表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
103/159

93.小テストと連続ゲット

「それではソーイチさん、スキルボードに向かって両手をついて祈りを捧げて下さい」

最後の準備を終えた俺は、ディーアに導かれるままスキルボードの前に立ち、両手を触れさせながら祈り始める。


ースキルボード【種化】に10MPを捧げますか?ー

と言うシステムアナウンスが流れたので、【はい】を選ぶと体から何か抜け出る感覚を覚えた。


ーそれでは【種化】取得の為のテストを開始しますー

更なるシステムアナウンスが流れた後、頭の中に【種化】についての小テストが浮かび上がる。

テスト上部に注意事項が書いてあったので読み上げていくと、今回は記述方式で全10問のテストであり、間違えた問題数×10MPが取得する為に必要になる仕様のようだ。


(まさかのテスト。確かにこれやったら理解度に合わせて注ぎ込むMPも変わるわな。でも直前に詰め込んだおかげでなんとかいけそうや)


最後の見直しが効いたのか、スルスルと問題を解いていく。幸いひっかけ問題もなかったので、あっという間に全ての解答欄を埋める事が出来た。

ミスが無いか2回見直しをした後、テスト下部にある終了ボタンを押して採点を待つ。すると突如得点板が頭に浮かび、大袈裟なドラムロールと共に点数が表示され、無事に全問正解で終えることができた。


ーテストの結果間違いがゼロだった為、追加MPは無しです。【種化】取得いたしますか?ー

と言う問いかけに、もちろん【はい】を選択。

すると、

ー【種化】を取得しましたー

とシステムアナウンスが流れた。


スキルを習得した俺は目を開き、スキルが獲得出来ているかステータスを見ていく。

無事【種化】が載っているのを確認した俺は、見守っていたディーアに声を弾ませながら取得出来たと報告した。


「やったで!しっかりスキルゲットできたわ」

「おめでとうございます!」

「ありがとう!これも最後の見直しと自力で要約して、スキルへの知識を深めたおかげかな?」

「だと思います。資料を見て直ぐに必要な部分を抽出した上でまとめる、それも短時間に仕上げるなんて司書としての才能溢れてますね」


おべっかを全く感じさせないディーアの褒め言葉に思わず照れてしまう。恥ずかしくなった俺は誤魔化すように、

「じゃ、じゃあスキル覚えれたし受付に戻るわ。今日は講習担当してくれてありがとう」

「こちらこそ。また別のスキル講習でお会いできるのを楽しみにしてます」

お礼と別れの挨拶をした後、アレンの待つ受付へ向かった。


「お帰りなさい。その様子だと無事習得出来たみたいですね」

「もちろんや!もう新スキルゲットでテンションアゲアゲや。このままの勢いで【耕す】スキルも覚えたいんやけどいける?」

「はい。そう言われると思って準備はすでに出来てます」

「アレン最高!マジでありがとう!」

「どういたしまして。実地試験でのスキル講習はこちらのアイテムを装備した上で、ギルド農地へ向かって下さい」

そう言ってアレンは一本の鍬を差し出した。


「【修練の鍬】と言う農具なのですが、これを装備した状態で手動で畑を耕すと、経験値は入らない代わりに通常の半分の回数で【耕す】スキルが手に入るんですよ」

「マジか!手動やと時間かかるから、それが半分って大分楽になるな!」

「もう試した事はあるんですね」


「ああ。全ての作業は何度か手動でやってみて時間を測ったんや」

「まあ。肉体労働をデータ化するなんて、情報の番人たる【司書】らしい取り組み方ですね」

「ははは。そこまで大袈裟な事じゃ無いけどな」


「そんなソーイチさんに朗報です。講習以前に手動で行った分も実績としてカウントされてます。それと【農家】をセットすればジョブ補正でさらに回数も少なくなりますよ」

「ええやん!大分楽に出来そうやし、今からダッシュで行ってくるわ!」


講習場所のギルド農地に急いで向う。

あっという間に到着した俺は、管理小屋で暇そうにしていたペーターに講習開始する為話しかける。


「ペーター。【耕す】のスキル講習受けに来たで」

「おお。昨日ぶりだな。スキル講習ってことは見習い卒業したんだな」

「ああ。昨日卒業してん。それよりどこを耕せばええんや?」

「【耕す】のスキル講習なら向かって右端の農地だ。俺が監督するし案内するよ」

そう言って講習場所まで案内してくれた。


「こほん。それではスキル講習を始める。と言ってもひたすら耕していくだけだな」

「そやな。重労働やけどやっていくか〜」

「ふむ。今は他の受講者はいないしサービスするか」

ペーターはそう言うと、俺に向かって何かの魔法を放つ。


「眩し!いきなりなんなん?」

「すまん、すまん。今かけたのは上級付与魔術なんだが、力が湧いてこないか?」

「上級!?言われてみれば力が漲ってるけど」

「だろう?手動での作業はステータスも重要だからな。効果が切れないうちに試してみてくれ」

「おう!」


湧き上がる力を鍬に込めて畑を耕す。すると以前は1地区当たり15分もかかったのが、3分ほどで耕す事が出来た。


「効果やばいな!初めて畑仕事した時、15分かかったのに3分て・・・」

「初めてって事は、その時のSTRとDEXの数値はGかFだろう?今は成長やバフ込みでC〜Bになってるはずだぞ」

「マジで!?もしかして一時的とはいえ渡り人の中でもステータスNo.1ちゃうか?」

「かもな。それより、この魔術は効果時間15分なんだ。スキル取得まで付き合うが無駄話での浪費はやめてくれよ」

「わかった!頑張るわ」


ペーターから発破をかけられた俺は、一心不乱に農地を耕していく。途中、付与魔術の効果が切れそうなタイミングもあったが、それを実感する前に再度かけ直してくれた。

そんな作業を繰り返す事1時間、ついに本日2つ目のスキル【耕す】を手に入れる事が出来たのだった。



tips

小テストの一部抜粋

Q:【種化】スキルを使う事で、経験値を入手できるジョブを2つ答えよ。

A:錬金術師・農家


Q:【種化】を使える作物の条件を答えよ。

A:基本野菜


Q:【種化】を使う際の消費STはいくつか?

A:5




次回は5月31日(金)午前6時に更新予定です。


ブックマークや評価・誤字報告していただきありがとうございます!!

今後とも本作をよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ