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トンボめがねの超絶美少女  作者: にごらせ生茶
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ロビーは大混雑

 「しかし、竹岡咲留、とんでもない子が1年に入ってきたな。鈴置彩芽といい竹岡咲留といい今年の1年は一体どうなってるんだ。この大学は一体どうなってるんだ、あのちょっと冷たい感じのする表情がたまらない…。


 鈴置彩芽はいつも笑顔で元気で太陽のような存在らしいが、竹岡咲留はクールな感じで、月といった感じだな。…いずれにしても、どっちもとにかく素晴らしい…。しかし一瞬見せたあの笑顔、あまりのことにちびりそうになってしまった。まったく身動きが取れなかった…。ふーっ…まだドキドキしている…」


 男子学生たちは竹岡咲留にじっと見つめられ、自分たちが携帯で盗み撮りしようとしていたことの罪悪感もあってか何とも言えない緊張感から解放され、胸をなでおろした。


 男子学生たちは学食に向かい歩き始めた。竹岡咲留を近くで見ることができ、目を合わせたこと、話したこと、一瞬だったが笑顔をみられたことの興奮をまだ処理しきれずに気持ちのバランスを取っているのか呼吸を少し乱しながらもみなだんまりとしていた。


 3人は携帯を手にもって今にも落としそうな感じでブラブラとさせながら学食の方へ向かってフラフラと歩き出した。歩くとすこし高ぶりすぎた気持ちが落ち着いてきて、また一言、二言と会話を始めた。


 息を弾ませて連絡通路を飛び出した竹岡咲留は、学内の廊下に出るとキョロキョロと遠くまで廊下を見渡した。


 とりあえずロビーの方に向かってみることにし、足早に歩いた。


 学内は、午後の講義に備え、学生たちが早めに講義室に向かおうとしているのかかなり廊下を歩いている人が多かった。講義室の方が廊下、ロビーよりもいくらか涼しいので早めに移動しているようだ。


 竹岡咲留は廊下をキョロキョロと渡村篤朗らしき姿がないか探しながら歩き回った。


 「…おいっ…あの子、見ろよ…。…めちゃくちゃかわいいぞ…」


 「…きゃっ…あれ、竹岡さんじゃない? かわいい~…」


などと色々なところでザワついている声が聞こえる。男子学生は近寄りがたいのか遠巻きに遠慮がちにチラチラと見るだけだったが、竹岡咲留に近づいてきて声をかけてくる女子学生もいたので、軽く会釈したりしながら通り過ぎていった。


 ロビーに出るとやはり大混雑だった。特に掲示板の前に学生が多数集まっていて声を上げている。


 「…ほんとうだ! 永井先生と、宮西先生の講義が休講みたい。私も今日はこれで午後休だ! ラッキー♪ …永井先生の講義も休講か…。たしか3年生の…。…えっ!? これってもしかして彩さんとあおいさん、篤朗さんの講義じゃないかな!? 3人とも休講になったことをまだ知らないんじゃ…? 篤朗さんの席を取ったってあおいさんからライン来てたから講義室にいるんじゃ…?」


彩芽は今の状況を考えるとその可能性が高そうだと期待を膨らませ、きっとそうに違いないと判断すると、握り締めていた両手を開きポンと鳴らしながら手を合わせた。


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