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第20話 黒幕

ーーーはぁ、はぁ、なんだこいつ。なぜ倒れん。


「おさまったか。なかなかいい攻撃だったぞ。多少落ち着いたところで話をさせてくれ」


ディアボロスの全力の攻撃を、全て受けきったシン。なのに、ピンピンとしている姿を見てディアボロスはもう既に戦意を失っていた。


「お前は誰にそそのかされた」


ディアボロスは目を見開き驚いた表情をする。


「なぜそれを知っている…?」


「前回の魔王出現から半年もたっていない。魔物から魔王になるには間が短すぎる」


「そうか・・・確か『ソフィスト』と言っていた」


ソフィスト…あの老人か。何か嫌な予感がするな。


「いつなんと言われたんだ」


「お前たちが俺の母を殺してから1週間がすぎた頃だ。いきなり目の前に現れ、『復讐するための力が欲しくないか』と言われた」


「なるほど。何をされた? そしてなぜわざわざこの世界へと移動したのだ。それに外の世界がある事を誰から聞いた」


「俺にもよくわからん。力が欲しいと答えたら巨大な魔法陣が幾つも描かれた場所に転移で連れていかれた。そこからは覚えていない、着いた瞬間に意識を失ったからな」


 魔法の類か? 魔物を魔王化させる魔法など聞いたことがないな


「そうか、それで次は」


「気づけば元の場所に帰っておりその時は既にこの状態だった。それから世界中を探し回ったが貴様はいなかった。そんな時またソフィストと名乗るものが現れ、外の世界があり、もしかしたらそこへ逃げたのかもしれんと言った。頭に血の昇っていた俺は何も考えずにそいつが言うやり方でこの世界へきた」


「やり方?」


「いや、単純に力で薄い膜をこじ開けただけだ。その後魔力を放出しながらソフィストが言う方へ向かい、この世界へ来た」


この話し方から察するにソフィストの正体までは詳しく知らないようだ。


「そうか。では話は終わりだ。今お前には2つの選択肢がある。今この場で俺に殺されるか、降参し、俺の世界へくるか」


「もちろん3つ目の『貴様を殺して母の仇をとる』だ」


先程まで戦意を失っていたディアボロスから膨大な魔力が溢れ出す。


「貴様が長々と話していたおかげで力が戻ったわ。俺にさっさとトドメを刺さなかったこと、あの世で後悔するがいい」


シン!! 危ない!!!!


ーーー地獄極殺雷ヘルジズカイザ


ディアボロスが右手をシンへと、突き出す。黒い稲妻がシンを襲おうとしたそのとき、シンがすっと左手をディアボロスへと向けた。


ーーー魔法障壁


シンに襲いかかろうとしていた黒い稲妻がシンに当たる直前、反射し逆にディアボロスの方へと向かっていった。


「ぐああああああ!!」


「どうだ? 自分の魔法で焼かれる気分は」


ニヤリと笑うシン。


「どういうことだあぁ! たかが魔法障壁に、俺の魔法が反射されるわけ…」


「ふん。俺の言うことを聞かずに後悔するのは貴様の方だったな。たかが魔法障壁? 笑わせてくれるな。貴様がそのたかが魔法障壁を破れぬほどの貧弱な魔法を使っているのだろう」


自身が放った黒い稲妻に焼かれ、所々が灰となっているディアボロス。


「だぁあまぁぁれぇえ!!!」


どうやらシンは魔法障壁をディアボロスを囲むように球状に展開しているようで、当たらなかったら稲妻はまた反射し、ディアボロスを襲っていた。そして、全ての稲妻が当たった頃、黒焦げになり所々が灰となったディアボロスは力なく地面に落ちた。


・・・あれ? この状況見たことあるんだけど。この後脱皮すんのよね?

 マリアの予想は的中した。


黒焦げになった塊にヒビが入り、中から2m弱の男がでてきた。先程よりも小柄になっており、知的な様子だ。


「ふぅ。やるねぇ、シンくん」


先程とは打って変わって口調も雰囲気もまるっきり変わっている。


「馴れ馴れしく呼ぶな」


「酷いじゃないか? 僕の母を殺しといてーーー」


言い終わる直前には既に空中にいるシンの目の前に移動していた。先程のディアボロスとは速さの次元が違うようだ。


「んじゃ、まぁ小手調べに1発受けてもらえるかな? 全部受け止めてくれるんだったよね?」


 左腕を軽く引き、前に突き出した。


ーーーザシュッ


「ぐっ…」


 シンの顔に苦痛の表情が浮かぶ。


「え……シ…ン…?」


通常であればありえない光景に、マリアは腰が抜け、ペタンと座り込んでしまった。


「あれ? こんなに脆かったっけー? シンくん」


マリアはゆっくりと視線を下に下ろした。シンの背中から腕が生えている。いや、違う。ディアボロスの左腕がシンの腹部を貫き、そのまま貫通しているのだ。シンの口元から血が垂れる。


「……」


「なんで黙ってるのー? 楽しみはこれからだよ?」


ーーー漆黒炎舞(ダークブレイズ)


ディアボロスの身体が黒き炎で覆われる。先程の物とは桁違いの熱量だ。しかし、周りに影響を与えることは無い。ディアボロスが、シンが行った事と同様に、自分とシンを中心に球状の魔法障壁を張っていたからだ。


 黒い炎の熱が何度も何度も魔法障壁に反射され、どんどん温度が上がっていく。魔法障壁の強度も先ほどとは比べ物にならないほど頑丈になってはいたが、その熱に耐えられなくなるのも時間の問題だろう。


 「ははは、どうだい? 熱いかい? 唯一の家族を失った僕の憎しみはこの程度じゃないけどね」


 黒い炎の熱でディアボロスの魔法障壁が軋み始めた。


 ーーーシン、大丈夫なのか・・・? あんなものが炸裂すれば確実にこの一帯は蒸発するぞ・・・


 レオルドも流石に心配になり、念話を直接シンの脳に送った。


 シンの返事は・・・

『スライム。実は魔王倒せます』が総合評価150pt超えました!! 

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