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101.クラン方針と第一歩

お待たせいたしました。

本日より不定期ですが再開していきますので、よろしくお願いします!

フィールドに出る決意した俺だったが、その前に称号についての報告する為クランコールを覗く。そこでは既にワールドアナウンスの話題で持ちきりだった。

俺は手に入れた引き篭り系称号3つの効果と取得方法を報告すると、


『はっはっは。まさか町から1歩も出ない事で手に入る称号があるとはびっくりだ』

『ぷぷ。そうっすね!」

笑いが混じった反応が返ってきた。


『酷いな〜。せっかく情報提供したのに笑うなって』

『ごめんって。でもソーイチ自身が「引き篭りで称号ゲットだぜ!」って言ったんだぞ?そりゃ笑わない方が失礼ってもんだろ』


『まあ、ウケ狙いで言ったしな。』

『ほらな』

『ま、まあ、その話は置いといて性能の話をしましょうよ』

延々とくだらない話が続きそうな状況にモチョがストップをかける。


『ソーイチさんの称号はいいですね〜。町中での転職自由や1日1回のダメージキャンセル、【殺さず】もテイマー系は絶対欲しい称号ですね〜』

『だな。というか全部必須じゃないか?特に【町の主】は町襲撃イベントとかで大活躍しそうだ』


『まだシークレットクエスト解放まで時間ありますけど、早めに取得する方が良さそうですね〜』

『でもゲーム内で4日間フィールドに出れないのは辛いですよ』

称号獲得について様々な意見が飛び出る中、ユサタクは結論を下す。


『よし!称号獲得を優先しよう。これらの称号は今の内に取るべきだ』

『ゲーム序盤の4日間を費やす価値あります?』

『それなんだが、今日は昼の準備や畑の管理で、誰もフィールドに行ってないだろ?』

『そうっすね』


『と言う事は、すでに100時間中の20時間は経過してる計算になる。この時間を無駄にするのは勿体無いと思わないか?』

『言われてみればそうですね〜』

偶然にも称号獲得の下地が出来てる状況を利用しようとユサタクは説明し、少しずつ心が動いていくメンバー達。


『そこで俺からの提案なんだが、この期間内にまず全員が【見習い農家】を卒業まで上げ、その後、町中でのレベル上げが可能な【見習い付与魔術師】に転職する』

『俺の辿ったルートやん。パクリや』

ユサタクの提案に茶化しを入れる。


『情報のフィードバックと言ってくれ。実際ソーイチのルートは【町の主】ゲットには効率的だしな。

それで外に出れない間に、畑や魔力電池での経験値稼ぎと、スキル講習や訓練所を併用しながら100時間を乗り切る。というのが俺の案だ』


『いいですね!作物や電池の充電はシークレットクエストのリストにもあります。それに【農家】と【付与魔術師】はSTとMPさえあればいいので、ログアウトによる睡眠ボーナスの併用も出来そう!』

『それならログアウト中に寝れるので徹夜しなくて済みそうだな』


『おお!ゲーム初日にちゃんと寝れるのは久しぶりっす!』

『ですね!睡眠ポッド使えば細切れ睡眠でも大丈夫ですし』

『細切れってなんやねん・・・。睡眠ってまとめて取るもんやろ』


ゲーム廃人達が《睡眠》という人として当たり前の行動を取れる事に喜んでいるのを見て、改めてその廃人っぷりに引いてしまう。

もっとも俺自身も休憩の度に似たような事をしているので、完全に同類なのだが。


『そういえば、これからはフィールドに出ようかなって思ったんやけど、クラン方針的にソロになりそうやな』

『脱引き篭りか。いつまでも町に居るのもネタ集めってソーイチの趣旨に外れるし仕方ないんだが、ソロは少し不安だな』

生産職かつVRでの戦闘が未経験の俺がソロで冒険する事に不安を覚えるメンバー達。


『あの、それって今日中じゃないとダメなんですか?』

『今日は17時から講習やし本格的な冒険は明日以降でもええけど、なんで?』

モチョの突然の質問に、戸惑いながらも答える。


『私も明日には【町の主】を取れてると思うので、ソーイチさんが6日目も起きてるなら、ご一緒したいなって』

『マジか!付き合ってくれるならありがたいけど、ええの?明日ってリアル時間じゃ夜中の1時以降やで』


『これでもプロチームのメンバーなので大丈夫です!ソーイチさんこそ大丈夫ですか?』

『ポッドで少しずつ寝てるから6日目はフルでおる予定や。7日目以降は流石に寝るけど』

『じゃあ決まりですね!!!』

一緒にフィールドに出れるのが嬉しいのか、いつもより!マークの数が多い。


『そういえば冒険って何をするんだ?』

『今日は門の周りをグル〜と回るくらいやけど、明日は泉の方へ転移のシンボル探しにいく予定や』

『あそこにシンボルあるのか!?』

『マジっすか!?』

ユサタクが何気なく予定を聞いて来たので答えると、驚きの声が湧き出て来た。


『本にはそう書いてあったわ。それに泉には天然物の聖水もあるらしいし、登録必須やろ。』

『前作ってくれた資料に載ってたな。ただ泉周辺は、生産系2人は少し微妙だな』


『そうっすね〜。戦闘メインならいけそうっすけど、生産系は辛いかもっす』

解決したかに思われた戦力不足の懸念が再浮上する。その解決の為の案がいくつか出る中、選ばれたのは、


『今回のシンボル探しは、ソーイチ達の他に、【オモイカネ】に護衛を頼む。シンボル関係の情報は向こうも興味があるだろうし、報酬さえケチらなきゃWinーWinでいけるだろ』

よそのクランへ手助けを頼む案であった。


『うう〜。せっかくのデートのチャンスですけど仕方ないですね・・・』

『ええ!?デ、デートやったんか!』

モチョの大胆発言に、彼女居ない歴=年齢の俺はかなり動揺する。


『落ち着け。モチョは揶揄ってるだけだよ』

『そ、そうか。焦った〜』

『ははは。ソーイチさんって意外と女性慣れしてないんですね』


『ずっと作品一筋やったからな〜。俺のウブな心を弄ぶとはとんだ小悪魔やで!』

『それは言い過ぎですよ〜。でもこれからは気をつけますよ』

『頼むで』

『ソーイチを揶揄うのはこの辺にして本題に戻すぞ』


モチョの発言で少し脱線したが、その後はユサタクが本題に戻す。その中でメンバーの手助けもあり、護衛の手配含め明日の遠征の手筈は整った。

俺はそれに感謝を述べた後、クランコールを閉じた。


「講習まで後2時間ちょいか。時間無いし早速外に出るかな」

今回は様子見だけの予定なので、クエストは受けずに北の門まで歩く。抑えきれない興奮を深呼吸で落ち着かせ、俺はノアの町から外への第一歩を踏み出したのであった。



tips

ソーイチの彼女事情

イラスト担当のツムグを含め好意を寄せる相手は何人か居たのだが、生来の鈍感さに加え、作品に全てを懸けていた為、好意に気付く事なく、彼女無しの人生を送ってしまった。

ブックマークや評価・誤字報告していただきありがとうございます!!

今後とも本作をよろしくお願いします。

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