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トンボめがねの超絶美少女  作者: にごらせ生茶
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学食到着

女の子は昨日の光景を思い出しながら、無意識にぶつかった右肩、胸に手を当て、目を瞑り、楽しげに苦笑いした。


 「…さてと…今日はのんびりとまずはお買いものにしよう、おっ、きれいだけど名前はわからない。身近な花の名前も知らないなんて不勉強なわたしだ…でもきれいだ…」


 女の子はゆっくりと目を開くと、道に咲いている名前のわからない花を見て少し首を傾げた。微かな風にそよぎ自分に微笑みかけてくれているかのような花の美しさを楽しみながら鼻歌混じりに歩いて行った。


 篤郎は学食の入口を駆け上がり、その勢いのまま階段も上り、2階の購買に走り込んでいった。


 学食の前にいる食事を終えたであろう人たちがあまりの勢いに何事だ? と一瞬チラッと見たが、すぐに仲間たちとの会話に戻っていった。


 階段も数段飛ばしによじ登っていたので、他の学生に見られたりしていたが、今はそれを気にしている場合ではない、ここまで頑張って走ってもうパンも何もありませんでしたというのは嫌だ。篤郎は極力視線を気にしないようにシャットアウトして購買の前まで走りきった。


 「…はぁ…はぁ…。…着いた…。…『ビッグ焼きそばパン』は…」


 額の汗を拭いながら購買の中のパンの棚をキョロキョロと眺め回す。棚の前で何人かの学生たちがパンを選んでいる


 ぱっと見、パンコーナーの棚はもうすでに3分の1ほどの品揃えになっていたので、これはもう厳しいか…と思いながらも一縷の望みをもって棚に引き続き視線を送った。


 一度視線を流した場所にもう一度視線を向け、目を見張った。…あったよ…ほんとにあったよ…。一個残ってるよ!! でかいからやっぱりあればすぐに分かるよ!!


 篤郎は心の中で自分の頑張りが報われた幸運に感謝しながら急いでパンの棚に向かい迷わずに『ビッグ焼きそばパン』を手に取った。


 しかし、篤郎は『ビッグ焼きそばパン』を幸運にもゲットしたにもかかわらずそれでは足りないような気がした。普通の食べっぷりの男子学生でも3人、女子学生なら4~6人で分ける量の『ビッグ焼きそばパン』で足りないはずはなかったが、それでは足りない、もっと必要だと思ってしまうラインまで空腹感が達していた。


 くるりと踵を返し、向かっていたレジに背を向けて、おにぎりコーナーに向かった。おにぎりコーナーの品揃えも3分の1を切るかという感じに見えた。


 おにぎりコーナにも何人かの学生たちがいて、おにぎりを手に取っていた。コーナーに近づくと篤郎は二度見した上に驚いて目を見開いた。すぐにまた滅多にない幸運に恵まれていることがわかり、すかさずそれに手を伸ばした。


 『野菜たっぷりフキおにぎり(山菜シリーズ)』の最後の1個をさっと手に取りレジに向かった。


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