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トンボめがねの超絶美少女  作者: にごらせ生茶
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昼食購入成功

 『フキおにぎり』などここ以外でどこにも見かけたことはなかったが、細かく刻んだ、タレでしなっと柔らかくなっているキャベツと豚の角煮の細切れ、フキの煮付けのようなものが入っている変わり種おにぎりだった。


 最初はなんだよこれは…と興味本位でみな買っていたが、これが食べるととても美味しいのだ。フキの味付けがご飯に最高にマッチしていて、それでいてキャベツと柔らかい豚の角煮も入っていて、食べた感じもとてもスッキリしていて、食後の胃も普通の食事をした時よりも軽く感じられるのだった。


 食べても眠気がほとんど出てこないし、午後から講義がある時にはピッタリだ。


 以前に発表され購買の壁に張り出されていた、人気商品ランキングによると『ビッグ焼きそばパン』に次ぐ、購買人気ナンバー2の商品で、それがこの時間に来て手に入るなんてことはもう在学中には起こらないかもしれないのではというほどのことだと思った。


 篤郎は会計を済ませ、ふーっ、と一息ついた。あまりにも努力が報われすぎて体が少しふるふるしていた。袋をぶら下げてぶらぶらと全力ダッシュした心地よいだるさをほぐしながら購買を歩いて後にした。


 篤郎が購買の階段を下る頃には、学食を食べそこなった生徒たちが2階の購買に流れ込み始めていた。いつもよりも相当人数が多いんじゃないだろうか。みんな連日の暑さのために美味しい学食で栄養補給を、とでも考えたのだろうか。学食は学内よりも人口密度が高くなるので、より冷房がしっかりと効いていて涼しいのでなおさらたくさん集まってきているのかもしれない。


 篤郎は購買が本格的な大混雑を始める前に買うことができてホッとした。あの混雑に巻き込まれていたら大変だった。『ビッグ焼きそばパン』『フキおにぎり』など到底買えなかったに違いない。それどころか何も買えなかったかもしれない。


 この組み合わせは学食に勝るとも劣らない購買では最強の組み合わせだ。今日は本当についていたとしかいいようがない。


 「…さてと…時間ないからさっとここらで食事を済ませたいけど、ここはちょっとさすがに人が混雑しすぎていて落ち着かないな。やっぱりいつもの教室まで行くか、あそこがやっぱり一番だ」


 篤郎はいつもよく購買で昼食を買ったときには利用している、“秘密の空き教室”に今日も向かうことにした。


 「秘密」といっても別に誰でも自由に入れるのだが、昼時には誰も来ない空き教室が校舎の3階にあり、篤郎がまだ大学の講義の教室の場所に疎い時、構内を散策している時に偶然見つけたのだった。


 2年の最初の頃にはもう見つけていたので、それ以来、購買で昼食を買うたびにその空き教室で一人ゆっくりと昼食をとって寝転がったりくつろいでいる。そこで他の学生に会ったことはまだ一度もない穴場だった。


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