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106.第2のホームと暇つぶし

おかげさまで累計300万PV突破しました!!

これからもご期待に添えるよう頑張っていきます!!

「あれ?ここどこや?」

転移クリスタルの場所登録を済ませた後、ユサタクと共にクランの農地へ転移したつもりだったのだが転移先の景色が普段と全く違う事に気付き戸惑う。


「いや、俺たちのホームだぞ」

「いやいやいや!全然ちゃうやん!なんか周りを小屋で囲まれてめっちゃ圧迫感あるで!?」


俺の記憶が正しければ南側はメンバー達の住む小屋と見渡す限りの農園、北側には街並みを望むことができる田舎チックな立地なのだが、今いる場所は広さこそあるものの四方をキノコ小屋で囲われており、外の景色は小屋のわずかな隙間でしか見る事が出来ない。


「景観が最悪を通り越してるんやけど、一体なんなん?」

「ふっふっふ。ここは俺たちユーザータクティクスと農協で新たに買い占めた第2のホームだよ」

「ええ!?第2って元の農地はどないしたんや!?」

「南1地区はとっくの昔に買い占めてたぞ」

「マジか・・・。というか1つの地区独占しといて更に買い漁ったんかい!」

今日の販売会のおかげで需要が急拡大したプレイヤー用の農地、それを1つの地区を独占した上で、同盟のクランと共同保有とはいえ、もう1地区も独占保有したと聞き、驚きを通り越して愕然としてしまう。


「南地区1の農地は町が近すぎるだろ?まだメンバーで集まれる家がないし今までは外でミーティングをしてたが、農家プレイヤーが増えてこの立地じゃ他のプレイヤーの目に付くだろ?」

「まあ、町に近いところで有名クランが集まってミーティングとか、覗いてくれって言うようなもんやもんな」


「だろ?だから今日の販売会の利益を注ぎ込み南地区の一番奥の地区を共同で買い占めた上で、目隠しにキノコ小屋で四方を囲ったってわけだ」

ユサタクが話す購入理由に一応は納得したのだが、

「買い増した理由はわかった。そやけど、これ大丈夫か?いくらMJOは賞金レースとはいえ独占しすぎってクレームくるで」

デメリットもあるやり方なのでそこを追及する。


「やっぱり批判はあると思うか?」

「ああ。ゲーム攻略は結構やけど、エンタメを超えるやりすぎはMJO内どころかリアルのプロチームにも悪評立つかもやで。それについての対策はあるんか?」

「対策というか、誤魔化すことはできると思う」


「誤魔化す?なんか不穏な言い方やな。一体どんな方法なんや?」

「それはな、現在販売中の農地9割が売れたタイミングで、町から近い方の農地の無料レンタルを始めようかと考えてるんだ」


「レンタル!?それってありなん?」

「もちろんギルドには確認済みだ。そうしてレンタル期間を決めた上で、その間に収穫した作物を全て借りたプレイヤーに渡せば、お金を出さずに土地持ってるのと同じだろ?」


「いやいや、普通に自分で所持した方が称号も手に入ってお得やろ」

「まあ、そこは競争だからと諦めてもらうしかないかもな。今日説明会に参加した50クランも農地買い占めをする可能性もあるし」


「それはあり得そうやけど・・・」

「だから、他の町の解放などで購入可能な農地が増えるまでは、ひとまずレンタルで他プレイヤーの不満を誤魔化す感じにするつもりだ」


「う〜ん、なんかマッチポンプくさいな〜。けど一応理解出来たわ」

正直ユサタクの策が成功するビジョンがイマイチ見えてこないが、とりあえずは任せる事にした。


「それはよかった。じゃあ理解してくれた事だしミーティングの準備をしてくるよ」

「オッケー・・・ってよく考えたら大収穫クエについての事情ってやつ教えてくれるんとちゃうん?」

一瞬スルーしかけたが、ギルドの思惑というネタになりそうな話を思い出し、ユサタクに問い詰める。


「いや、思った以上に第2ホームについて聞かれまくって時間がな・・・。一応ミーティングでその事について触れるから、それまで我慢してくれ」

「しゃーないか。ちなみに何分後に始まるん?」


「だいたい10分ちょいの予定だ。暇だったら余ったSTで第2ホームを耕しといてくれないか?種まきとかは後でこっちでやるから」

「オッケー。MPも余ってるし充電しつつ耕しとくわ」

「頼んだぞ」

そう言ってユサタクは準備のため他のメンバーが集まってる所へと歩いて行った。


(畑仕事と充電。やるとしたら初挑戦の充電やな)

自分がやるべき行動を決めた後、その準備のため魔力電池を取り出す。


(確か電池を持った状態でスキル使えばよかったと思うけど、初めてで不安やな。何かええ方法は・・・そうや!)

充電の初挑戦に失敗しないか不安になり対策を考えると1つ方法を思いついた。

それは、ステータス画面を視界の端に立ち上げながら充電を行う事で、MPや経験値の変動で成功の可否を判断すると言う方法である。


(さて、ステータスを立ち上げたはええけどMPちょっとしかないな。経験値アップも兼ねて野菜ジュース飲んでからやろか)

ジュースを一気飲みした後、魔力電池に向けて【魔力付与】をかける。

すると、電池がぼんやりと光ると同時に、MPが少しずつ減少しているのを確認できた。


(成功や!MPは減ってるし経験値もじわじわ増えてる。でも経験値の上がり方を見るにジョブ補正とかジュースの補正込み込みでも、切り上げにならへんみたいやな)


充電成功に一瞬喜んだのも束の間、残念な事実に気づき少し残念な気分になる。


だが、そんな俺の心境とは裏腹に充電は進み、1分程で全てのMPを魔力電池に注ぎ込むことに成功、その後ジョブとスキルを農業専用モードにし、称号もST消費を減らす為に【地主連合】に付け替える。


(事前にスキルプリセット試してて良かった〜。作業で切り替えるのマジで楽になったわ)

今度は新しい農地をアーツと手作業で耕しまくる。

その結果ミーティングが始まるまでに、見習い付与魔術師と見習い晴耕雨読のレベルを1つずつ上げる事が出来たのだった。



tips

現在のユーザータクティクスの所持農地と財政事情

南地区1:300/300地区

南地区33:150/300地区(残り150地区は農協が保有)

今回の農地大量購入や【農協】への資金援助、クランメンバー全員への転移クリスタルの購入などで、ギルド資産の8〜9割は吹き飛んだらしい。




次回は12月7日(土)午前6時に更新予定です。


ブックマークや評価・誤字報告していただきありがとうございます!!

今後とも本作をよろしくお願いします。

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