第3話 マラガにて
無事マラガの町に入ることができた3人はこんな会話をしていた。
「しんじらんない! 検問くらい大人しくできないの?! 2度とあんなことしないで!」
「なぜ呼ばれた身である我らがあんなものを受けなけれがならないのだ。貴様がスムーズにことが運ぶよう準備しておくのが筋だろう。使えん駄女神だ。なぁ、レオルド」
「・・・・・・コクン」
「うぐ、、、うっさいわねぇ! 今回だけ例外だっつーの! それでもあれはないでしょ!」
言い合う3人。
なにがあったかと言うと、時は数分前ーーー
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長い旅路の末、目の前にマラガの町が見え始めた。
「みて! あの大きな木が見えるとこがマラガよ!」
「自然の要塞と言った感じだな、早速情報集めといこう」
門へと差し掛かる。俺たちはマリアとは別の検問所を通ることになった
「そこの2人、ちょっと止まれ」
構わず進むシンとレオルド。
「おい! 止まれと言っているのが聞こえんのか!」
シンとレオルドの肩を掴む
「、、、!? 貴様、なにをしているのかわかっているのか!」
なんと肩に触れられたレオルドが剣を抜き、門番の首筋に当てていたのだ。
「・・・・・」
「さっきからうるさいぞ貴様。なぜ我らが貴様らの検問など受けねばならんのだ」
「貴様ら・・・全員! このものたちを取り押さえろ!」
シンとレオルドの周りに武装した警備隊が集まる。
「相手が悪かったな」
この後どうなったのか? シンとレオルドは大暴れ。警備隊は壊滅。門も一部破損。
別の列で検問を受けていたマリアが様子を見に行った時にはもう手遅れだった・・・・・
そこから逃げて、現在に至る。
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「貴様こそ、女神がなぜ検問を受けるのだ。貴様ほんとに女神か?」
「うっさい!!! ちゃんと女神だ!! 後、わたしの名前はマリアだ!!貴様って言うな!」
こいつ本当はただ料理ができるだけのポンコツ女神ではないのか?
「まあいい、早く情報を集めてここを出るぞ 集めやすそうなところに案内しろ」
「命令すんな! んーそれなら冒険者ギルドがいいわね」
そう言うことで、冒険者ギルドに行くことになった。この街は自然が多い、植物と同化している家もある。
「ついたわ、ここが冒険者ギルドよ」
巨大な木を人が使えるように改造したもののようだ。俺たちの世界にも世界樹と言う馬鹿でかい木があるがそれに劣らぬ大きさだ
「では、行くとするか」
キルドの中へと入って行く3人。
中も全て木でできているのか。すごいな。人もかなり多い。
ドンッ!
大柄な男とぶつかった。邪魔くさいが、ここでは暴れるなと釘を刺されたからな。適当にやり過ごそう。
「すまんな」
「おいにーちゃんどこに目をつけて歩いてんだこら。慰謝料よこせ」
イラッときた。殺すか。
それにしても冒険者というものはどこの世界でも血の気の多いヤツらばかりだな
「貴様誰に向かって口を聞いてる」
体からぐら〜と黒い魔力が溢れ出す。
バシン!
「ちょっとなにやってんのよ!! さっきも言ったじゃない! あと私たちおわれてるのよ! これ以上問題起こさないで!」
「元はと言えば貴様のせいだがな」
「うっさいわよ!」
「貴様の料理に免じて許してやろう。命拾いしたな、豚野郎」
「あおんな! 煽ってどうすんのよ! すいませんすいませんすいません」
女神が謝るなど馬鹿らしいな。消してしまえば楽なものを。
それで一応場は治ったようだ。
その場を治め、次は目的の窓口へと向かう
「おい、この辺りで何か変わったことはなかったか」
受付の女に聞いてみる
「そうですね、少し前から魔物が異常に強くなったとかで、他の町に行けなくなってしまったと言う情報が入ってます」
モンスターの異常、他の街に行けない、か。全部この駄女神が仕事をしなかったせいだろうな
「なるほど、だから門であんなことになったのか」
「それはあんたのせいでしょうが」
「もとを辿れば全部貴様のせいだ」
「門でどうかなされたのですか?」
不思議そうにこちらを見てくる。壊滅させたからまだ情報が回ってないのだろう。
「いや、なんでもない。他の町では何かなかったのか?」
「今は情報が入りにくくなっておりますので、、、」
「そうか、助かった」
え、あのシンが人に感謝の言葉を言ってる。
3人はギルドを後にした。
「シン、あんた人に感謝とかできたのね」
「当たり前だ。そんなことも知らないのか」
・・・・・え、、、あんたがそれを言うの?
「けど、さっきだって門番ぶっ飛ばしてたし、来る途中も人を簡単に殺したじゃない」
「それは”殴らせてくれてありがとう”という感謝の現れだ」
「あんたやばいやつだったのね。」
「今のはほんの洒落だ。それとこれとは話は別だろ。感謝できるから人を殴らないとは限らないしそのまた逆も然りだ」
洒落って、、、あんたの冗談はわかりにくいのよ。
「確かにね、あんたがやばいやつじゃなくてよかったわ。」
「当たり前だ。それよりマリア、ほんとに魔王の居場所はわからないのか?」
「んー、魔力は多少感じるんだけど、」
魔力を感じられるのなら初めからまっすぐそこへ行けばよかっただろう。
「それはどこだ?」
「あんたわかんないの?」
「この世界での魔力探知にまだ慣れていないからな」
ぐぅ・・・。レオルドの腹がなった
「レオルド! あはは! かわいい〜」
大袈裟に笑うマリアに俺が蹴りをかます。こいつにレオルドを笑われるとなんか知らんが癪に障る
「痛い! なにすんのよ!」
「気にするな、少々癪に障っただけだ」
「気にするっつーの! 乙女を蹴るなんてしんじらんない!
「それにギルドで頭を叩かれた借りがあったからな」
「それはあんたのせいでしょ!!」
うるさいがいつものことだ。
「それより飯にしよう、日も落ちてきた」
マリアを置いて飲食店を探し歩きだす
「ちょ、まだ話が、て、置いてかないでよ! むーー!!」
頬を膨らませている。1人で騒がしいやつだな
「わかってると思うけど、私たち追われてるんだからね」
「そこは問題ない、ちょうど魔力探知に慣れてきたところだ」
半径200メートルの範囲なら正確に対象を捉えられるようにはなった。もちろんそれよりも範囲を広げることはできるがまだ存在を確認できる程度だ。魔王らしき反応はない。かなり遠くの位置にいるようだ・
「あんたが言うなら、いいけど。」
少し歩いたところに小さな宿を見つけた。ここなら警備隊も来ないだろう
「ふむ、不味くはないがマリアの飯には劣るな」
「シン! そんなこと言っちゃだめじゃない」
そう言うマリアの顔は緩んでいた。きっと褒められたことが嬉しいのだろうな
「そうだな、すまない、しつれいした」
ふふ、シンに褒められたわ! 胃袋を掴む作戦は大成功ね!
「シンくん、ちゃんと謝れるんだ〜」
ニヤニヤしながらこちらを見てきた。
ゴチンッ!!!
「貴様は黙っていろ」
「イッタ!! なにすんのよ!」
マリアは、ばっと立ち上がる。
「食事中だ。騒ぐな」
「むぐぐ、、、覚えてなさいよ! ふん」
怒っているようだがどうせいつものようにすぐ機嫌は治るだろう。
案の定、料理を食べるといつもの調子に戻っていた
「今日はここに泊まりましょうよ。」
「そうだな」
俺は気遣いができる。マリアも女だ、三日も風呂に入っていないので風呂に入りたいのだろう。
「あれ? 素直に聞き入れてくれるんだ? 」
「ほんの気まぐれだ」
よっっっしゃーー!!! 今夜は、イケメン2人と、熱い夜だわ!! いや、ダメよマリア、女神と人間の恋愛は絶対禁止、、、だけど、、、シンたちは魔族、ギリギリセーフよね??
〜〜〜〜マリア日記〜〜〜〜
魔王討伐三日目
マラガについた。あのバカ2人、いきなり問題起こしやがった。
シンに言われたけど、なんで私も検問受けてんだろ。あんまり信仰されてないからかな。
今日はゲンコツ2発に蹴り1発。いくらなんでも乙女に対することじゃないと思うわ。
夜シンたちの部屋に忍び込もうとしたけど、対女神特化の結界が張ってあった。残念。久しぶりにお風呂に入れただけでまいっか!
PS
シンは意外とまともなのかもしれない。
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