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くっくっく、僕がラスボスだ

 ヒコザはライトの目を見つめて話を続けた。


「構成は真逆なれど、この惑星はテララを模して構築されました。重力、気象、寒暖、生物相。一日の長さまでもがテララを再現するように設計されています。すべては失われる生命を保護するために整えられました。その趣旨から鯨座や他の星系からも難民を受け入れ、最近では異次元からも移民を受け付けています。しかしこれらはあくまでもテララの気候に沿える者、というのが条件です。今のエイトゥーラが果たしてそうだと言えるのでしょうか。常世の国。昼行夜行の区別が無くなった生物。紫外線や赤外線で育つ植物。今のままでは本当に黄泉の国に変わってしまいます。どうか地上に太陽を帰して下さい」


 ライトは表情を変えずにしばらくヒコザを見つめると、小さく息を吐いてから、こう告げた。


「出来ないんだ」


 飲み物を口にするとライトは目を伏せ、話し始めた。


「知っての通り我々六名のキューブはこの惑星の運行を任されている。そこには昼夜の管理も含まれているのだけど、今の所手が出せないんだ。あまり話したくは無いんだが、凡そ八年前、キューブ同士の争いで全員が死亡してね。それで戦闘は終了したんだ。上のフロア、酷い有様だったろう?そこから復活して今は三人で運営に向けて復旧中だ。もちろんリングの日照時間も優先して検討している。まずは原因なんだけど、先の内戦で人口太陽の配光板が破損している。修理の為ゆっくり出力を下げている所で、今は修繕状態に落ち着いている。唯、無人船が軒並み破壊されていてね。有人では人口太陽に近付けないし。困っている」

「なるほど。応援は呼べないのですか」

「フォースが四人、これらが我らの支配者なのだが、いずれも消息不明だ。リング界にまだそれ程の文明は興っていないし、異星人の母星は何れも滅亡している。テララなら或いは、とも思えるが、今の彼らにこのレベルのテクノロジーを見せてはまずい。頼むに頼めないのが現状だ」

「参考までに、フォースワンなら復活していますよ」

「なに?」

「それは僕」

「むむ、君は調べたぞ。最初の三人だ。ヒコザと呼ばれている個体で、テララの軍船でやってきた内の一人だ」

「そうです。フォースが当地の龍と融合してエンドラになりました。惑星建造後彼は姿を消しますが、その後何度が現身を寄越しています」

「当代のエンドラが、君、という事か、ヒコザ」

「そうです。しかし記憶が戻っていないのでお役に立てることは無さそうです。すみません」

「ああ、まぁ、良いだろう。責任者を代わってくれるなら誰だって構わないよ」

「出来る事はお手伝いします。まずは修理艦を用意しませんとね。例の二番目に来たテララの海賊船を回収した巨大ロボは使えないんですか」

「あれは有人機だ。人口太陽には近づけない。台数も足りない」

「艦船のリストを見せて貰えますか」


 ヒコザの眼前にリストが浮かび上がる。ホログラム系なのだが透けておらず完全な紙に見える。操作はタッチでテララの物と同じだった。


「ほぼ全滅とは。これはまずいですね。これらの修理というのは」

「駄目なんだ。この島のブレインが保全モードでね。最低限の管理が精一杯なんだ」

「それで木の実を」

「悪くないよ。裏に畑も作った」

「そうですか。ちょっと言いづらくなっちゃったな」

「何をだい」

「しばらくここで厄介になろうかと思いまして」

「思い切った提案だね。だが必要だろう。ぜひ存分に働いてくれたまえ」


 話がまとまると女性陣は連れ立って部屋から出て行った。こちらとしては初めから信用して訪れている訳だし、キューブもそれなりの情報を持って承諾している筈だ。身の保全を心配して話が進まなければ、彼らの修復作業の邪魔をしているだけだ。先程さり気なく彼ら生き残りのキューブが帝国やデイスカーに対し穏健な勢力なのも確認した。案外逆も有り得たので心配したのだが、島のブレインはフォースの意思を汲んだ判断をしたようだ。今日の所は持ち合わせた食料を分け、部屋を借り、就寝することとした。

キュービックはフォースの力を存分に使う事が出来ません。

キューブの知識はここまで、とフォースが決めたからです。

ブレインはフォースが牽引してきた知識の貯蔵庫の管理者なので許可された範囲でフォースの力が使えます。

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