表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/160

10.最先端に立つ不遇職

一部表記を変更いたしました(2024年1月8日)

「トーマスお待たせ、お陰様で覚えることが出来たよ」

【瞑想】と【休憩】スキルを習得した俺はトーマスにその事を告げる。


「おめでとう!依頼書は机の上にたっぷり用意しておいたよ!」

「ありがと」

(MPは25まで回復してんな。キャラのレベルアップまでコピー7回で4余るけど仕方ないかな)

現状を確認しながらも俺は、山のように積み上がった白紙の依頼書から1枚手に取り、まずは手書きで1枚【メモ】しつつ、最速ランクアップについてトーマスに伝える。


「コールで友人と話してたんだが、今から持ってる初級MPポーションも使って依頼をこなすよ」

「こちらとしてはありがたいんだけど絶対に赤字になるよ?」

心配そうに忠告してくれるトーマス。


「いや、俺のサブジョブが【見習い農家】なんだけど、今日中に種植えとか終わらせるのにはなるべく早くFランクに上げる必要があるって友人にアドバイスされてな、心配してくれるのはありがたいけど、これも初期投資ってやつやな」

PPについては隠しつつトーマスに理由を伝える。


「なるほどね!」

「っと、手書きしゅーりょー。それじゃあアーツ使って行くか」

元となる1枚を書き終えた俺は、【コピー】を7度発動すると先ほどより少し壮大なファンファーレが頭の中に響いた。


(レベル上がったみたいやな)

レベルの上昇とMPの回復のみを確認し、さらに10枚分【コピー】を放つ


(経験値とMPどんな感じやろ?)

ステータスを確認すると、キャラがLv2(70/300EXP)、【見習い司書】がLv2(105/200EXP)、MPが(30/60)となっていた。


(キャラの方はレベルアップでMP10増えるんか。ただ次からは必要経験値はジョブより100多なってる。これはどんどん差が広がって行くやつかな?)


「ポーションも飲まずにその発動回数はレベルが上がったんだね!おめでとう!」

「ありがと、終わったんは机の右のほうに置いておくで」

「うん、えーと現在34枚、あと66枚だね」


「まだ結構あるけどポーション込みで1時間くらいでいけそうやな」

「そなんだ、じゃあ、こっちは数えておくからキリのMPが枯れるまで頑張って!」

「あいよ」


集計はトーマスに任せ俺はひたすら3本ある初級MPポーションを飲みつつ、MPが尽きるまで【コピー】を依頼書に放ち続けた。


「よし、これでMPすっからかんや。トーマス100枚まであと何枚や?」

「し〜、ご〜、ろくっと、スゴイや、96枚、あともうちょっとだよ!!」

「マジか!じゃあ、あとは手書きで進めるわ」

(メインのレベルアップが効いてるな。【見習い司書】もレベル上がったっぽいし、落ち着いたらフルでステータス確認するか)


思わぬ成果に驚きつつも一刻でも早く依頼を終わらせるために手書きで作業を進めていき10分後、ついに100枚の依頼を完遂した。

「終わったああああ!!最後手書きやったし記入ミスがないかチェックよろしく」

「オッケー。ちょっと待っててね」

一息つきながらトーマスの作業を眺めると1分も経たずにチェック作業は終了した。


「確認出来たよ。それじゃあ手続きとかあるから裏口の方に行くよ」

「表じゃなくていいんか?」

「うん、大分落ち着いたけどいまだに、登録にくるみたいだから」


(混み合いを避けた層が来てるんかな?まあ、アナウンスはともかく目立つのは避けたいし丁度ええな)

考えながら向かっているとギルド登録してくれた受付嬢さんの元にトーマスが依頼書の束を持って行った。


「あら、どうしたんですか?まだ早いですがこれからお昼に行くんですか?」

「いや、ソーイチ君が一刻も早くランクを上げたいからって赤字覚悟でポーション飲みながら進めちゃったから、もう100枚完成しちゃった」


トーマスの言葉に驚く受付嬢。

「まぁ、どのようなご事情かは存じませんが赤字なのに依頼を達成していただきありがとうございます」

「いえいえ、一刻も早くランク上げなあかん事情があったんで」


「あっ、じゃあ早速手続きしたほうがよろしいですね。ってまだ私名乗っておりませんでしたね。今回Fランク昇格の手続きをさせて頂きます、フレンと申します。よろしくお願いします」


頭を下げる受付嬢さんもといフレンさんにこちらも頭を下げる。

「こちらこそ、聞きそびれてしまってすいませんでした。それではよろしくお願いします」


「では、依頼書作成100枚を達成されましたので500ゴールドと50AGPを付与させていただきます。また、累計AGPが50となりましたので、ただいまよりソーイチ様はGランクからFランクへ昇格させていただきます。ギルドカードをこちらへお願いします」


言われた通り手渡すとフレンは何かを呟いた。それと同時にギルドカードがきらりと一瞬だけ輝いた。


「お待たせいたしました。手続きは完了いたしました。今回のランクアップでは、司書ギルド以外の職業ギルドへの登録が可能となります。ジョブギルドの登録につきましてご不明な点がございましたら私どもかジョブギルドの担当にご質問ください」

「了解です」


「それではカードをお返しします。ランクアップおめでとうございます!」

「おめでと〜、ソーイチ!」

フレンとトーマスのお祝いの言葉を受けつつギルドカードを手に取った。

それと同時に2つのワールドアナウンスがMJOの世界に響き渡り・・・


《ソーイチ様がプレイヤーで初めて冒険者ギルドのランクがFとなりました》

《ソーイチ様がプレイヤーで初めて特別依頼を達成いたしました》


不遇と言われていたジョブを持つものがMJOの最先端に立った瞬間となったのだ。


tips

ワールドアナウンス

MJOにおいてPPが加算される項目が達成されると全体に流れるアナウンスである。達成項目と達成者の名前のみの発表となるが、公式にはログが残らず獲得PPもアナウンスされない。

これは敢えてあやふやにすることでのPPランキングの競争力を高めるために行われている。


次回は 掲示板回です。

ブックマークや評価していただきありがとうございます!!

今後とも本作をよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ