冒険者ギルド
冒険者ギルドって夢がありますよね…行ってみたいなあ
私、主人公ちゃん、いま、冒険者ギルドにいるの。
串焼き屋おばさんの教えに従って、街の真ん中にある冒険者ギルドにやってきました。
この冒険者ギルド、国一番人気初心者向ダンジョン御用達だからか、異様に規模が大きいそう。
なんか、入口に立ってた総合案内兼警備員のお姉さんが教えてくれた。
初心者が多いからこういう初心者向サービスが充実してるのも特徴で、他の国や地域のギルドはここまで懇切丁寧ではないらしい。
異世界転移した場所が転移初心者にも優しい世界で助かった。何か知らんけど神様ありがとう。
さて、ギルドの1階は銀行の受付かと思うくらい窓口が並んでて、その窓口の前に冒険者達が行列を作ってた。
広い部屋の中はそこかしこにベンチやテーブルもあって待ってる冒険者達が座ったりおしゃべりしたりしている。
受付のある広い部屋の隣りは食堂のようで、そこからワイワイガヤガヤと賑やかな声と食器などのカチャカチャした音、さらに良い匂いが漂ってくる。
何故かお腹いっぱいなのにお腹空いてきた。
総合案内のお姉さんに聞いて、まずはギルド登録受付という窓口に並ぶ。
すでにその窓口には15〜16歳位の中学生か高校生くらいの年齢の男の子や女のコがワイワイ並んでいた。
なんだろうこの疎外感…間違えて中学生の修学旅行の集団に混ざってしまったような気まずさ…
しばらくすると順番がきて、初心者向けの一通りを教わり、ギルドカードを発行してもらった。ギルド銀行と保険証の機能も備えられているようで、依頼などで報酬が入ると自動的にギルド銀行に振り込まれ、また怪我や病気の時も野垂れ死なないように健康保険で保障されているらしい。
なんだこの身分証明書と銀行と保険証が一緒くたになった高性能カードは…見た目も半透明のホログラムチックなカードで地球より技術が進んでるんでは…?と思わせるかっこいいカードだ。
カードの隅を指で押しながらステータスと言うと、半透明の画面がヒュっと空中に浮かび上がって、自分のステータスや銀行口座残高などが見れる。
凄すぎる。
私が目を丸くしていると魔法陣と錬金術の技術が使われているのよ、と受付のお姉さんがおしえてくれた。
異世界転移って大体中世ヨーロッパ的な未発達で不便な世界だと思ってたけど、全然逆だったようだ。魔法もあるけど、魔獣も魔物もいるから便利だけど危険もあるそうなので浮かれすぎないようにしよう。
そういえばギルドカード受付で出身地や異世界人なのかとか全く聞かれなかったけど、そういうところはおおらか?なのだろうか?
ギルドの中を見渡しても獣人や魔人?竜っぽい人やオーガー?とかのモンスターの混血みたいな人も沢山いて、みんな楽しそうに笑ったりお喋りしている。差別なんか全然なさそうに見えるので異世界人だろうが別に隠す必要は今のところなさそうだし、聞かれたら答えよう。
よし、早速買い取り窓口へレッツラゴーだ。