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トンボめがねの超絶美少女  作者: にごらせ生茶
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学食へ①


 「…あ~、ほんとに今日はしょうがないな…。それにしても腹減ったな…」


 篤郎は冷蔵庫の取っ手に重い右腕持ち上げ、何とか4本の指を引っ掛けるように引っ張り開けると中を覗き込んだ。


 中には料理の材料になるようなものは何も入っていない。


 「12時20分か…。もうどこかに食べに行くのは無理だな、午後の講義に間に合わなくなる…よし、コンビニっていう気分でもないし、これは購買に行くしかないなっ…。パンだ! 購買ナンバー1メニューのあの『ビッグ焼きそばパン』を一人で食べられるんじゃないかというくらいの勢いで腹が減っている!


 …でも今から行っても厳しいかもしれないな~…いやっ、まだ希望はあるかもしれないっ! …あのパンは最高にうまいが最低でも男3人で買わなければ普通は食べきれないっ! 相当な大食らいじゃないと一人では全く手に負えないはずだ…ということで複数人で買うんじゃないと食べたくてもなかなか手が出しにくいので、希に残っている場合があるからな…。その望みにかけてみるか! よ~しっ…」


 篤郎はだんだんテンションが上がり学生食堂の二階にある購買へまず行こうと決めた。


 コップに汲んであった水道水の残りを一気に飲み干し、口を拭うとカバンを手に取った。


 足首で固定するタイプの走れるサンダルを履き、すぐに玄関のドアを勢いよくあけ鍵を閉めると、少し体慣らしのために軽く流してからダッシュし始めた。


 学食はダッシュすれば5分くらいのところにある。今は12時20分。学食への到着は12時25分くらいとして…。微妙な時間だな…。学食を諦めた奴らがもうそろそろ購買に流れる時間帯だ。


 篤郎はいつものカバンを肩にかけ、走り出しながらブツブツ言っていた。


 4車線道路を渡る歩行者信号は運良く青だった。走って横断歩道を渡った。幸運にもこれで1、2分くらいは時間を縮められそうだ。


 軽快に走っていると大学の正門が見えてきた。右に曲がりながら勢いを増し、正門を通過したあたりからスピードをグンと上げた。校舎の方へ向かって50メートル程ダッシュしてさらにスピードを上げながら左に折れた。学食はこの道を真っ直ぐに突っ切ればすぐそこだ。


 思ったよりも今のところはそれほど暑くはなっていない。といっても30度くらいは間違いなく今の時点でありそうだ。これから午後はもっと気温が上昇してくる雰囲気だ。


 現段階では暑すぎて走るのが辛いというほどではなく、どんどん体が温まり、走るスピードは上がっていた。連日の暑さでかなり体力を消耗しているはずだが、冷たいものを取り過ぎていたので、体を動かして温まってくると、調子が良くなっているような気がした。


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