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ミックスジョブオンライン〜ラノベ作家はネタ集めの為賞金付きVRMMOに不遇職で挑む  作者: モトマル
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111.コンプリートとビギナー農家

「それって【水撒き】用のジョウロやん。もしかしてペーター持って来んの間違えた?」

【肥料散布】用に新たな農具が出てくるかと思いきや、別作業でも使う農具だったのでからかい混じりに問いかける。


「酷いな!?ちゃんと【肥料散布】用ので間違い無いぞ」

「そうなん?肥料って粉状やしジョウロじゃ詰まるやろ?」


「ああ〜。そっちのタイプしか見た事なかったのか。今回は液体タイプの肥料を使うから、農具もジョウロなんだ」

「へぇ〜。肥料って液体もあるんやな。で、使い方に差はあるん?」


「粉状のタイプはザル状の農具に肥料を入れ、上から振りかけるって手法なんだ。細長い畝に撒くには便利なんだが、果樹園のように広い農地に苗が点在する場合は、次の苗まで移動する時に網目から肥料がこぼれ落ちるんだよ」


「ああ〜。だからジョウロ使ってピンポイントに肥料を撒ける液体タイプに今回したんやな」

「その通り!」


(なるほど、タイプ毎での道具や用途の使い分けか。固体・液体みたいに2種類以上のタイプがあるモノでワンシーンのネタに作れそうやな)


肥料の説明を聞きながら、思いついたネタを心のメモに刻み込んでいく。

その後も幾つかの肥料についての小ネタを聞き出した後、講習は再開された。


「肥料についての雑談はこの程度にして実際にやってみるか」

「せやな。で、【肥料散布】ってどうやるんや?」


「ジョウロに入れた液体肥料を苗の周りを軽く一周撒いていく。以上!」

「それだけ!?他の講習に比べてえらい簡単やな!?」


【剪定】や【苗植え】などの覚えるのに体を酷使するスキル達と違い、あまりの手軽さに驚く。

俺は釈然としない気持ちになりつつも言われた通りに肥料を撒いていくと、1分で2つの地区に肥料を撒く事が出来た。


「ええ・・・。マジで楽すぎなんですけど・・・」

「いい事じゃ無いか」


「そりゃそうやけど、農業スキルコンプリートのラストにしては歯応えが無さすぎるっていうか・・・」

「ははは、少し気持ちはわかる。だが嘆いたってラストには違いないんだし、今回はあま〜いデザート感覚で覚えるといいさ」


「デザートか。今までの頑張りのご褒美感覚でいけって事やな」

「そういう事だ。という訳で俺は小屋に戻るから取得出来たら報告に来いよ〜」

「りょ〜かい。すぐに終わらせるわ」


管理小屋に戻るペーターを見送った後,片っ端から肥料を撒いていく。そして苗植えの1/3程の時間で、


ー【肥料散布】を取得しましたー

ー称号【ビギナー農家】を取得しました。報酬としてSTが5ポイント上昇します。

また、この称号はプレイヤーでは初めての獲得になりますが、称号名は公表しますか?ー

と、スキル取得と新たな称号獲得のアナウンスが流れた。


(スキルはともかく称号!?これってタイミング的に講習のスキルコンプリートか?それより公表はNoにして・・・)


急なアナウンスに混乱しながらも、称号名の公表にはNoを選択。

すると称号名は伏せ字になりつつもワールドアナウンスにて俺の名前がMJO中に轟いた。


(久々のワールドアナウンスきたあああ!!この世界に名を刻むって感覚はマジで最高!それにアナウンスのおかげでコールもじゃんじゃん鳴ってるわ)


クランメンバー達からの祝福のコールや先日フレンドになったマーリンからの祝福と探りが半々のコールなどがひっきりなしに届く。

俺は情報を隠しつつお礼の返信をマーリンに、クランにはお礼と共に称号の効果と俺の考える取得法をクランコールにも載せておいた。


ちなみに、称号効果だが

【ビギナー農家】メインスキルにセットしている初級農業スキルの効果を1Lv分上昇させる

と、スキルコンプリートした俺にピッタリの称号であった。


(【地主】系の称号との使い分けが難しそうやけど、他のクランとかギルドの農地で畑仕事する時には活躍しそうやな)


自分やクランの農地でST消費減の【地主】系と全ての農地で活用可能な【ビギナー農家】、違った効果を持つ称号を手に入れた事でこれからの農家生活の未来にワクワクが溢れ出て止まらない。

もし第3者が見ていたとしたら、スキップや鼻歌、そしてニヤニヤした締まりのない顔付きの俺に引いてしまうだろう。

というかペーターがガチで引いていた。


「そ,その様子だと終わったみたいだな・・・」

「おかげさまでスキルコンプリート!おまけに【ビギナー農家】って称号までゲット出来たわ」


「なるほど、不気味なまでのニヤニヤ顔はそれが原因か・・・」

「不気味ってひどいなぁ。それより完了の手続き頼むわ」


「それもそうだな。コホン、それでは【苗植え】と【肥料散布】の講習を終了する。この2日間よく頑張ったな」

「ありがとう!ペーターも付与魔術での支援ありがとさん。あれが無かったら【剪定】とかの途中で心折れてたわ」


「そんなに俺の付与魔術が役立ったのか・・・」

「大助かりやったで。って急にどないしたん?」


この2日間、超お世話になったバフのお礼を言うと、ペーターの顔に少し影がさす。


「いや、講習について少し悩みがあってな」

「講習の悩みね〜。良かったら相談に乗るけど?」


「確かに渡り人目線での意見は欲しいな・・・」

「そうやろ?初めてのスキル講習受講者としてバンバン意見言ってくで」


悩むペーターに対してアピールした事で、

「そうだな・・・。じゃあギルドへの講習終了の報告が終わったら、またここに戻って相談に乗ってくれ」

と、悩みを吐き出すと心に決めてくれたのだった。




次回は1月25日(土)午前6時に更新予定です。


ブックマークや評価・誤字報告していただきありがとうございます!!

今後とも本作をよろしくお願いします。

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