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第18話 〜イリア神殿にて〜

1500PV達成しました♪


『スライム。実は魔王倒せます』の方も500PV達成いたしました!


ありがとうございます。

3人はイリア神殿へと出た。マリア神殿と造りはほとんど同じだが、こちらの方が綺麗である。神殿の正門を開き神殿の中に入った3人。


何だこの感じ? 前に1度来たことがあるような懐かしい雰囲気だ。


「イリア! 助けに来たわよ!」


 マリアがイリアのいる仕事室の扉を勢いよく開け、大きな声で叫んだ。イリアが少し驚いた表情をして、机についていた。仕事部屋の配置はマリアと変わらないが、こちらの方が綺麗だ。


「マリア、勇者様は…あれ? ひとりじゃない? まぁいいわ。勇者の方々、私はイリア第五区を任されております。女神イリアです。今回はお力添えを頂けるとのこと、本当に感謝しております。」


机についていたイリアが、立ち上がり軽く会釈をする。

この女神からも何故か懐かしい雰囲気を感じるな。


「私がきたからにはもう大丈夫よ! 今日倒して帰るわ!」


 特にお前は何もしないだろう。目の前で胸を張って立っているマリアを見てそう思う。


「そうなんだ・・・・・助かるわ。って、え? 今日??」


 イリアは困惑の表情と言ったところだ。


 「大丈夫! こいつらの戦いみたら納得するわよ。今から行くつもりだけどイリアもくる?」


  ・・・え? この子魔王がどれだけ危険な存在なのか理解してないのかしら。確かにこの子の世界はミカエル領の中で最も危険度が低いし出現する魔王もたいしたことないはずだから理解してなくても仕方ないことではあるんだけど・・・・・。大丈夫なのかな、そんな遠足気分で。


 「マリア、世界線ってのはその世界の最後の守りであって、その世界の者が絶対に破れないようになってるのよ。それを破ったってことはその世界で現れていい次元を超えてるの、それに、世界線というのは外からの力に対しての方が強いの。ここイリア領はミカエル六大世界の中で危険度は三番目に高いの。その世界線を外から破ったとなればあなたが想像しているようなレベルの強さじゃないことが予想されるわ。あなたが前倒したという魔王とは強さの次元が違うの。だから本当にちゃんと準備したほうが・・・。時間は無いけど、もし勇者が死んだとなれ少しでも救える可能性があったものがゼロになってしまいます。」


 マリアの様子にイリアは本気で止めようとする。どうやらマリアの認識は神の常識から外れていたようだ。それにしても、マリアの認識とイリアの認識、かけ離れすぎでは無いか。本当に同じ女神なのか疑いたくなるな。


 「え・・・? そうだったの?」


 知らなかったのね。マジカ・・・


 「そ、そうなのよ。だからーーー」


 イリアの言葉を遮りシンが口を挟む。


 「俺からもいいか」


2人がこちらを向く。


「1度その魔王に会い、もし本当に俺とレオルドでも勝てぬほどの相手ならばすぐに転移(テレポート)で戻ってくる。それでどうだ? これならば危険も少ない」


「瞬殺されてしまえば、それは出来ないと思いますけど、、、それに下界と神界を行き来できるほどの転移など……」


やはりそこの心配か。


「大丈夫よ! こいつさっき異世界から私の神殿に飛んできたから!」


何故か誇らしげにするマリア。お前が誇らしげにするのは違うだろ。


「俺とレオルドが瞬殺されるような相手ならば誰にも止めることは出来ないだろう。その時は諦めろ」


「そうよ。シンとレオルドの強さは私が保証するわ!」


だからなぜお前が誇らしげなんだ。


魔王の強さを知らないマリアからの保証は保証されてないのと同じよ。

 

「マリアには、ちょっとツッコミたいところもあるけど……わかったわ。その案でいいわ」


イリアも渋々と言った形で俺たちがイリア領へと降りることを承諾した。マリアは既に門を出している。


「さあ行くわよ!」


張り切るマリア。やはり危機感が皆無だ。イリアも多少呆れた顔をしている。


「本当に気をつけてくださいね。マリア、勇者様」


「だいっじょうぶよ!」


イリアに向かって勢いよくグッジョブをする。


「心配には及ばん。俺が死ねばこの世界は確実に助からんのだからな」


この勇者様。どこからそんな自信が湧いてくるのかでしょうか。それにしても、なにか近いものを感じますわ。この自信家の勇者様から。


「で、では、ご武運を祈ります。」


 イリアは理解し難い言動をするマリアとシン、そして空気のようにしていたレオルドを見送った。


3人は門を抜ける。目の前に拡がった景色はヴリトラの時のように禍々しい景色ではなく、サンゴ礁のようだった。


その地を踏みしめた瞬間。シンはイリアの言っていたことをはっきりと理解した。


「確かに、ヴリトラの時とは次元が違うようだ」


ヴリトラとは比べ物にならないほどの魔力反応。それが一点に凝縮していた。間違いない。これがマリア区から移動してきたという『魔王』だ。


「でも、大丈夫なんでしょ?」


マリアが危機感の欠片も感じさせない浮かれた表情で聞いてくる。


「これはまずいかもな」


「……え?」


マリアが固まる。


まずいって、え、本当に? え、、、シンの発言に言葉を失う。


「とりあえず行くぞ」


とりあえずって、大丈夫なの…? まずいんじゃないの? シンの先程の一言でマリアの自信は地の底へと叩きつけられた。シンがそのような言葉を言うとは微塵も思っていなかったマリアは、とてつもない不安に襲われた。


「わ、わかったわ。でも。本当にやばかったらすぐに転移で帰りましょうね。」


「ああ、わかっている」


シンは振り返らずに返事をした…。


これが、マリアが後悔することになる出来事の始まりだった。

次回『勇者、死す』

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