし、そりゃ間に合うだろ・・・」


「いやいや、住人達も俺らのコールみたいなスキルあるっぽいし、意外とギリギリやったかもな」

「まあ、間に合ったんだからいいだろ。それより今回の件は俺の方からクランコールに投げておくが良いか?」


「そやな。良い感じにまとめといて」

こうして今回のお悩み相談で得た情報や今後の出来事など、クランで共有する事が出来た。


「そういえば今日の冒険、他のとこに応援頼んでくれるって話やったけど、アレどうなったん?」

「まだ話してなかったか?」

「聞いてへんし、クランコール内にもなかったで」

「はは、すっかり忘れてた」

自分の失態を誤魔化すように小さく笑いながら頭を掻くユサタク。


「笑って誤魔化すなや。で、結局どうなったん?」

「まず護衛は情報クラン【オモイカネ】から2名、14時に正門で待ち合わせの予定だな」


「じゃあ俺ともちょ含めて4人で行くんか」

「だな。契約としてシンボルの登録はウチに権利がある。その代わり泉のシンボルの情報料は無しになる」


「シンボル登録ってワールドアナウンス案件やろ?それプラス護衛もしてくれるのに、情報料で相殺って向こうも太っ腹やな」

「フィールドでの転移が出来るってのは、町中とは別次元で移動革命起きるからな。それをネタに稼ぎまくる自信があるんだろうな」

「なるほどな〜。じゃあ、【オモイカネ】を稼がせる為にも、今日中に泉のシンボルを絶対見つけるで!」


契約やら情報ビジネスやら、ゲーム内とは思えないやり取りに感心しつつ、俺は改めて冒険を成功させようと、気合を入れ直したのだった。



次回は2月15日(土)午前6時に更新予定です。


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