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トンボめがねの超絶美少女  作者: にごらせ生茶
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トンボめがねの超絶美少女③

 「…おい…っ! …おいっ!! 一体どうなってんだ今日は!? これもさっきの渡村の幸運のおこぼれか! …こっちに来るぞ…っ!」


 先ほど渡村篤郎と別れた男子学生たちが学食の方に向かって歩いていると、すこし離れた位置にその女の子がこちらに歩いてくるのを発見したようだった。


 「うわっ…! あれは、まさかっ!! 一年の竹岡!…竹岡咲留たけおかえみる!“咲”と書いて“えみ”のっ! …こっちに歩いてきてるぞっ! 何て日だ!! おいっ! 今度こそ画像・動画の準備だっ!!」


 竹岡咲留はつかつかと校舎への通路に向かって歩いてきていたが、前方に見える男子学生たちが、慌てふためきながら、竹岡咲留の方をじろじろと見ているのが目についた。自分の方に背を向けながらもチラチラと見ていたので、さすがに怪しく見えた。


 竹岡咲留は男子学生たちの斜め前まで来て歩く速度を落とし、チラっと男子学生たちに目をやった。その一人と目が合った。


 「あっ…♥」


 視線を合わせられた里村彩、宮越あおいに話しかけていた男子学生が思わず声を上げた。


 竹岡咲留はその様子には気を止めずにまったく表情は変えなかった。また前を向いて歩き出した。


 しかし、男子学生たちの斜め後ろまで通り過ぎた後、立ち止まり、振り返って男子学生たちを一人ずつ眺め回した。


 「…おっ…っと♥ …いや、何でもないです…。ほんとに何もしてないですよ…たまたまここを通りすがったごく普通の3年生です…」


 男子学生たちは動画を取ろうと必死に準備していたが慌ててスマホをしまい、決して怪しいことはしていない…とアピールした。


 竹岡咲留は、男子学生たちが動画を取ろうと準備していたスマホをポケットにしまいこもうとしている様子を見た後、男子学生たちの顔をじっと見つめた。


 (…う、うわ…♥)


 一人が思わず見つめられ堪えきれなくなり、小さくそう呟いた。


 竹岡咲留はしばらく立ち止まっていたが、つかつかと男子学生たちの方に歩み寄ってくる。


 「…うわわっ…な、何ですか? …僕たちは何にも…」


 「…あの先輩方…3年生さんなんですか?」


 「…えっ? …まぁ3年だけど…いやっ、これは、君のことを盗み撮りしようなんてしてないよ。何も撮ってない…。ほんとだって…」


 弱り果てた感じで一人が弁解した。


 「…いえ…そうじゃなくて…。…ちょっと、スマホを貸していただけないですか? …

今、見かけたスマホが以前から気になっていたもののような気がして…。ちょっと知りたい機能があるんですけど…ダメですか…?」


 竹岡咲留は男子学生の弁解にはまったく耳を貸していなかった。クールな表情をまったく崩さずに真っ直ぐに一人の男子学生をじっと見つめながらそう言った。


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