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第16話 マリア様は女神です。

1300PV突破致しました!!嬉しい限りです。

ブックマークを7件も頂いております。

老人と分かれた4人は、コレからどうするかを話し合っていた。


「魔王が居ないなんてどうするの?」


「エリーに聞かれても、、、」


「まぁ、いないならいないでいっか?」


「ダメですよ。1度魔王発生の反応があった以上、それを解決しなければ行けないルールがあったはずですよ。」


そんなルールがあるのか、しかし、いないものはいない。この世界の端から端まで魔力探知を広げて見たが魔王らしき反応はひとつもなかった。ただこいつの勘違いという可能性もある。


「本当にいたのか?」


「なによ! 疑ってるの? ほんとに居たわよ!」


 むすっとするマリア。


「疑うわけではないが仕事をしない奴がいきなりし出せばミスするというのは道理だろう」


「うっさいわね。ミスなんかしないっつーの」


「マリア様、、、そんなこと言ってると殺されちゃいますよ。」


エリーが心配になり、マリアを止める。それはそうだ、基本魔族はプライドが高い。その魔族の王にこのような口を聞けばまずそいつは助からない。魔族の世界にも不敬罪というものが存在するので言った奴が完全に悪いという考え方が魔族の間では一般的だ。


「安心しろ。そんな小さなことでキレるほど狭量では無い」


「ね? 大丈夫でしょ? シンとレオルドは私にぞっこんなんだから!」


ゴチンッ。


マリアの頭部に衝撃が走る。


「イッター!! ふざけんじゃないわよ! ていうか、魔法障壁張ってるのになんで痛いわけ!!」


「同じ波長の魔力障壁はお互いに打ち消し合うからな」


「へぇ、そうなんだ。 っじゃねーっつーの! 痛いんですけど?! 一応女神なんですけど?!」

「マリア様、、、」


エリーは見てはいけないものを見てしまった気分になる。魔王にゲンコツされる女神なんて全世界どこ探しても多分マリア様だけです。


「それでどうするのですか? 魔王がいないとなると、一旦帰るしか、、、」


「んー、まぁ仕方ないわね、居ないんだし」


そう言うと、マリアは魔法陣を描いた。そして魔力を込める。景色が変わり、マリアの仕事部屋へと戻ってきた。マリアは自分の机へと向かい、どかっと椅子に座った。


「はぁ、どういうことなのよー。わかんない」


「確かに魔王が発生したんですけどね。」


マリアが頭を抱える。本当にどういうことかわからんらしい。こいつらにわからぬ事がおれに分かるはずもない。それより気になるのはあの老人だ。訳の分からぬことを言っていたがなんだったんだ。『時が来ればわかる』か。意味深な事を言いやがって


 机の上にあった水晶が光り出した。


「あっ、イリアから連絡が来てるわ」


「イリア様からですか? またどうしてでしょう?」


机の上にあった水晶に話しかける。


「はーい。マリアよー」


「マリア、久しぶりね。いきなりなんだけど、魔王が現れたのよ。」


「え? イリアの世界に?」

 

 あの働き者のイリアが魔王になるまで放っておくなんてありえないわ。


「あの働き者のイリア様が、ですか?」


エリーとマリアの様子から察するにイリアと言うもの別の世界の女神で、働き者らしく、常に魔王になる前に片付けているらしい。


「そうなの。でもね、それがおかしいのよ。いきなり現れたの。それに、修復仕掛けてるけど世界線が傷ついてて、」


「え? 世界線が? 待ってね、こっちも調べてみる」


全く話がわからん。エリーに聞いてみるか。


「エリー、世界線とはなんだ?」


マリアの隣で水晶を眺めていたエリーがこちらをむく。


「世界線とは、一つ一つの世界をおおっている結界のようなものです。中の物が別の世界に行かないようにしています。」


「なるほど、だとすると、そちらの世界に現れた魔王が、世界線を破ってこちらから移動したかもしれないという可能性があるな」


「いえ、そんなことはできません。世界線の外は虚無の空間です。神以外の者がその空間で無事でいられるはずがありません。」


虚無の空間、か。想像がつかぬな。しかし、もしこちらの世界の世界線が破けていたとしたら移動したという可能性は高くなるだろう。


「あっ! こっちも破けてるわ!」


「ビンゴだ。その魔王はこちらから移動したものだろう」


シンが口を挟む。


「それはありえないわ。エリーも言ってたけど、虚無の空間で無事でいられるはずがないもの。」


「ありえないことがもう既に2つも起きているのだぞ。今更1つ増えようが不自然では無いはずだ」


マリアはぽかんとする。え? 2つ? どういうことなの?


「2つって、シンのことと、あとは?」


「あの老人だ。転移したあとこの世界の隅から隅まで魔力探知の出力を最大にして探してみたがどこにもいなかった。ということは、俺と同じように異世界から転移してきたということだろう」


「え、それがホントならありえない話でもないわ。」


珍しくマリアが悩むような表情をしている。エリーもあまりそういうマリアを見ない(マリアが仕事をしないので悩むところを見たことがない)らしく、少し驚いた表情をしていた。


水晶から声が聞こえる。


「マリア? どうだった?」


「イリア、信じられないかもしれないけど、その魔王、世界線を破って虚無の空間を超えてるかもしれないわ。こっちの世界にも魔王が発生していたの。けど、向かった時にはいなくなってて、もしかしたらそいつがそうなのかもしれない」


初めての事態にも冷静に対応している。いつもの駄目さ加減はどこにいったのやら。女神に選ばれるということはそういうことなのだろうな。少し見直した。


「世界線を破って虚無の空間を渡るって、、、ありえないわよ。」


「でも、実際そうなっている可能性も否定できない。今日既に2人も世界を行き来した奴らがいるのよ。神の力もなしに。」


深刻な状態であることはマリアの表情と声のトーンを聞けばわかる。相当まずいようだ。


「え、そんなことって、、」


「イリア、私も行くから。多分大丈夫だわ、こっちの勇者はバケモンだから」


人を化け物扱いするな。まぁいい。今回はそれどころではなさそうだからな。

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